第一話 雑魚狩り勇者、終焉を目撃す
「おりゃ!」
俺はいつも雑魚の魔物を狩ってる、そこら辺の勇者だ。
魔物を狩ることで俺はみんなから感謝をされ、報酬が与えられる。
そして俺は拠点に戻る帰り道に——
「お疲れさん!」
そこにはいつも俺を気にかけてくれる爺さんがいた。
ただ気にかけてくれるだけで、何もくれるわけじゃないし、
関わってもメリットがないと思って無視をした。
拠点に戻ると——
「また雑魚狩りで一喜一憂してるのか?
そんなことじゃまだまだだな、ライア。」
こいつは俺より少し年上のジンソクリュウガ。
雷を操る接近戦を得意としてて、とにかく強い。強いが故に言うことがものすごく厳しい。
「うるさいよ! 人には適材適所ってもんがあるんですぅぅぅ!」
と捨て台詞を吐いて、素早くベッドに潜り込んだ。
────しばらくしていると、大きな地震が起きた。
「なんだ……? ずいぶん大きな音だ。」
外に出た瞬間、地面が割れていた。
瓦礫だらけで、まるで世界の終わりみたいだった。
「た、すけて、くれ……!」
声のする方へ行くと、そこにはいつも気にかけてくれる爺さんが瓦礫に埋まっていた。
「すぐ助ける!」
雑魚狩りばかりしてた俺だけど、
そこら辺の一般人よりかは力があったため、すぐ助けられた。
「爺さん! しっかりして!」
爺さんはかすかな声で——
「気をつけ、ろ……や、つが……」
と何か他にも言いたそうだったが、そのまま動かなくなってしまった。
「あっけない死に際だったなァ。」
後ろを振り向くと、そこには黒いマントに顔は骸骨の仮面で覆われている男がいた。
「これ……お前がやったのか?」
すると骸骨の仮面を被った男は即答で——
「ククク……そういうことだァ! お前も死ねェ!」
見えない衝撃波が、空気をゆがませながら一直線に俺へ突き刺さる。
「なんて威力だ……」
致命傷は避けられたものの、次喰らったら間違いなく死ぬ……!
「ほぉ……やるなァ……。だが次で死ねェ!」
目の前まで迫る見えない衝撃波。詰みだな……。
──そのとき。
誰かが俺と衝撃波の間合いに入り、衝撃波を切り落とした。
「ジンソクリュウガ……!」
なんとジンソクリュウガが持ち前の能力で素早く捌いた。
「雑魚狩りのお前には荷が重すぎる相手だな。」
ジンソクリュウガは髪をかき上げ、ちらりと骸骨の仮面の男を睨んだ。
「おいおい、お前ェ! 雷属性かよォ!」
骸骨の仮面の男はものすごく興奮していた。
「初対面でかなり気持ち悪いやつだな……(小声)」
ジンソクリュウガはかなり引いた様子だった。
俺は辛うじて立って、骸骨の仮面の男に問うた。
「目的はなんだ……!」
そんなすぐ答えてくれるわけないなと思ってたら、すんなりと答えてくれた。
「この世界が、つまらねェんだよォ……!
ノコノコ平凡に生きやがって、まるで“決められたレール”の上を歩いてるみてェに!
俺はなァ、それが気に食わねェんだよ!!」
骸骨の仮面の男は何かイライラを感じてるようにも見えた。
「ふざけるな! 誰もが今を懸命に生きてる! お前に何がわかる!」
と俺は言ったが、果たしてこんなことを相手に言う資格はあるのだろうか? 俺には……。
「待て、他の島もこんな感じに荒らしてきたのか?」
ジンソクリュウガが冷静に聞いた。
「いいや、ここが最初だゼェ。ほら、これをやるよ。」
骸骨の仮面の男が四角く黒いものを地面に放り投げた。
「時限爆弾ってやつだァ。」
すぐさま俺はそれを拾い、そこには日数と鍵穴が8本あった。
「150日……?」
何かのハッタリだと思っていた。しかし次の瞬間、それが本当のことに気づいた。
「あれがこの世界だとしてェ、150日以内に解除できなかったらこれァ——」
一番近くの島が爆発したのだ。
「なるほどな。解除の条件は?」
こんな状況にも関わらず、ジンソクリュウガは一切微動だにしなかった。
いやなんでだよ。もっと驚けと思った。
「解除の条件はなァ。この鍵8本を俺がランダムの島にバラけるゥ!
そしてそれをすべて集めェ! 鍵穴にハマればクリアだぜェ!」
骸骨の仮面の男はシンプルに説明した。
「なるほどな。戯言はここまで。俺は行く。」
ジンソクリュウガはその場からものすごいスピードで去った。
「ククク! 楽しみにしてるぜェ!」
骸骨の仮面の男も消えるようにその場を去った。
俺はあまりに唐突な出来事に数分間ぼんやりとしつつ、拠点に戻ろうとした。
「爺さん、ごめんな……」
さっきまで元気だった爺さんが、今じゃ死体になってしまったことに心が締め付けられて、
初めて“死”を目の当たりにした気がした。
────しばらくして。
俺は自分がいつも使ってる剣を装備し、
いろんな物や世界を滅ぼす爆弾をカバンに詰め込み、鍵探しを始めるのだった。
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