11 晴れて使い魔
俺ことナナシのナナは、めでたくもマナちゃんさんの使い魔として認められました。
使い魔契約の契りとして、マナちゃんさんの魔力を孕んだ血を一滴飲まされたりしたけど、俺は元気です。
あ、そうそう、この契りのお蔭で、魔力の総量が一気に100以上も上昇したんだよね。
スキルのステータス閲覧もレベルが上がって3になって、もっと細かくステータス表記がされるようになったしな。
名前/ナナシのナナ
種族/ハクギンオオカミ
性別/♀
年齢/3ヶ月と4週間
職業/使い魔
体力/141/141→206/206
パワー/122/122→140/140
スピード/231/231→291/291
タフネス/101/101→119/119
魔力/70/70→195/195
レベル/9
経験値/122
スキル
ポケットディメンション レベル2
ステータス閲覧 レベル3
水流カッター レベル2
魔力光線 レベル1
パッシブスキル
解説
と、まあ、こんな感じだ。
前よりも現在の数値とMAXの数値が表示されるようになり、職業が新しく追加された。種族名も正確に表記されている。
レベルが上がってないのにステータスがアップしてるのは、マナちゃんさんの使い魔になったからだ。
マナちゃんさんの溢れる魔力を含んだ血を飲んだだけでこの強さよ。
やっぱあの方はチートだわ。
マナちゃんさんのステータスもこっそり見てみたけど、こんな感じだった。
名前/マナ・H・ライオネル
種族/人間
性別/女
年齢/15
職業/魔法使い
体力/650/650
パワー/99/99
スピード/75/75
タフネス/36/36
魔力/8910/8910
経験値/???
レベル/30
スキル
魔法使い レベル100(MAX)
魔術師 レベル100(MAX)
魔導師 レベル25
魔物使い レベル1
まあ、なんという事でしょう。
この間見たときよりもずっと強くなってる。魔力の数値も半端じゃねえ。
スキルに新しく魔導師が加わっていて、スキルレベルは25もある。魔物使いってのは、多分、俺を使い魔にしたからだろう。
経験値の数値は相変わらずバグってるし、まるで底が見えない。
そもそも、スキルレベルって全部上限は100なんだろうか?
解説さん。ちょっと教えて。
『スキルレベルの上限は個体、スキルの種類によって別々に決まっています。
例えば、鍛治士や魔法使いのような職業系のスキルは上限は100になっており、そして、成長限界は人によって違います。例えば、同じスキルであってもこの方の上限はレベル50で、こちらの方はレベル62が限界値となっていたりします。
で、あれば彼女が魔法系のスキルを2つもレベル100まで育てていることは、非常に稀有な偉業と言って良いでしょう。
尚、こちらの魔導師スキルもレベル100まで育つと見て良いでしょうね。彼女には相当な才覚と積み重ねがあるのでしょう』
解説さんの話を聞く限りでは、マナちゃんさんの才能と努力は人一倍どころじゃすまないだろう。しかも優しくて可愛いときた。
完璧すぎるし強すぎるぜ、マナちゃんさん。
こんな人の使い魔になれて俺は幸せだな。
解説さんもそう思うだろ?
『私としてはあなたみたいな異物なんかよりも、人望も能力もある彼女のスキルになりたかったです』
さらっとディスられたけど、マナちゃんさんの人望は解説さんの御墨付きだ。
彼女の魅力をこれ以上語れば時間が無くなってしまうからここまでにしよう。
ちなみに、街には簡単に入れた。
魔物の俺がそう易々と入れる訳ないと思っていたけど、割りと簡単に入れた。
マナちゃんさんの使い魔だって言われたら門番の衛兵にも簡単に通して貰えた。マナちゃんさんの人望しゅごい。
で、現在の状況を説明すると、
1.マナちゃんさんの使い魔になりました。
2.彼女の家に来ました。
3.現在彼女の友達で同僚の女の子にモフられてます。
「あー、可愛いわねーいい子ねー。マナもいい拾い物したわねー」
「そうでしょそうでしょ!かわいいでしょ!!」
一緒になってマナちゃんさんもモフってくる。
4.助けて、解えもーん!
『諦めてください』
そんなこと言わずに助けてよ。
このシー○ルクもの凄く手つきが荒くて毛皮が痛いんだよ。
どうにかしてくれよ!
『ざまあみろです』
この野郎!!
「さてと、あたしはもう帰るよ。じゃあな、マナ」
「うん、またね」
ようやく手つきの荒い人はお帰りになられた。
あの筋肉女は明らかに動物を撫でるのに慣れてないわ。
『彼女はどうやら戦士のようですね。戦斧を使って戦闘に挑むようですね。この街の中心近くにあるコロシアムでもトップランカーのエリートです』
めっちゃ強いのね。
通りで
ステータス見ときゃ良かったかも。
『ええ、彼女の肉体ならば恐らくはパワーとタフネスは4桁に届いていたかも知れません。貴重なデータを見れなくて残念です。あなたの頭も残念です』
隙有ればディスる。もうね、解説さんは俺に恨みでもあんのかな?
あ、後、4桁超えのステータスってどれくらい凄いの?
『パワーとタフネスが4桁超えならば、あらゆる城壁を素手で破り、鋼の剣で切られても剣の方が折れます』
城壁を破壊し、剣で切られても剣の方が折れるとか、あの女マジでシーハ○クじゃねえか。
『それ以上その名前出せば大いなる存在に怒られます。やめなさい』
はい。じゃあ、この話は切り上げましょう。
思い出したように、マナちゃんさんが話を切り出してきた。
「あ、そうだ!ワンちゃんに名前付けて無かったね!」
俺の名前はナナシのナナだよ!
気づいてよマナちゃん!
「ワン!ワン!(ナナ!ナナだよ!)」
「うん嬉しいよね!名前は大事だからね!」
畜生!言葉が通じねえ!
解説さん!話してくれる?
『承知しました。では、黙っていてくれますか?』
はい。
「ん、また念話するの?念話が出来るなんて珍しいよね、君」
しばらくの沈黙の後、マナちゃんさんは腕を組んでウンウンと頭を縦に振った。
「ナナシのナナ!いい名前だね!」
解説さんは齟齬もなくちゃんと伝えてくれたようだ。
ありがとう解説さん。
『礼には及びません。それと、方法は教えるので次からはご自分で念話をしてください』
はーい。
マナちゃんさんが俺の名前を知り、俺の腹の中で虫が暴れていることに気づいた。
具体的にはお腹が鳴った。それも結構デカイ音で。
そんな俺をマナちゃんさんはほほえましいものを見る目で見てくる。俺の方が年上なんだぞ?あ、今は3ヶ月の赤ちゃんだったや。
「じゃあ、晩御飯にしようか?昨日の残りのシチューしかないけどね」
今まで血の滴る生肉しか食えなかったから、人間らしい食事が食えるのは嬉しい。
『ようやくまともな物が摂取できる感想はいかがですか?』
最高だね!
その後、シチューを食った俺は、味覚が無いことを失念していたことを忘れていた。
『HAHAHAHAHAHA』
解説さんは俺を見て爆笑してる。
どこに目ん玉があるのかは知らないけど、解説さんってホントにいい性格をしてるよね。
『恐縮です』




