次なる戦い
アナウンスで敗北を言い渡された僕達、第一探索隊はガルザルド帝国の祝勝会を背に、樹木が生い茂る緑園の森を抜け少しばかり長い坂を登っていた。
その坂の上からは僕が所属してる国、シュラード国の住人を演じてる一団が下ってくる。彼らはすれ違い様に励ましの言葉を掛けてくれた。
坂を登りきるとそこはシュラード国だ。数々のテント、少数のプレハブ住宅、そして一際目立つ大きなサーカステント。
あのテントが現シュラード国王が鎮座している城ともいえる場所だ。
門番に入国証を見せると彼らは「第一査隊の方々ですね。国王がお呼びです」と僕達を大きなテントに案内した。
サーカステントに入ると赤い絨毯が敷かれておりテントの奥に立派な椅子が設置されている。その椅子には赤いマントを着た男が座っていた。
現ジェラード国初の国王、キリシマ フユキ。本名かは定かではないが、ここのLARPGユーザーで知らない人は居ないと言われている人だ。
そして彼の隣にもまた有名なプレイヤー、アリスが立っていた。高身長で綺麗な顔立ちに美しい金髪の髪、瞳は海の様なブルー。
一見で外国の方だと分かる。"彼女"はスポンジの槍に小さな盾を携えている。
「やぁ、第一調査隊の諸君!先程の任務は突如の戦闘にも関わらず良く戦ってくれました」
キリシマが勢いよく椅子から立ち上がり大袈裟に僕達を迎える。
「負けてしまったのは残念ですが。新人プレイヤーで固めたチーム。しかも経験者は2人だけ。多くは望みません。しかし君達は楽しい反面悔しいと思っているのだろうと思い、一つ案を思い立ちました」
キリシマは演説めいた口調で動き周り途中で言葉を区切った。
「再戦したいとは思わないかい?」
その言葉で僕やジュディアス、第一調査隊の新規プレイヤーが騒つく。
再戦したい。今度こそは勝利を味わいたい。みんなが同じ事を思っているに違いない。キリシマの次の言葉でそう思った。
「その顔を見れば十分だ。では45分後に再戦だ。その為にはまず作戦を立てないとな。諸君聞いてくれ。作戦はこうだーー」
こうして僕達、第一調査隊の再戦への準備が始まるのであった。
キリがいい場面で投稿して行こうと思っています