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オオカミ魔物で異世界転生  作者: コインチョコ
8/31

7 ビーム撃ちたい


水流カッターレベル2を習得してからしばらく経った。

こっちの暦は知らないからどれだけ経ったか分からないからな。

とにかく、しばらくはしばらくだ。


『この世界の1年は360日。1日は25時間です』


おっと解説さん。そう言うことはもっと早めに言って欲しかったな。


『聞かれませんでしたので』


どこのキュウ○エだよ。


『では、水流カッターのレベルも上がったので、魔物狩りを再開してさっさとウォーウルフに進化してください』


解説さん、なんか冷たくない?


『普段通りの対応です』


解説さんが冷たいなんてことは置いといて、今は経験値稼ぎが先だ。

後はレベリングも大事だね。


あ、早速白い体毛に覆われたゴリラ型の魔物が現れたぞ!

この間もやつのような魔物に襲われてやられそうになった。

その時のリベンジマッチといこう。

解説さん。頼みます。


名前/なし

種族/タイタンエイプ

性別/♂

年齢/15才

体力/451

パワー/600

スピード/105

タフネス/500

魔力/40

レベル/58

経験値/500

スキル

ドラミングショックウェーブ レベル2


解説

タイタンゴリラの最終進化形態。

タイタンエイプ特有のスキル『ドラミングショックウェーブ』は全方位に魔力のこもった強力な衝撃波を撒き散らす。

水流カッターでは勝ち目が薄い難敵かもしれない。



うえ、なかなか強いなこいつ。

スキルも強力そうだし。

それに対して俺のステータスの数値はどうだろう。


解説さん。俺のデータも出してください!


名前/ナナシのナナ

種族/オオカミ

性別/♀

年齢/3ヶ月と3週間

体力/100

パワー/105

スピード/176

タフネス/91

魔力/66

レベル/6

経験値/61

スキル

ポケットディメンション レベル1

ステータス閲覧 レベル2

水流カッター レベル2

解説



この間よりも少し数値上がってるな。


ゴリラと蛇、二体の魔物を同時に倒したことが良かったんだろうな。


それでもステータスでは、やつの方が俺よりもスピードと魔力以外の全項目が三桁以上は上なんだ。


水流カッターがあるからって油断してると、簡単にやられちゃいそうだ。


俺は油断することなく、ゴリラ……タイタンエイプを見据える。

タイタンエイプの方も俺をじっと見つめて目をそらさない。


戦いは既に始まっている。

先に相手から目をそらした方が先手を譲ることになる。

じれったいなぁもう!


張りつめた空気に我慢できなくなった俺は、思いきって先手を取ることにした。


水流カッターを最大出力でぶっぱなす。

6メートル以上ある巨大な的が相手だ。そう簡単に外すか。

と、思っていたらエイプが唐突に雄叫びを上げた。


「ウヴォオオオォォォォォ!!!」


ドンドンドン!とドラミング付きで。

タイタンエイプを中心に、魔力を伴った衝撃波が広がり、俺の水流カッターは消し飛ばされてしまった。


マジかよ。


グルルゥと呻いて威嚇する俺だが、流石に唯一の武器である水流カッターが効かないってのはちょっとなぁ。


『唯一の武器が効かなくて残念ですね』


解説さんうっさいな!もう!


俺は水流カッター以外の方法でやつを倒すことを考えたが、1つしか方法が思いつかなかった。


こうなったら、アレをぶっつけでやるしないかも。

やつにかき消されないほどの高密度の攻撃。

魔力光線を!


魔力(マギカ)光線(ブラスト)ですか。アレならば、ドラミングショックウェーブにも対抗できるでしょうね』


そうだろう。でも一つ問題があるよね?


『今のあなたでは、魔力光線(マギカブラスト)は使用できないことですね』


その通り。俺はあの光線を使えない。


『なら、今習得してしまえばいいではありませんか』


どうやるのさ!てか、もうあの猿の攻撃来てるし!


解説さんとの会話に夢中になっているうちに、眼前にまで迫っていたやつの投げた岩を回避する。


今の俺の体長は150センチ程だが、今投げられた岩は二メートル近くある巨大な丸っこい岩だった。

しかもボウガンの矢並みのスピードもあった。

趣味でボウガン撃ったことあるから間違いない。

これは当たっていたら流石に即死だったかもしれないな。


とか言ってると、砲丸投げの要領で次弾を飛ばしてきた。


再び横っ飛びで避ける。


解説さん!今のうちに魔力光線(マギカブラスト)の撃ち方を教えてください!長くは持たない!


『では、全身の魔力を口内、あるいは口元へ集中させてください』


こ、こうかな?


飲み会で飲まされ過ぎてデビルリバースした思い出を思いだしながら、口内と口先に魔力を集中させる。


『次はイメージで魔力に形を持たせてください。魔力を集中できるのであれば、どんな形でも構いませんよ』


なんでもって言われると逆に困るんだけど!

あ、そうだ、球にしよう。タマタマに!

俺はどっちかって言うとポチだけど!

あ、口先に出来てた魔力の球が弾けた。

集中力を欠いたからか?!


『焦りすぎて変な方向に思考が暴走してます。落ち着いてください』


敵が岩を投げまくってくるこの状況で冷静になれるか!


『では、魔力光線は習得出来なくてもよろしいのですね。助かります』


します、出来ます、喜んで!


『では頭を冷やして、もう一度イメージをまとめてください』


今度はおふざけ無しでボールをイメージする。


口元にボール状に固まった魔力の色は炎のように真っ赤だ。

俺を撃った狩人の色は青だったけど、属性によって色が違うとかあったりするんだろうか。

解説さんは俺の疑問に答えることなく説明を続ける。

いや、無視したというよりも、今はそんなことに構ってられないってことだ。

解説さんも大分余裕がないようだ。


『初めてにしては上出来ですね。良くできてますよ。次はそのまま魔力を解放して光線を発射してください』


え、えーと……解放、放出、発射、……ええい、なんでもいい!


とりあえず喰らえ!魔力光線(マギカブラスト)!!


解説さんの言うがまま、俺は魔力光線(マギカブラスト)をぶっぱなす。

解放された赤い魔力が一筋の光線となり、タイタンエイプに一直線に向かう。


あの猿はどうしたかって言うと、水流カッターをかき消したあのドラミングショックウェーブをもう1度放った。


また俺の攻撃を消し飛ばすつもりのようだ。


だが今度の攻撃は、さっきのよりもずっと強い。


魔力で強化された衝撃波が魔力のビーム魔力光線(マギカブラスト)と激突し、せめぎ合う。

均衡が続く。

このままだと魔力を消費しまくってる俺が負ける。

ありったけの力を振り絞り、魔力を上乗せする。

魔力持ってくれよ!魔力光線(マギカブラスト)!三倍だーー!


「ワオーーン!(いっけーーー!)」


俺が叫ぶのとほぼ同時に均衡は破られた。


魔力光線(マギカブラスト)がドラミングショックウェーブの防壁を破り、タイタンエイプの上半身をあっさりと消し飛ばしてみせた。


なんて破壊力だ。俺は興奮とドン引きを同時にした。


体の上半分を失ったタイタンエイプの下半身は力を失い、うつ伏せに倒れてきた。

それをサッと避ける。


危ない、危ない。危うく下敷きになるところだった。


もしかしたら勝てないんじゃないかとも思ったけど、土壇場で新必殺技を覚えられて良かった。

しかもその必殺技は自分を殺そうとした狩人の技だ。


今ならあの狩人に会っても「ありがとう狩人さん」と素直にお礼を言えそうだ。だが俺を狩ろうとしたことは絶対に許さん。


では、解放さん。俺のステータスを見せてください。

最終進化体を倒してどれだけ強くなったか確かめたい。


『では、表示します』


名前/ナナシのナナ

種族/オオカミ

性別/♀

年齢/3ヶ月と3週間

体力/100→141

パワー/105→122

スピード/171→231

タフネス/91→101

魔力/60→70

レベル/6→9

経験値/61→122

スキル

ポケットディメンション レベル1

ステータス閲覧 レベル2

水流カッター レベル2

魔力光線 レベル1

解説



おお、全体的に一周りも二周りも強くなってる!

レベルも一気に3も上がった!

しかもスキルに魔力光線(マギカブラスト)が追加されてるし!


『新しく習得されたスキルは随時追加されますので』


そうなのかー。


『しかし、今の一撃で魔力が枯渇寸前になっていました。ですので、魔力光線(マギカブラスト)は奥の手にするべきですね』


でも今は魔力満タンだけど?


『レベルアップすればステータスは回復するので、あなたには分からないんでしょうね』


なんだかトゲがある解説さんの突っ込み。

なんで解説さんって俺にこんなに冷たいの?









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