鈴木:頑張って通勤してみる。
(いや~ホント、会社行きたくないわぁ。)
バスに乗って、溜め息をつく。
ニャンコと離れたくないし、まずこのバス通勤が嫌だ。
いつも十分は遅れてくるし、年配の人で溢れていてなかなか座れない。
変なおばちゃんは話しかけてくるし、どうしていいのかわからなくなる。
私は基本人見知りだ。
仕事なら、何でも出来る気がする。
仕事中ならちゃんと接客も出来るし、上司からも厚い信頼を得ている。
それが、仕事じゃないと途端に出来なくなってしまう。
まっ、仕方ないよね。
それが私だし。
いつものようにバスに乗り、下らないことを考えながら頑張っていたけれど、もぅごまかせないとこまできていた。もの凄い吐き気。
そう、車酔い。
頑張れ私!
何か他のことを考えて気をまぎらわせるのだ!
………。
ムリでした。
あえなく途中下車。
会社に電話する。
「おはようございます、鈴木です。大変申し訳ありませんが、通勤中、バスに酔いまして…はい、はい、大丈夫ですが、少し遅刻します…すみません」
よし、少し休んだら行きましょうか!
会社少し手前のバス停でイスに座って回復を待つ。
下を向いて、吐き気が治まるのをまつ。
ひたすら待つ。
時間にして五分ほど。
息を一つ吐き、顔を上げた時、それが目に入った。






