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偽り聖女と悪役令嬢  作者: ユキア
偽りの聖女と悪女

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偽り聖女

写真を破り捨てられる。屋敷に火が灯る。かつての栄光が踏み散らされる。全てを失ったのだ。たった1日で、私は全てを失った。


「何が聖女だ!」

「偽物!」


罵声を浴びせられる。悪夢のようなこの日が来た理由は1日前の事だった。後に悪女と烙印を押される事になった私こと、グラス・マクベスは聖女だった。数々の奇跡を産んだ聖女として皆に崇め奉られていた。そんな私を偽物だと告訴したのは新しく聖女として数日前に現れた女だった。名を、メアリー・ジェイド。彼女はずば抜けた力を持っていた。鉱山で瀕死になっていた鉱夫を救ったことから始まった。大怪我をおっていた彼を助けたのがメアリーである。そして、奇跡はそれでは終わらなかった。次に眼の見えなくなった元機織りの目を治した。奇跡は次々と起こっていった。でも、彼女は私を告発した。何故か、それは……。


「グラス先輩。貴方がいけないのですよ。」


「何を…」


グラスはメアリーに頬を鷲掴みにされる。


「いい、貴方の奇跡は偽物だった!分かった?」


「何を言って……」


「あら、物分りが悪いのね。グラス先輩。貴方は見てはいけない物をみたの。お分かり?それじゃあ、さようなら!堕ちなさい!」


それからは早かった。グラスは直ぐに王国兵に捕まった。そして、今までの奇跡が偽物だと言う証拠が提出されていた。それだけじゃない。信じていた人々に裏切られた。グラスが救った人々は手のひらを返すようにグラスの奇跡が嘘であると証言したのだ。さらには、自分達に害を与えてわざと奇跡を起こしたように見せたという。夜、牢獄に彼女は来た。

「くすっ!」


「メアリー……?」


「無様ね!自分が助けた人々に裏切られるなんて!ざまぁないわ!」


「メアリー!助けて……聖女なんでしょ?」


「無理よ?もう止められない。」


「そんな、何を見てはいけなかったのかわからないけど忘れる!だから!」


「お黙りなさい!貴方は不要なの!さあ、お死になさい!!」


「そんな……」


こうして次の日に死刑が確定した。人々を騙し続けた罪でグラスは処刑台へと送られる。


「誰か……」


誰も彼もが罵声を浴びせてくる。誰も助けてなどくれなかった。


私は一体何をみたのだろう?そう思うことしか出来なかった。人混みの中に彼女を見つける。


「さようなら♡」


そう口パクで言った瞬間、痛みが走り意識は途絶えた。


目覚める。


「え……?」


目が覚めるとそこはベットの上だった。


「私は……?」


見知らぬ部屋のベットの上にいたグラスは生きていることを確認する。


「どこも痛くないし……首もある。」


するとドアがノックされる。


「!」


「失礼します。」


「?!」


「おはようございます。マリー様。」


「え?」


マリー?マリーって……。そう。グラスはマリーと言う名に聞き覚えがあった。マリーはグラスより少し前に生きていた人物で、稀代の魔女と呼ばれたマリー・グレーと言う女性だった。グラスはいつの間にかマリーに転生していたのだ。


「う、うそ……」


助かったと思ったらまた死にそうなんだけど?!

グラスは頭を抱えた……。


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