第二話 クエストスタートって!?
俺は隣の島──ヴォルカニック島へ渡るため、それ行きの船に乗ることを決意した。
そのとき、背後から声がした。
「ライア君だよね?」
振り返ると、緑色のロングヘアの少女が立っていた。
見覚えはない。
「……誰ですか?」
俺は眉間にしわを寄せた。
「はいこれ! あなたは今から鍵探しをするんだから、持ってなきゃだめよ!」
強引に俺の手を引っ張り、謎の緑の石を持たせられた。
「なんだよ、これ!」
俺は不満な顔をした。
「それは共鳴石よ。近くに鍵があると反応するの」
それを聞いた瞬間、俺はこの世界から飛び出るんじゃないかと思うくらい飛び跳ねた。
「イテッ!」
不覚にも着地に失敗し、昇天しかけた。
その横で少女は微笑みながら優雅に背を向け、その場を去った。
────船に乗ったが、特に何もなかった。割愛!
そして船から降りた瞬間、ものすごい熱気が俺を襲った。
「あっつ!」
長居してたら間違いなく倒れるであろう温度。
三十五度以上は間違いなくあるな。
「……ここが本当の死に場所か」
そう呟きながら、前を進み続ける。
そのとき、さっきもらった共鳴石が光り出した。
どうやらこの島には“鍵”があるらしい。
俺が歩くたびに、どんどんと石の光が強くなり――
その先には、小さな洞窟があった。
「……この中だな」
鍵探しって案外楽勝じゃん、と思って入った。
洞窟にしては少し明るく、気温も並。
周りに火の玉が灯っていた。
そんなこんなで奥に進んでいくと――
洞窟の最奥、広間のような空間にたどり着いた。
「……おいおい、マジかよ」
そこには、岩の台座に刺さった一本の鍵。
俺がそれに手を伸ばした瞬間、洞窟の温度が一気に上がった。
「……まさか、これって……?」
最悪にも、予想は的中してしまった。
天井から砂が落ち、不気味な唸り声が洞窟全体に響き渡る。
同時に、全身を炎で纏った獣とも人ともつかない存在が目の前に現れた。
【クエスト発生:炎の番人を打ち倒せ】
「……は?」
俺は一瞬、時間が止まったかと思った。
誰だ今の。何だよ、“クエスト”って。
俺、ゲームしてるんじゃねぇぞ?
困惑している間にも、炎の番人はお構いなしに飛びかかってくる。
「これどうすればいいんだよ!?」
【報酬:第一の鍵】
【条件:命を落とさないこと】
「条件雑すぎんだろ!! てか誰だよこの声!」
相手が強いのは間違いない。
だから俺は、“戦う”という選択肢を捨てて逃げ回るしかなかった。
炎の番人はひたすら俺を追い回し、奴が歩くたびに足場の火がどんどん増えていく。
逃げるだけじゃ、もう死ぬだけだ。
そう思った瞬間、奴の頭上にぼんやりと数字が見えた。
「……レベル1?」
思わず声が漏れた。
嘘じゃないよなと思いつつ、もう一度はっきりと見る。
“Lv.1”
「いや、どう見てもラスボス級の見た目なんですけど!?今どきの年齢詐称か!?」
しかし、迷ってる暇なんてなかった。
レベル1。
もしこれが本当なら、俺でも勝てる可能性があるということだ。
「雑魚狩りは俺の専門分野だ! かかってこい!」
そう言って、装備していた剣を引き抜き、挑むのであった。
読んでいただきありがとうございます。矛盾点等あれば教えてください。




