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放任魔王の成長記    作者: 魚っ平
1/11

成長

最初から強い主人公ではなく主人公の成長を題材としたものです


これは俺が幼少期、年齢で言えば5歳か6歳の頃の話である


「ねぇ父さん」

「なんだい息子よ」

「なんで僕は父さんみたいに強くないの?」

「父さんだってお前ぐらいの頃は強くはなかったさ」

「でも今の父さんはとっても強いよ?」

「そうかもしれないな、でもこの強さはみんなのおかげだ」

「みんなのおかげ?」

「そうさ、父さんを支えてくれる皆のおかげだ」

「父さんもたくさんの経験をしてここまでこれたんだ、お前にだってできるさ」

「でも僕...みんなによくいじめられてるし」

「...なんで自分が苛められているか考えたことはあるか?」

「...無い」

「それならまずその苛めてくる子たちに聞いてみるといい」

「でも」

「自分を苛めてくる者に聞くのは怖いだろうな」

「うん」

「わかった父さんも一緒に行こう」

「本当?!」

「あぁ、いまその子達はどこにいるんだい?」

「多分公園にいると思う」

「そうか、それじゃ散歩のついでと言うことで城下町にいこうか」

「うん!」


魔王城城下町


町の魔族たちが沢山いて賑やかな風景が立ち込める

町行く魔族たちは魔王が城下町を歩いている姿を見てみな笑顔で声を掛ける


「お!魔王様、今日は息子さんとお出かけかい?」

「あぁ、たまには町の様子を見ようかと、後息子の友達に挨拶をと」

「そうかいそうかい!魔王様にはいつも世話になってるし、後で城の方に食材送っとくよ!」

「それは助かる、城の者から後で詫びの品を送らせる」

「いいってことよ!」


そんな平和なやり取りをしながら城下町の公園へと向かっていく


「ここか」


魔王は公園へつくと辺りを見渡す

公園には俺と同い年の子供とその親達がいた

俺をよく苛める子供たちが皆で楽しそうに遊んでいた


「...」


俺はそのときその子供たちが怖くてできれば近づきたくはなかった

だから父さんの後ろに隠れてそっと覗き込むように公園の子供たちを見ていた


すると公園にいた子供たちの親が魔王の存在に気づき皆頭を下げながら声を掛ける


「これは魔王様!ここへ来るとは珍しい」

「いや、偶には息子と散歩でもと」

「そうでしたか、おいお前たち、魔王様が来たのだぞ!しっかりと挨拶しないか!」


魔王と話していた親が子供たちに声を掛けた


「「魔王様!こんにちわ!」」

「はい、こんにちわ」


魔王はその名前に似合わないほどの笑顔で魔族の子供たちに挨拶を返した

そのなかで一人の子供が俺の存在に気づいた


「あ、リュートだ」


その言葉を聴いて周りの子供たちも俺を認識した


「おうリュートじゃん」


子供たちのリーダー的な子が俺に声を掛けた

俺は恐る恐る顔を出しながら小さな声で返事をした


「や、やぁ」


元気の無い俺の様子をみて魔王が子供たちに声を掛けた


「ねぇ君達、私の息子が聞きたいことがあるらしいんだ」


そう言って魔王は俺の背中を押しながら子供達の前へと歩ませた

この時の俺は正直そいつらの前には出たくは無かったが、横には父さんがいた

そのおかげもあって勇気をもって聞いてみた


「あ、あの...なんでみんなは僕のことをいじめてくるの?」


その言葉を聞いた子供の親は皆顔を青ざめさせながら子供の下へ駆け寄っていき


「お前!魔王様のご子息になんて事をしたんだ!!」

「この馬鹿息子!頭を下げてしっかりと謝らないか!」


そういって親達は子供達の頭に手を当てて無理やり頭を下げさせようとしたとき


「待て!!」


魔王が少し大きな声で親達に言い放った


「これは私の息子とあなた達の子供の問題だ、今は何もしないでもらえると助かる」


魔王の言葉に恐る恐る子供達の親はそれぞれ手を離す


「さて、君達」


子供達も親の態度に怯え声を詰まらせていた

その様子を魔王は理解しつつ話をした


「私は別に息子を苛めていた君達を怒ったりはしないよ、ただ息子が苛められる

 原因を聞かせてはもらえないかな?」

「「…」」


子供達は皆顔を合わせながら誰が言うか困っている

そのなかで一人が言い出した


「...よわっちぃから」


子供達のリーダー的な子がそういった

その親は汗を流しながら魔王の顔色を伺っていた

魔王は瞳を閉じて少し黙った後に


「ありがとう、怖かったろ」


魔王は発言した子供に近寄り子供の目線になるように屈みながら頭を撫でた


「君達の思ったとおり、私の息子、リュートはまだ弱い」


親からその言葉を言われたときは正直ショックだった

だけど魔王は続けてこう言った


「私も君達と同じぐらいの頃は今のリュートのように弱かったんだ」

「「え?」」


その言葉を聞いた子供たちは驚きを隠せなかった

なにせこの国を治めている魔王が弱かったなんて誰も信じるわけが無い

その話を聞いていた親達も同じように驚いていた


「だから君達にお願いしたいことがある」


魔王はそういって俺の頭に手を当ててゆっくりと頭を下げさせて自分も頭を下げた


「どうか私の息子、リュートを強く、そして仲良くしてほしい」


その行動を見た親達は慌てて声を掛ける


「ま 魔王様!頭をお上げください!」

「私達のような者たちに頭を下げるなど!」


そんな言葉を聞きながら魔王は頭を上げない


「どうか息子を…」


俺も頭を下げた父さんを見ながら大きな声で言った


「ぼ 僕! 君達みたいに強くなって仲良くなりたい!」


心からの声だったその言葉に


「...わかった」


リーダー的な子供が大きな声でそういった


「リュートと仲良くすればいいんだな!」

「あぁこれからリュートが迷惑を掛けるかもしれない」

「その時はみんなで助け合うから大丈夫!」


魔王は微笑みながら子供たちを見る

まるで自分の過去を思い出すかのように


「それじゃ、これから遊ぶけどリュートも混ざるか?」

「うん!」

「そんじゃ俺の名前から教えるか」


そう言って赤髪のリーダー的な男の子が自己紹介をした


「俺はカルロ・バーン!カルって呼んでくれ!」


続いて黒髪の大人しそうな子が


「僕はエード・ヴェルナーク、よろしく」


最後に金髪の女の子


「私リリア!リリア・アンシオン!よろしくね!」


そういって三人の自己紹介が終わりみんな知ってると思うけど

俺も自己紹介をする


「僕はリュート・ヘリエル・ハーデスエス、これからよろしくお願いします!」

「そんじゃリュート!遊ぼうぜ!」

「うん!」


この日はみんなで日が落ちる頃まで公園で遊んでから父さんと城へ向かった

その道中


「息子よ」

「なぁに?」

「あの子達を大切にするんだぞ」

「うん!」


そう言って父さんの手を強く握って俺は帰った


そんな切っ掛けがあったおかげで俺は三人ととても仲がよかった

別に三人とだけ仲がよかった訳ではない

カル(カルロ)は人当たりがよかったからそれを見習いながら俺もいろんなやつと

会話するようにもなった


魔力の使い方はエド(エード)にいろいろとコツを教わったりしながら身に着けていった

俺は魔力の使い方は旨いほうではなかったからエドにはいろいろと迷惑も掛けた


リリアは城下町の酒場でよく店の手伝いをしている頑張り屋だ、俺が15歳ぐらいの時に

酒場の手伝いをしてみないかということで一時期は仕事のやり方を勉強させてもらったり

していた、魔王の配下の者からは『時期魔王が下民の仕事など!』なんて硬いことを

言ってはいたが魔王が『住民の苦労を知ることは重要なことだ、好きにさせてやってくれ』

とフォローをいれてくれて自由にやらせてもらっている


魔王は放任主義ってわけじゃなくて『いろいろと経験することに意味がある』といって

俺のやることには特に口出しをすることは無かった


もちろん魔王としてのの仕事や勉強もしていた、けど息抜きによくカル達と森に行って戦う術とか

考えながら遊んでいたこともある、体中ボロボロになって帰ってきたときは母さんは心配そうにしてたのは知っていた

父さんはよくアドバイスを俺にくれていたけどそれを聞いていた母さんはよくため息をしているのを覚えている
















小説の作り方はあまりわからないのでアドバイス等をくれると助かります。

読んでくれた方々には感謝しております。

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