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私の家出の話。  作者: ユヤン
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6

 ファビアンさんは快く私が働いてくれることを許してくれた。

 明日から働いてもらってかまわない、とも言ってくれた。

 ギルドには明日の午後にいこう、と決めて初めての仕事にワクワクしながら寝床についた。


 次の日のランチ時間。

 開店は11時から、なのだが開店30分前には長い行列ができていた。

 「あの、ファビアンさん…。この列は全て…?」

「全部そうですよ。いやー、本当にこんなに並んでくれてありがたいことですよ」

 こんな長い行列は始めてみた。

 ファビアンさんのご飯は確かに美味しかった。 

 そしてランチを見せてもらうと、ボリュームがあって銀貨一枚。

 確かにこんなに並ぶのはおかしくない。


 開店してからは目まぐるしかった。

「これ、十二番テーブルにお願いします!」

「は、はい!」と答えたもののまだ覚えたてのテーブル番号はあやふやだった。

「十二番テーブルは、三番目の右から数えて三番目です!」

 あたふたしてる私に気づいてファビアンさんが教えてくれた。

 ファビアンさんも料理でいそがしいのに申し訳ない。

 そのあとも注文も間違えたり、配膳を間違えたり散々な結果だった。


 ランチの営業時間も終え、やっと自分達のランチにありつけたときには私はぐったりしていた。

「ファビアンさん…今日はすいません…」

 思ったより仕事ができず、逆にファビアンさんに迷惑をかけることになって、申し訳なかった。

「初めてだし、仕方ないですよ。明日もよろしくお願いします。今日はギルドに行くんですよね」

 ファビアンさんは優しく言ってくれた。

「はい、明日もまた頑張ります!じゃあ、ギルドに行ってきますね」

 そう答えて私は外に出た。


 ギルドに行くと、あまり人はいなかった。

 受付らしきところに行って、「登録をしたいのですが」と言うと、受付の人は紙を出して、「これに記入をお願いします」と言った。

 名前と性別、生年月日など記入するところがあった。

 名前はルイ、と書いたが性別のところでペンが止まった。

 (ここは正直に書くべきでしょうか…けれどすでに名前を偽っていますし…)

 男、と書いてドキドキしながら紙を差し出した。

 受付の人は紙を一見してちらり、とこちらを見た。

 ドキッとしたが、すぐに受付の人はカード作成に取りかかってくれた。

 ホッと肩を撫で下ろした。

 しばらくたつと、カードを持って来てくれた。

 これで登録は以上だと言われたので、外に出てカードをみると、表面には先程書いた情報、裏面には発行所である、テグリアス南町ギルド、とギルドの紋様が押されていた。


 本屋に向かったが、本を帰るほどお金に余裕がなかったため諦めることにした。

(魔法はできるだけ使いません!後は平穏に、平穏に…)


 目立つことはしない、そうきめてルイは帰路についた。

 

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