82話
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やってきました、ジューゴ・フォレストの3時間クッキングー……って長いよな。
まあどれくらい時間が掛かるか分からないので、テキトーな事を言ってみただけだから気にしないように。ホントにテキトーだからな?
じゃあ改めて、一つ一つの料理の工程を確認していくとしますかね。
まず最初は米だが、これはもうおにぎりがあるためそれで代用してもいいと思ったが、せっかくだから【ケチャップ】を作って【ケチャップライス】を作りたいと考えている。
それにあたって、ケチャップの原料となる【トマト】が必要だが、これは【リコペル】という【トマト】に似たファンタジー野菜を使用して作る予定だ。
ちなみに【リコペル】の由来はトマトの学名が【ソラヌム・リコペルシクム】というらしく、それを短く取ったのだろう。
……なんでそんな事知ってるのかって? そんな事どうでもいいだろ!
次にオムレツだが、これはなんの捻りもなく【クエックの卵】を使うのが順当だろう。
俺がそう考えていると、クーコが突如として卵を産もうとしたため止めさせた。
まだベルデの森で手に入れた卵が残っているから、そっちの方を先に消費していきたいしな。
メインのおかずとなる【ハンバーグ】は、今まで手に入れた魔物の肉を合い挽きにして、そこからハンバーグのタネを作っていくことにする。
フライドポテトは【トゥベロー】という【じゃがいも】に似たファンタジー野菜があるのでそれを油で揚げることにする。
この【トゥベロー】の名前の由来もじゃがいもの学名【ソラナム・トゥベローサム】から取られているっぽいな。
最後に【プチパンケーキ】は、小麦粉と砂糖、それに【ニューモーの乳】を使って作ることができると思う。
ベーキングパウダーがないのが痛いところだが、今回は仕方ないので使わずに作ることにする。
ということで、まず最初にやるべきことは【ケチャップ】を作るところからだ。
長丁場になるかもしれないが、これも【料理人】の経験を積むためにも必要な事と割り切り早速キッチンの設備を確認していく。
「へえー、結構本格的な設備じゃん」
そこに設置されていたのは、始まりの街の工房の給仕室と同じように竃だったが、こちらの方が規模が大きくかなりの火力が出せそうだ。
それに加え、どうやらケーキなどを焼くための竃式のオーブンのようなものもあり、ここならかなり少し手間のかかる本格的な料理も作れそうだ。
あらかたキッチンの設備を確認した後、収納空間から調理道具と食材を取り出し調理を開始する。
まず使用するトマトを水洗いし、できるだけ小さく細かく切る。本当ならミキサーでペースト状にするのだが、そんな便利なものはないのでここは細かく切る。
そして、少し大きめのボウルなどの容器に移し、スプーンなどを使って潰していきペースト状にする。
それを煮込むための鍋の上にザルを置き、ペースト状となったトマトをこしていく。
そこにみじん切りにした【ケパ】と呼ばれる玉ねぎのファンタジー野菜を加え、煮込んでいく。
塩と胡椒と砂糖を加え、鍋に入れたペーストが半分くらいになりどろりとなるまで煮込み続ける。
本来であれば、その状態になるまで2時間から3時間ほど灰汁を取りながら煮込むのだが、時間が掛かるという事で【時間短縮】を使って短縮することにした。
【料理人】のレベルが上がって、初めて調理する工程もある程度のものであれば短縮できるようになったのは有難い。
少し甘めの味付けにするため、砂糖を少しずつ入れながら味を見ていく。
そして、出来上がったものがこれだ。
【ケチャップ】
リコペルを使用した調味料。
その用途は多岐に渡り、様々な料理に使われる。……美味しい。
製作者:不明 レア度:☆☆☆
うーん、レア度は星3つか……まあ酢とかハーブとかがないからな、深みのある味を出せない今はこれが限界だろう。
さて、これで【ケチャップ】ができたので、ここから【ケチャップライス】を作っていこう。
まあ作り方はシンプルだ。熱したフライパンにご飯を入れ、適当なところでケチャップを投入するだけだ。
【ケチャップライス】
ケチャップを使用して作られたもの。……美味しい。
製作者:不明 レア度:☆☆☆
その最後に取ってつけたような美味しいってなんだよ。……まあ別にいいけど。
次はオムレツだが、こちらも基本的な料理の技術があれば特に難しくもないためあっさりと完成する。
【オムレツ】
クエックの卵を使用して作られたもの。
ふわりとした食感にまろやかな味が特徴。……美味しい。
製作者:不明 レア度:☆☆☆
それからハンバーグ、フライドポテト、プチパンケーキと今ある材料と調味料で出来る限りの調理を行った結果が以下の通りだ。
【ハンバーグ】
数種類の魔物の肉を合い挽きにして作られたハンバーグ。
肉汁がたっぷりと閉じ込められており、噛んだ瞬間肉汁が溢れてくる。……生意気だ。
製作者:不明 レア度:☆☆☆
【フライドポテト】
トゥベローを使って、高温の油で調理されたもの。
適度な塩加減になっており、美味である。……一つくれ。
製作者:不明 レア度:☆☆☆
【プチパンケーキ】
小麦粉、砂糖、ニューモーの乳を使って作られたもの。
甘さが控えられており、食べやすい。……今すぐ寄こせ。
「なんか、鑑定の結果にちょくちょく個人的な意見が入ってるのは気のせいか?」
これは一体何なんだ? 鑑定の分際で感情があるとでも言うのか? それこそふざけた話だ。
まあ鑑定結果についてはこの際気にしない事として、とりあえずは【お子様ランチ】の料理は出揃った。
「よし、あとはこれを盛り付けるだけだな」
あらかじめ購入しておいた大きめの皿に、見栄え良く料理を盛り付けていく。
お子様仕様に量は少し少なめにする。その代わりデザートに果物を追加するようにしておこう。もちろんファンタジー果物だ。
「あと忘れてることはないよな?」
誰に聞くともなしに独り言ち、皿に盛り付けた料理を鑑定する。
【お子様ランチ】
数種類の料理を盛り付けられた。子供が喜びそうな料理。
子供だけでなく大人も楽しむことができる一品。……プチパンケーキ寄こせ。
製作者:不明 レア度:☆☆☆
「なんでプチパンケーキ単体だけなんだよ!? ハンバーグも食べなさいよ!!」
そう一人ツッコミをかまし、料理が完成したので早速プリオに振舞うことにする。
大人用の椅子に座り、足をぷらぷらさせている姿はなんとも健気だ。いかんいかんまた例の感情が出てきているぞ?
「待たせたな、【お子様ランチ】だ」
「うわぁーい」
スプーンとフォークを使い、子供らしく豪快に食べている姿を見ているとこちらとしても作った甲斐がある。
しばらくプリオが食べているのを眺めていたら、あっという間に完食してしまった。
「ごちそうさま、とっても美味しかったよ。ありがとうパパ……あっ、ごめんなさい間違えちゃった」
うおおい!! 誰がパパだ誰が!? 結婚してないのにパパにはなれないぞプリオ少年。
そういうのは漫画やアニメだけで十分だ。
俺はそういう意味を込めプリオの頭を撫でてやると目を細めて喜んでいた。
なぜかクーコが悔しそうな声を上げていたが、何かあったのだろうか?
これでまた一つの料理が完成したことにより、料理人のレベルも上がってくれることだろう。
今度もっと時間が取れる時に、今回作った料理をさらに質のいいものにするために研究してみよう。
その後俺は、お子様ランチを20セットほど作成し、そのうちの15セットをフリーマーケットに出品する。
ちなみに値段は750ウェンに設定した。おにぎりが100ウェン、ハーブステーキが250ウェンなのでちょっとお高めの値段設定だ。
「よし、まあこんなとこかな。じゃあプリオ、キッチン使わせてくれてありがとな」
「もう行っちゃうの?」
そう言いながら上目遣いで俺を見上げてくる。
待て待て、俺に一体何を求めているんだ? ここに一生いろとでも言うのか?
「ああ、これでも俺はかなり忙しい身だからな(ゲームで遊ぶことに)やることが山積みだ(主にゲーム関係で)」
「そっか……じゃあ仕方ないよね」
「……まあ、料理も作らなきゃならないし、プリオが良ければまたここを使わせてくれると助かるんだが」
「ホ、ホントに!? ホントにまた来てくれるなら、いつでも使っていいよ!!」
先ほどまで沈んでいた顔が、まるで太陽のように眩しい笑顔を浮かべている。……健気だ。
女の子にも感じたことがないが、思わず抱きしめそうになってしまった。
……言っておくが、俺にそんな趣味はないからな!? そんな腐った感情は断じてない!
そんなことを考えながら、プリオに別れの挨拶をしてその場を後にした。
もちろん、別れる前にプリオとフレンド登録をした。
今回作った【お子様ランチ】の各料理は単体でも売り出せるので、今度プリオの家で料理する時はそこを考えてみることにしよう。
※ジューゴ・フォレストに腐った感情はありません




