表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
雑魚狩りに特化した俺は鍵集めがメインのはずなのに創造神にクエストを押し付けられた件  作者: 如月 煉司
闇の王 モルドス編

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

8/16

第八話 モルドスとの再戦

宿代を踏み倒した俺とバラドは、ノアール島の奥地へと足を進めていた。


「モルドス……どこにいるんだ?」

「へへっ、もう掴んであるぜ」


バラドは胸を張って方向を案内した。


「てか情報速いな?バラド」

「俺はなんてたって“光属性“だしな、闇に呼ばれてるな感じがするんだ」

「属性ってそういう性質もあるのか……」


俺はバラドに行く先を指示されながら、その背中に着いて行った。


森の奥へ進むほど霧が濃くなっていった。

鳥の鳴き声、風の音さえもしない。


「なんもないな」


俺が呟くと、後ろから視線を感じた。

背中に、ひやりとした感覚が走る。

まるで──誰かに見られているみたいだ。


振り返るが、そこには誰もいなかった。

ただ、霧の奥で“何かの影”が動いた気がした。


「……バラド、なんか見えない?」

「いや、何も──って、あ、ライア……あれを!」


バラドが指差した先には、霧の中に、黒い門のようなものがゆっくりと浮かび上がっていた。


「ここはモルドスの拠点か?」

俺がバラドに聞くと、真剣な眼差しで──


「間違いない、ここだ……ここから”闇”が濃く感じられる」


門の前はより一層静寂に包まれており、”不気味”それだけが頭に浮かび上がった。


「バラド……ここに入ったら後戻りはできないぞ」

俺は無意識のうちに唾を飲み込んだ。


「び、ビビってんのか!?今の俺たちはだ、誰にもま、負けねぇ!」


バラドは全身を震わせながらも、目線は前を向いていた。


「震えすぎだろ!」

「武者震いだっ!」


俺たちはゆっくりと門を開いた。


踏み入れた瞬間、背後で門が勝手に閉まる。


「うわっ!? 閉まった!!」


バラドが慌てて振り返るが、押しても引いてもびくともしない。


「フハハ……待ってたぞ」


低く響く声が、モルドス邸全体に反響する。

空気が重く、重たい圧力が肌を刺した。


「モルドス……!」

俺はすぐに武器を構えた。


モルドスは巨大な階段を一歩ずつ降り、その足音さえもが恐怖心を煽らせた。


「心配するな……雑魚の兵士を使ってお前らの体力の消耗を図るつもりはない……だが……」


モルドスはひと呼吸置くと、地を踏み砕くような勢いでこちらに殴りかかってきた。


「──ッ!!」


咄嗟に剣を構え、拳を受け止める。

金属が悲鳴を上げ、腕が痺れた。


だが、止めたのはほんの一瞬だった。


「ぐっ…!!」


次の瞬間、圧倒的な力が剣を通じて全身を襲い、俺の体は宙を舞った。

背中から床に叩きつけられ、鈍い痛みが全身に走る。

息が詰まり、肺の中の空気が一気に押し出された。


「ライアぁぁ!!!」


バラドの叫びが、広間にこだました。


「やはりその程度か……」


モルドスはため息まじりに呟いた。

その声にはどこか怒りが感じられた。

ただ──“失望”だけが滲んでいた。


「まさか無策で来たわけじゃあるまいな?」


モルドスは倒れこむ俺を冷たい瞳で見つめた。


「……勝手に勝った気になってんじゃねーよ。」


俺は血を拭いながら、ぐっと立ち上がった。


モルドスの瞳が、わずかに細まる。


「ほう……立つか」

「当たり前だ。お前を倒すまで、俺はもう負けねぇ!」


その瞬間、空気が一変した。


モルドスが片腕を横に払う。

轟音とともに、空間が変化した。


さっきまで確かにあったはずの床も、壁も、天井も、すべてが消えていた。


残ったのは、ただ無限に広がる“闇”。

重力の感覚すら曖昧で、上下の区別もつかない。


「ここは……!?」

「ここは俺が今作った闇の空間だ」


──気づけば、そこにバラドの姿はなかった。


「バラド……?」


辺りは完全な闇。

俺とモルドス以外、存在そのものが消えたかのように静まり返っていた。


「心配はするなよ。あいつは別のところに送った」

モルドスの声が響く。


「この場にいるのは貴様と俺だけだ」


俺は笑いが止まらなかった。


「死を前にして笑うことしかできないか……哀れだな」

モルドスは冷たく言い放った。


「勘違いするなよ……こっちの方が都合がいいんだっ!」


剣を握りしめて、次は俺から先制攻撃を仕掛けた。

足元の闇を蹴り、剣に全体重を乗せた。


「正面攻撃か!?馬鹿正直なやつめ!」


モルドスはすかさず正面で受け止めようとするが、俺は瞬時に背中に回り込んだ。


「馬鹿正直はお前だぁ!」


しかしモルドスの鎧は固く、何一つ傷つけることができなかった。


「少しは上達したか」


モルドスは肘で俺の肩を思いっきりぶつけてきた。


「くっ!!」


鋭い音が鳴り響き、肩から鮮血が噴き出した。

その威力は今までに受けたことない痛み。

あまりの痛さに倒れこみそうになった。


「まだ死ぬなよ?」


モルドスは躊躇なく、俺の腹を蹴り上げた。


「ぐっ……はぁっ!」


体の臓器が全て出るぐらいの苦痛。

過呼吸を起こしそうになった。


生命いのちの無駄だな……」

モルドスは小声で呟いた。


「はぁ……はぁ……」


息をするのが精一杯だった。

だけど——


「……まだ、終わってねぇ……!」


俺は歯を食いしばり、腹を抑えながらも無理やり立ち上がった。


「ほう……立つか。」

モルドスは口角をわずかに吊り上げた。


「だが、その体で何ができる?」

「ハハハ…お前は今日で終わりだ……」


俺は何故かこの状況でも負けを感じることは無かった。


「ハッタリはよせよ。生命いのちの無駄だぜ……?」

「……ハッタリなんてかましてねぇーよ。事実だ」


そのとき、俺の視界に変化が訪れた。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ