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Midnight in Deep South

作者: フランク太宰

「民主党員お断り」何てポスターが、雨でズタボロになっているとはいえ、この南部に近づく一本のハイウェーの横にあるダイナーの壁に張ってあると、いささか無政府主義者の私も身が引き締まる思いになる。無政府主義者といっても、私はこの国の選挙権を持っていないわけだから、無政府主義な訳でファシストでもなければ、赤狩りの対象でもない。この国では私は孤独なフォリナーなのだから。もっとも母国の政治にも興味は無いが。

 政治なてドラックだ…

そう昔、誰かが言っていた。

ヘルメットをかぶって大学に立て籠っても 、smsで自国や近隣諸国を中傷しても、だから何になるっていうのさ、フランス革命以来、若者は体制に勝てたことなどない、何時だって頭の良い中年の親父どもは計算高い。

 "選挙に行け!" おいおい、あんんな気色の悪いセンスの欠片もない、ポートレイトを見て誰の何に引かれるのか?

 と、まー現実の話、上記一連の思考は実質二秒で終わってしまった。

食への欲望がピークに達していて、たぶん目の前に美しき蒙古の少女が立っていても抱きつきさへ、しないだろう。

だから私はダイナー特有の五十年代的未来感の建物に入っていった。

端の席に座ると、直ぐに恰幅の良いアメリカンガールがなにも言わずやって来た、私はコーヒーと何か食い物があるか聞いた。

「チーズバーガーかアメリカンドック」と彼女は言った。私はどちらも注文した。彼女は無言で立ち去ったが、私のことを見ていた。よく見渡せば少ない客は皆 、部外者を見つめている。

当然だ、これがここの仕来たりなのだろう、文句も言えない。

 しかし、そんな状況は二人の老人と若者によって壊された。彼らは私の正面先のジュークボックスで怒鳴りあっている。

 老人が言った「何がマイケル・ジャクソンだ!老人の意見を尊重しろ!

 てめぇだって、俺みたいな糞爺になるんだ、そうなったら、マイケルでもシナトラでもかけてやるよ」


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