007 ネコミミ来襲
「猫人?」
「猫の人?」
「猫の人!」
「きた!」
「猫きた!」
「猫の人きた!」
「これで勝つる!」
三島と鈴村さんのテンション上がりすぎて雰囲気がおかしくなって頭が痛い。
熊切さんが口を開けて呆然としている目の前で、三島と鈴村さんは何故か意気投合してハイタッチ。
「病院ではお静かにお願いします」
「すいまえんでした」
そして二人仲良く謝ってる。
「……まぁいいです。それでぇ、猫アレルギーの方ってここに居ますかぁ?」
「俺は違うけどー、そっちは?」
「違うわ。刹那ちゃん?」
「違います」
三島がクラスメイトの熊切さんよりも今日知ったと思われる鈴村さんと仲良さそう。
最終的に全員が首を横に振ったのを確認して、間延びした話し方をする看護士さんは出て行った。
そうしてできた沈黙を破り捨てたのは熊切さん。
「……部長、これと仲良いんですか?」
「これ扱い!?」
「え? はじめましてだよ? 知ってるネタだったから乗っただけで」
「俺は部活紹介で知ってたけどな!」
年度始めの部活紹介……確かに毎年やってるな。全然覚えてないけど。
「うるさいよ。……三島くん、さっきの聞いてただろうけど、テニス部部長の鈴村遥さん。部長、これがクラスメイトの三島葵」
なんか紹介始まった。
「ああ、君が噂の子供服を集めていた子」
「あってるけど」
……無視されてちょっと悔しいし、口はさむか。
「でも三島ってロリコンだったよな?」
「ロリコンじゃねえ! ロリもいけるだけだ!」
「ええ~……」
あ、思ってたよりみんなヒいた。ちょっとごめん。
「逃げてー、ロリになった青K……るなちゃん逃げてー」
そして熊切さんの言葉でみんなの視線がこっち向いた。
恥ずかしい、じゃなくてここは何て言おうか。
「三島はこっちみんな」
「さっきからみんなヒドくねぇ!?」
「ごめんね、リアクションがおもしろいからつい」
「ついでいじめられる俺!」
「イジメじゃなくていじり」
熊切さんの台詞でひょっとこみたいな表情になる三島。やべえ、ツボりかけた。
皆で三島と話していると、扉が開いた。さっきの猫人だろうか。
「この部屋ですよぅ、水橋クランベリーさん」
「ありがとうございま、熊切さん? 三島くんも?」
入ってきたのはさっきの看護士さんと黒い猫人、それと背の高いお兄さん。
ところでこの猫人、二人の知り合い?