12.眠れる森の罠 ◇4
「三日月っ!」
「“鬼爪・天回”っ…」
「“水月”っ!」
「“鬼口”っ」
「クっ…!」
何を放っても互角以上の力で返してくる白鬼・オーロラに、輝矢が少し表情をしかめた。
「技が感情に呑まれて先走っているわよ…?退治屋さん…」
オーロラは余裕の笑みで輝矢を見下ろす。
「冷静さを忘れてはいけないわ…」
「大きなお世話ですっ」
まるで助言でもするかのように言うオーロラに、強く言い放った輝矢が再び三日月を構える。
「……っ!」
三日月を構え、勢いよくオーロラへと飛び込んでいく輝矢。
「三日月っ!」
輝矢がオーロラの懐へと入り、三日月を振り切る。
「うっ…!」
空を切る三日月に、輝矢が目を開く。
「そうやって…安易に敵の懐に飛び込む…」
「……っ!」
いつの間にか輝矢の後方へと立っているオーロラ。
「“月器・十六っ…!」
「“鬼爪”…」
「ううっ…!!」
輝矢が三日月を十六夜へと変形させる前に、オーロラの爪が輝矢の背中を切り裂いた。
「うあっ…!ううっ…」
血を流した輝矢が、力なく床に倒れ込む。
「……。」
それを見ていたオーロラが白鬼の姿からまた人間の姿となり、倒れている輝矢へと歩み寄った。
「ほらっ…だから言ったでしょう…?」
「……っ」
すぐ傍に立ち微笑みかけるオーロラを、輝矢が痛みをこらえながら睨み上げる。
「そうだっ…貴女も鬼にしてあげましょうかっ?」
「……っ」
オーロラの言葉に、眉をひそめる輝矢。
「そうすれば…ここで私に殺されることもない…永遠に生きることができるのよ…?」
「……冗談じゃありませんっ…」
「……っ」
すぐさま答える輝矢に、オーロラの表情が曇る。
「鬼となって永遠に生きるぐらいならっ…ここでアナタに殺された方がずっとマシですっ」
「……。」
強い瞳で言い放つ輝矢を見て、オーロラが表情から笑みを消す。
「まぁ私はアナタなどに負けたりしっ…」
「……それは…貴女が長く生きることを許された命を持っているからよっ…」
「えっ…?」
少しトーンを落としたオーロラの言葉に、輝矢が少し眉をひそめる。
「でもね…人間の命なんて…いつかは必ず尽きるもの…」
どこか遠い目を見せるオーロラ。
「貴女も…目の前に死が迫ったら…きっと言うわっ…“鬼になってでも生きたい”って…」
「……っ」
妙に気持ちのこもったそのオーロラの言葉に、輝矢は怪訝そうに顔をしかめた。
「だって…みんな、喜んだものっ!鬼人になれてっ…これで死ぬことはないんだって…喜んだものっ!」
「……。」
必死に言い放つオーロラを、輝矢はどこか悲しげに見つめる。
「人でなくなるだけでっ…死ななくて済むのよっ…!?だったらその方がずっとずっといいじゃないっ!」
「オーロラ…アナタ、まさかっ…」
「私はっ…私は死なないっ…!私は永遠に生き続けるのっ…!!」
「……。」
まるで自分の方が追い詰められているかのように、必死に叫ぶオーロラ。そんなオーロラをまっすぐに見つめていた輝矢であったが、やがてどこか諦めたかのように視線を逸らし、俯いた。
「オーロラ…」
「……っ?」
再び三日月を強く握り、傷ついた体を立ち上がらせる輝矢。
「もし…私の命が明日には尽きるほどのものだったとしても…」
痛みをこらえて立ち上がった輝矢が、ゆっくりと顔を上げ、オーロラを見つめる。
「私は…決して鬼として生きる道は選びませんっ」
「……っ」
輝矢の答えに、少し眉をひそめるオーロラ。
「最期まで人として生き、そして死にますっ」
曇りのない表情と堂々とした態度で言い切る輝矢。
「でもまぁ正直、まだ死にたくはないので…」
少し笑みをこぼす輝矢。
「私はアナタを倒しますっ…!」
「……。」
そう言って三日月を構えた輝矢を見て、オーロラがどこか暗い表情で下を向く。
「……そう…じゃあっ…!」
再び白鬼の姿と変わるオーロラ。
「望み通りっ…人として死なせてあげるわっ…!」
「……竹取輝矢っ…」
鋭い瞳となって、鬼と化したオーロラを見上げる輝矢。
「鬼退治…いたしますっ…!」
「アアアアァッ!!」
同時に飛び込んでいく輝矢とオーロラ。
『……っ!』
輝矢の三日月とオーロラの鬼爪が激しくぶつかり合う。
「貴女にっ…貴女に何がわかるのっ…!?」
「……っ?」
輝矢に鬼爪を向けながら、どこか悲しげな声で問いかけるオーロラ。
「生まれながらに死に逝く命を持った人間のっ…何がわかるっていうのっ…!!」
「ううっ…!」
オーロラの激しい攻撃に、輝矢が持っていた三日月を弾き飛ばされる。
「クっ…」
「ハァっ…!ハァっ…!ハァっ…!」
丸腰となった輝矢の前に立ちはだかり、肩で大きく息をするオーロラ。
「貴女にっ…貴女に…何がっ…」
「確かに…私にはわかりません…」
「……っ」
その言葉を繰り返していたオーロラが、三日月を失い、ただ立ち尽くしているだけの輝矢の声に顔を上げる。
「でもっ…わかってくれた人はいたのではないですかっ…?」
「……っ!」
突き上げるようにまっすぐに見つめる輝矢に、ハッとした表情を見せるオーロラ。
――可哀想に…オーロラ…わしがっ…わしが代わりに死にたいっ…――
――ああっ…どうしてあなただけが…不治の病になどっ…オーロラっ…――
「……っ」
思い出される映像を、オーロラが必死に振り払うかのように首を振る。
「鬼になることで帰る場所すら亡くしてっ…それで永遠に生きて、本当に幸せですかっ?」
「私っ…私はっ…!」
「アナタは永遠の命を得る代わりに、たくさんのものを亡くしたんですっ!」
「違うっ!!」
輝矢の言葉を、頭を抱えて大きな声で否定するオーロラ。
「違うっ…!違うっ!違うっ!私はっ…!!私はぁっ!!」
「……っ!」
三日月のない輝矢へと、オーロラが勢いよく爪を振り下ろす。
「……っ!!」
オーロラの爪が輝矢の体を切り裂いた途端に、輝矢の体が水となって弾け飛ぶ。
「水の分身っ…!?うあああああっ!!」
弾け飛んだ水が刃となり、驚いているオーロラに向かって一斉に飛び出していく。
「うううっ…!」
全身に水の刃を受け、思わずよろけるオーロラ。
「……っ」
「うっ…!!」
そんなオーロラの目の前に現れる、三日月を構えた鋭い目つきの輝矢。
「これでっ…終わりですっ…!」
「クっ…!」
三日月を突き出す輝矢と、険しい表情を見せるオーロラ。
「……っ三日月っ!」
――………………っ!
「うっ…!ううっ…」
輝矢の突き出した三日月が、オーロラの胸を貫いた。
「いっ…嫌ねっ…」
胸から紫色の血を流していた白鬼が、やがて赤い血を流す人間の女の姿へと変わっていく。
「永遠にっ…生きられるっ…はず…だったのにっ…」
「……。」
輝矢が三日月を引くと、オーロラは力なくその場にしゃがみ込んだ。
「輝矢っ!」
「竹取っ!!」
そこへ桜時とゴンが駆けつける。
『……っ!』
部屋の中にいる輝矢とオーロラの姿を見て、思わず目を見開く桜時とゴン。
「オーロラ…」
壁にもたれかかるようにしてしゃがみ込んでいるオーロラを、少し細めた目で見つめる輝矢。
「アナタ…やはり人げっ…」
「昔ね…」
「……っ」
弱々しい声で話しを始めるオーロラに、輝矢が言葉を止める。
「昔…生まれつき、不治の病を患った子供がいたの…」
「……。」
オーロラを、輝矢はただまっすぐに見つめる。
「不治の病っ…?」
――娘が…いましてね…――
「あっ…」
輝矢とオーロラのやり取りを見ていた桜時が、何か思い当たったかのような表情を見せる。
「生まれながらに死ぬことを宣告されたその子供を…両親はひどく哀れんだ…」
――可哀想に…わしがっ…わしが代わりに死にたいっ…――
――ああっ…どうしてあなただけが…不治の病になどっ…――
「両親は…毎日言ったわっ…“可哀想な子、可哀想な子”って…」
「……っ」
そっと俯く輝矢。
「子供は思ったわ…“私は可哀想なんかじゃない”…“もっと…もっと生きたい”…」
オーロラがどこか悲しげに笑う。
「“永遠の時を…生きたい”って…」
「……。」
遠い瞳を見せるオーロラを見て、輝矢はそっと目を細めた。
「んっ…!ううっ…!」
痛みが走ったのか、急に顔をしかめるオーロラ。その体が足元から徐々に砂と化していっている。
「どうやら…本当に終わりが来たみたいね…」
砂となりゆく自分の体を見て、オーロラが笑う。
「アナタを…アナタを鬼人へと変えたのは…?」
死に逝くオーロラに、輝矢が最後の疑問を投げかける。
「……あの方は偉大な方よ…」
「あの方…?」
オーロラの言葉に眉をひそめる輝矢。
「あの方も間もなく動き出す…そうなれば…世界は鬼に満ち、やがて滅びの一途を辿るわ…」
「そのあの方っつーのっ…!あの方っつーのは誰だっ!?」
「ゴンっ」
輝矢の横から顔を出し、必死の勢いでオーロラに問いかけるゴン。
「ウフフっ…」
――パァァァァァァンっ!
「……っ!」
名を明かさぬまま、オーロラは砂となって崩れ落ちていった。
「……。」
風に吹かれ、消えていく砂を、輝矢は神妙な面持ちで見つめていた。
御伽界・とある山奥。
「オーロラの反応が消えました…」
崖の上に立ち、そう言うのは、色素の薄い灰色の髪に、あまり光を感じない紫色の瞳の、まだ若い男。首筋に何やら黒い紋様のようなものが入っている。
「シルク様…」
「……そう」
崖の先に座っているのは、長い白髪の人物。背中しか見えないが、その華奢な体に高く響くその声は、恐らく女性であろう。シルクと呼ばれた女性は、男の言葉に素っ気ない返事をする。
「やっぱりどこまで行っても人間は人間だったわねぇ…」
「オーロラの抜けた穴はどうなさいますか?」
「穴…?」
男の言葉を不思議そうに問い返すシルク。
「どこに穴があいたというの…?諸刃…」
「えっ…?」
諸刃が少し戸惑うような表情を見せる。
「捨て駒を一つ失くしただけよ…私には何の影響もないわ…」
「……っ」
そのシルクの言葉に、諸刃はあまりない表情でそっと眉をひそめた。
「すべては…私の計画通り…」
シルクが座ったまま、その白く細い手を高々と空へと伸ばす。
「やがてこの美しい世界を…醜い鬼が埋め尽くす…」
伸ばした手が、シルクを照らす太陽を隠す。
「フフフっ…アハハハハっ…アハハハハハっ…」
高々とした笑い声が、太陽の在る空へと響いた。
翌日。眠りの森。オーロラの古城付近。
「……。」
オトポリの制服を着た多くの警官が古城内や周囲を調査する中、輝矢は古城から少しはずれたところに作られた、小さな墓の前に立っていた。
「良かったのか…?」
「……っ」
そんな輝矢の横へと現れたのはハチ。
「六べぇさんとおハナさんに…オーロラのこと伝えなくてっ…」
「……。」
ハチの問いかけに、そっと目を落とす輝矢。
「良かったんですよ…」
輝矢が悲しげに微笑む。
「二人の娘は…三十年前にこの森で死んだ…それで…いいんです…」
「……そっか…」
輝矢の言葉に、ハチが小さく頷く。
「……“瞬花”…」
「……っ」
ハチが瞬花で花を出し、その花を墓へと手向ける。
「かぁ~っ!墓なんて作ってんじゃねぇーよっ!辛気くせぇーなぁっ!」
「ゴンっ」
いつも通りの不機嫌面でその場へと現れたのはゴンであった。何とも煩わしそうに墓を見るゴン。
「おいっ!ハチ公っ!お前もなぁ~に花なんか供えてんだぁ~っ?辛気くせぇっ!!」
「何って…」
「情緒の欠片もないキツネですねぇ」
墓や花がとても気に食わない様子のゴンに、輝矢とハチが少し呆れた表情を向ける。
「だいたい俺は花っつーものが昔っから嫌いなんだよっ!」
「それはハチへの侮辱と受け取って、蹴り倒してもいいんですか?」
「何っでだよっ!!」
かなり勝手な解釈をする輝矢に、ゴンが大きく突っ込みを入れる。
「あっ…そういえばっ…」
『……っ?』
何かを思い出したように声を出すハチに、言い争いをしていた輝矢とゴンが振り向く。
「誰に言われたのか忘れたけどっ…こんなこと言われたなぁ~」
「……?何です?」
「うん…“永遠に咲く花を、人は誰も美しいとは思わない”」
「……っ」
――私は永遠に生きるのっ…!――
「……。」
ハチの言葉にオーロラのことを思い出し、そっと俯く輝矢。
「“じゃあどうして、散り逝く花は美しいのか”…」
墓をまっすぐに見つめるハチ。
「“人が…花はいつか散るものだと知っているから美しく見える…そうじゃない”…」
穏やかな笑顔で言葉を続けるハチ。
「“花自身が…いつか散ることを知りながら…それでも一生懸命咲くから美しいんだ”ってっ」
「……っ!」
そう言って笑顔を見せるハチに、輝矢が少し衝撃が走ったかのように口を押さえる。
「でぇも誰に言われたんだっけなぁ?」
「……っ」
考え込み、首を捻るハチの横で、小さく笑顔をこぼす輝矢。
「さっ、ここはオトポリに任せて、私たちはそろそろ行きますかっ」
「へっ?」
「サルぅ~っ!キジぃ~っ!どこですぅ~っ?」
目を丸くするハチを墓の前に残して、足早に古城の方へと向かい、モンキとユキジを探す輝矢。
「何だぁ?アイツ…」
「やっぱすげぇーよっ、お前っ」
「へっ?」
首を捻っていたハチが、ゴンの言葉に振り向く。
「あっ…」
「……っ?」
ゴンの顔を正面から見た途端に、昨日のクロトとシロキとの戦いが思い出され、気まずそうに俯くハチ。そんなハチを見て、ゴンが眉をひそめる。
「ゴン…そのっ…昨日は悪っ…」
「良かったよっ。お前に殺させなくてっ」
「えっ…?」
ゴンの言葉にハチが戸惑うように顔を上げると、ゴンは穏やかな笑みを浮べていた。
「お前はこれから…たくさんのものを背負うアイツを…支えていかなきゃいけねぇーんだもんなっ…」
そう言ってゴンが、モンキやユキジと合流する輝矢を見つめる。
「それってどうゆうっ…」
「まぁ一言で言うと、良き旦那になれってことだっ!」
「だんっ…」
ゴンの笑顔に、固まるハチ。
「って、なるかぁぁ!!」
「アッハッハっ!」
「ハチ~っ!行きますよぉ~っ?」
思い切り怒鳴り返すハチを見て、楽しげに笑うゴン。そんなハチを古城の方から輝矢が呼ぶ。
「ゴンと何の話をしてたんです?」
「何でもねぇーよっ」
やって来たハチに輝矢が問いかけるが、ハチは素っ気なく答える。
「怪しいなぁ~」
「桜時、ゴンゴンに何か脅迫されてんじゃなぁ~いっ?」
「誰がじゃっ!!」
疑いの目を向けてくるユキジに、ゴンが力強く怒鳴りつける。
「おおぉ~いっ!かっぐやさぁ~んっ!!」
『……っ?』
そこへ古城の調査を行っていた金汰がやって来た。
「いっやぁ~っ!ここにおったとですかぁ~っ!」
「金汰さんっ、調査終わったんですか?」
「んんっ?」
――ボォォォ~ンッ!
「ああっ…粗方なっ」
「渋っ!」
「ずっと人でいりゃいいのにぃ~っ」
ゴンの問いかけに、人化してカッコよく答える金汰に、モンキとユキジが少し呆れた表情を見せる。
「それで輝矢さん」
「はいっ?」
真剣な表情で輝矢の方を見る金汰。
「今回の件、本部に知らせたら、緊急会議が開かれることになった。オトポリ全員に召集かかっている」
「えっ?俺もですかぁ?」
「まぁ一応なっ」
「一応って…」
金汰の微妙なニュアンスの答えに、顔をしかめるゴン。
「まぁゴンさんがいない方が会議はスムーズに進むと思うっスけどねぇ~っ!」
「……っ」
――バギコォォーンッ!
「うううっ…」
現れた途端に要らぬ口を叩いた羊スケに、ゴンの鉄拳が降り注いだ。
「危うく鬼人にされるところだった可愛い部下になんたる仕打ちっ…」
「あ~あ。鬼人にされときゃあ容赦なく燃やしてやったのによぉっ」
「ヒドいっスよぉ~っ!ゴンさぁ~んっ!」
羊スケが泣きそうな顔で訴える。危うく鬼人にされそうだったわりには元気そうである。
「んんっ?羊スケっ、お前が目覚めたということは鉄もっ…」
「ああっ、さっき起きたっスよっ?」
「何ぃっ!?」
羊スケの答えを聞き、大きなリアクションをとる金汰。
――ボォォォォ~ンッ!
「待ってるだべぇ~っ!鉄ちゃぁ~んっ!兄ちゃんが今すぐ行くだぁ~っ!」
『……。』
再び熊化した金汰が、物凄いスピードで再び古城の方へと走り去っていってしまう。
「結局…何言おうとしてたんだ…?あのクマ…」
「さぁ?」
呆れた表情で問いかけるハチに、首をかしげる輝矢。
「まぁ要は~会議があるなら情報収集できるし、輝矢さんも来たらどうっ?ってことじゃないっスかぁ?」
『なるほどっ』
代わりに言う羊スケに、ハチたちが納得したように手を叩く。
「そういえばさぁ~オトポリの本部ってどこにあんのっ?」
「“龍国”だ」
ユキジの問いかけに、真面目な表情で答えるゴン。
「龍国…?」
「ああっ…四大国が一、御伽界・最古にして最大の国…」
「どうするんだ?輝矢」
「うぅ~んっ…」
ハチの問いかけに、考え込むように首を捻る輝矢。
「そうですねっ、じゃあ行きましょうかっ」
「おうっ!」
「私も久々に里帰りしたいですしっ」
「おうっ!って…へっ?」
勢いよく返事をしたハチが、何やらおかしいと思い、首をかしげる。
『へっ?へっ?』
モンキやユキジらと目を合わせ、首をかしげ合う三匹。
『ええええっ!?』
三匹の大きな声が響き渡った。




