表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
カスタディ・シティ  作者: ぎゅーにゅー
6/8

休日の過ごし方・前編

2話構成の予定です


次は明日の20時に更新します

街に活気がある

それはかき入れ時だからだ

週末である日曜日は基本的に休日だが、中にはその休日の人間を狙った店も多数存在する

一つは飲食店。これは『休日だから外食でもしようかな』そんな考えの人間を狙っている

一つは雑貨店。これは『平日は忙しくて買いにいけない』そんな考えの人間を狙っている

他にも色々な店が休日を謳歌する人間を今か今かと鋭い眼光で狙っているのだ


しかしそんな休日には他にも行動する人間がいる

それは手を繋いでおめかしして異性と共に出かける



そう、それは――――――デートだ



「ねぇ…ねぇってば!聞いてる!?」

「聞いてるよ、さっきからなんだよ……うげっ」

「私をどこに連れてこうとしてるのか説明して欲しいんだけど…やりたいこといっぱいあるんだから無駄なことはしてたくないんだよね」

「わかった!わかったからその手を離してくれ!!」


タツに掴まれてた手をすり抜け、腰に下げてる物に手を置くと素直になってくれた

やっぱり平和的解決は大事よね

「今自分のことを棚に上げなかったか…?まぁいい、説明だったな。ちょっとお前にやってみて欲しいことがあるんだよ」

「やってみて欲しい?なにを?」

「それは着いてからのお楽しみってやつだ」


むぅ…まぁ着けばわかるならいっか

「つまんないことだったら承知しないよ?」

「お、おおおう!お、おおお前ならた、たた楽しめるはずだ!………,(たぶん)

最後なにか言わなかった?

んー…微妙に聞こえなかったし…わかんないな



「それにしてもこの辺も結構街に馴染んできたよね」

「あーそうかもな、前は『バリバリの日本です』だったもんなー」

「そうそう、それがここまで馴染むなんて凄い発展した、ってことなのかな?」

「そういうことでいいんじゃね?まだ|あっち(日本)の物も多いけど|こっち(この街)の物がかなり流通してるのはこの街に住むならありがたいことだろ」

「結構独自の進化みたいな感じになっちゃってるからね」


もはやここは日本じゃないみたいに感じることは結構ある

能力(チカラ)が発現するまで暮らしてた日本の面影があるのは嬉しい気がするけど、10年以上この街に住んでるとこれがあたりまえって思っちゃうんだよね

これはいい傾向なのか悪い傾向なのか私にはわからない



「着いたぜ、ここだ」

「ここって…ゲーセンじゃん!しかも古いし………帰る」

ここに連れてきたタツを恨みながら回れ右しようとしたら

「ちょ、ちょっと待てぃ!ここのゲームを一つクリアしてからにしてくれ!」

「意味がわからないんだけど」

「ちゃんと説明する!だから帰らないでくれ!!」


切羽詰ってるみたいに焦って私を引き止めた

でもこのゲーセンって昔全部クリアしちゃったしな…

そう思ってたら

「ここにはこの間新しいゲームが入ったんだ、それが難しすぎて誰もクリア出来ないんだ。だからお前なら出来るんじゃね?って思って連れてきたんだ!!」

新しいゲーム!?それはやってみるしかないね!…でも


「理由はそれだけ?」

「えっと、その…あー」

「言え!じゃないと帰る」

「悪かった!言う、言うから帰らないでぇぇ」

泣きながらしがみ付いてきた――――正直気持ち悪い


「ちゃんと説明しなさい。理由如何では帰るからね」

「わかった。まず、クリアすると景品がある。そしてその景品は多分俺もお前も欲しい物だと思う」

「それだけなら帰るけど?」

「待てって、話はまだ途中だ。ゲームが入ったのは先月末なんだが…未だクリア出来た奴はいないんだ」

「先月末って、今月ももう終わるから1ヵ月誰も?」

「そうだ、それで4日前に俺もゲームに挑んだ、そして負けた」

「全然繋がんないんだけど…それがどうかしたの?」

「その時、俺のやってるとこを見てた奴がこう言ったんだ『お前じゃ絶対にクリアできない』ってさ」

「……それで挑発に乗った、って訳ではないよね…ってことはもしかして」

「俺は言っちゃったんだ『俺は偵察だ、これは俺の師匠がクリアする』って」


バカだバカだって思ってたけど…ここまでバカだったなんて

「だから頼む!俺の意地だってのはわかってる、でもあいつらにバカにされたままってのはどうにも許せないんだ!だから頼む!!」

「景品は少し気になるけど…私がやる理由がこれっぽちもない気がするんだけど」

「そこをなんとか!お願いしますショウ様!」

「あーったく!ゲームを見てみて出来なそうと思ったらやらない、それでいいよね?」

「もちろんです!」


私ってつくづくタツに甘い気がするな…



「これが例のゲームだ」

「なにこれ…私にうってつけのゲームじゃない!」

このゲームは所謂VR格闘ゲームだ

ゲームの世界に入り込んで自分の身体を動かして戦う

痛みとかは一切ないが、代わりにダメージを受けると普通より多く体力が削られる

しかも、このゲームは格闘であって格闘じゃない―――剣を使った決闘だ


「一応聞いときたいんだけど、能力(チカラ)は?」

「戦闘系は使えないらしい」

その言葉を聞いてニヤっと笑ってしまった

だって、戦闘系じゃない私にとっては能力(チカラ)の制限が掛からない

つまり、思いっきり本気の勝負が出来るってことでしょ!!



「やってくれるよな?」

タツが聞いてきたけど、もう私の中で決まっている

「もちろんやるにきまってるでしょ!!」




ゲームをイメージするなら『ソウルキャリバー』ですかね



感想、評価お待ちしてます

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ