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転生したら落ちこぼれだったのに、実は伝説の英雄を操る最強の歴史召喚士だった件  作者: 稲盛 皆藤


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魔法専門学校での落ちこぼれ認定

 ダーオ バルトは昨日召喚士としての家業を継ぐべくして父親に買ってもらった魔法の杖を

大事そうに抱えて宮廷内の敷地にある魔法専門学校へ登校していた。

 他の魔法職とは違って召喚士の杖はコンパクトな20センチ程度の物だったので、少なくとも

持ち歩いても筋肉痛にはならなかった。

 いわゆる属性魔法職の生徒たちは自分の身長程もある大きな杖を持ち歩いている者が多かった。

 こちらの専門学校では入学時期は各自の誕生日の翌日からと決まっていたので分かりやすかった

のだが、在校生からの新人への嫌がらせが通過儀礼となっていたのだった。

 どこの世界でも同じなのだが、弱肉強食なのは言うまでも無く、弱いと思われた者は

学校カーストのヒエラルキー下層に分類されてしまって、理不尽ないじめの対象となって

しまうのである。

 おまけにこの専門学校では非常に優秀と判断された者は数年で職務を命じられて卒業して

しまうのだが、その逆の者は最長10年間卒業できずに学生を続けることになるのであった。

 そのためクラス分けは上からSクラス、Aクラス、Bクラス、Cクラスの4組でSクラスの者は

すぐに職務に旅立って行くため入れ替わりが激しかったが、

逆にCクラスは別名落ちこぼれクラスと呼ばれ、ズルズルと年数を経過した者たちで溢れていた。



「ダーオ バルト君、前に。」

と全校生徒が集まる中、校長らしき人に呼ばれた。

 全校と言っても今は4クラス全員で80名しか居なかったのでこじんまりとした専門学校だった。

 バルトは、壇上の校長先生らしき人に呼ばれるままに近づいていき、1mの距離に近づいた時に

ピタッと立ち止まり、深くお辞儀をしてから、父の名前と自分の名前を告げた。

 これは昨日父親から作法を習っていたので卒なくこなすことができた。

「え、ダーオ公爵のご子息だって。」

「すげー、ドラゴン召喚するっていうあの公爵様の?」

「なんかすげーもん見せてくれそうだな。」

などなど、生徒一同がざわついた。


「静かにー。静粛に。」

と壇上にいたもう一人の先生が大きな手を広げてジェスチャーも交えて大きな声で生徒たちを

静かにさせた。

「では、校長よろしくお願いします。」

と校長に繋げた。

「本日ご入学のダーオ バルト君、おめでとうございます。

 これから在校生の皆さんとしっかりと勉学に勤しみ、国家の繁栄のために貢献できるように

 なって下さい。

 それでは早速ですがクラス分けのためのテスト演技をして頂きます。

 このホールには特別な防御結界が施されておりますので、

 例えドラゴンを召喚しても大丈夫ですので、ご自身の持つ最大の魔力を示して下さい。」

と校長が生徒たちからも良く見える魔法演技のできるスクリーンの方角へバルトを誘導した。


 生徒たちはどんな魔法が打ち出されるのか、はたまたドラゴンのような物が見られるのかで、

またざわざわと騒ぎだした。


 バルトは緊張していた。

 うすうすはどんな反応になるかは予測していたのだった。

顔を真っ赤にして昨日父から買ってもらった魔法の杖に魔力を込めた。

「召喚ーーーん。」

と緊張の糸が切れたように大きな声が出せた。

するとこれまでには召喚できたことの無い大きなサイズの何かがスクリーンの方角に現れた。


「うわー。」

「何だー。」

「すごいー。」

と生徒たちが口々に叫んでざわざわ騒いでいたのが、一瞬で落胆へと変わった。


 バルトが召喚したのは、巨大なスライムのような水っぽい物だったのでみんなを

驚かせたのだが、ほんの数秒でべちゃっと地面に崩れ落ちて蒸発してしまったのだった。


「わっはっは。」

「何アレー。」

「驚かせやがって。」

「スライム崩れじゃん。」

と期待が一瞬で嘲笑に変わった在校生一同はざわざわ騒ぎだした。


「はいー、静かにー。静粛に。」

と壇上の先生たちが先ほどよりもっとざわついた生徒たちを諫めた。

「バルト君はCクラスです。」

と校長先生がクラス分けをバルトに告げたのだった。

バルトは予想していたことではあったが落胆の表情を隠せなかった。



 Cクラスはまさに落ちこぼれの巣窟だった。

「おい、バルト、お前弱いよな。先輩の言うことは聞くもんだよな。」

とテンプレのようないじめが毎日繰り返された。


「おい、バルト、おやつのパン買って来いよ。」

「あ、俺にはジュースな。」

「俺も、喉が渇いたなー。」

と落ちこぼれの中でも8年以上在籍していた落ちこぼれ三人の先輩たちがバルトを

パシリのように扱ったり、機嫌が悪いと普通に殴ったり蹴ったりすることは日常茶飯事

となっていた。

 前世ではこのようないじめを受けた経験は無かったので、筆舌しがたい屈辱を味わったが、

バルトは早く強くなって見返してやろうと歯を食いしばって耐え抜いた。

 ただ先輩たちの用事などで時間が割かれるのがとても辛かった。


 全寮制の学校だったので、実家には一度もまだ帰る機会が無かった。

 部屋は全員個室だったので、唯一くつろげる場所であったがバルトは魔法の特訓を時間を

惜しんで全力を注ぎこんだ。

 家業である召喚魔法の文献を図書室で借りて来て読みまくっていたのだった。

 入学時にはスライムもどきとバッタしか召喚できなかったのには理由があった。

 そう、魔力量が足らなかったからだった。

 魔法を発動するには、魔法レベルと魔力量の掛け合わせで、レベルの高いものを

召喚できたり、召喚されたものの持続時間が魔力量と大きく関係していた。

 魔法はイメージや気づきによって成長できたので、本を読んだり、詠唱を繰り返すことで

レベルを上げることができた。



 その日は訪れた。

 バルトは最近変な夢を見るようになっていた。

 おっさんたちが、バルトの事を心配して夢にまで出てくるようになっていたようだった。

 だが、そのおっさんたちが誰なのかは分からなかったが一見歴史の教科書で見た戦国武将の

ような姿をしていたのだった。


「召喚ーーーんんん。」

とバルトはいつものように魔法の訓練を自室でこっそりと行っていた。


すると、なんと、昨日夢に出ていたおっさんが召喚されてしまった。

「えー、えー、おっさん?召喚されたの???あなた誰?どなたですか?」

とバルトは驚きのあまり無礼極まりないことをその戦国武将らしいおっさんに問いかけた。

 

「私、殿より命じられて参上仕りました。柴田勝家と申します。」

とその武将は落ち着いて答えた。

 バルトの前世は織田信長の子孫だったので、もちろん勝家のことは勉強してよく知っていた。

丸に二つ雁金の兜紋を付けた織田信長の腹心の部下で武術にも最も長けていたのだった。


「と、殿ってまさか信長公が貴殿をここに遣わしたのですか?」

と改めて丁寧な口調を意識して話した。

「その通りですじゃ。ご子孫のいじめをご覧になられて、もはや放っておけぬと申されて。」

と勝家は死後の世界でも織田信長の腹心として役目を果たしているような口ぶりで当然のこと

のように話した。


 バルトは異世界転生だけでも驚いた毎日を送っていたのに、さらに先祖の召喚までとなると

さすがに理解するのに時間が掛かったのだが、とにかく今を事実のままに受け入れることに

したのだった。


 それから毎日勝家を召喚して、剣術や体術などを主に習って生き抜く術なども身に付いた。

勝家の召喚時間もどんどん延びていったので、バルトの魔力量も増加してきたことが目安

としてよく分かった。


 バルトが強くなっていくに従って徐々にいじめの回数も減ってきた。

 彼らは次のいじめのターゲットを見つけたようでそちらにシフトして行っていたようだった。



 バルトは座学の勉強は得意だったが魔法は苦手だった。

 算術は前世では文系大学だったので得意では無かったが、こちらの世界では中学数学レベル

だったので、学校でもいつも一番の成績だった。

 読解力や歴史の勉強も良くできた。

 何故なら勉強の方法は前世の記憶もあって、よく分かっていたので、落ちこぼれクラスの中

でも先生の話をよく聞き、真面目に授業を受けた。

 その甲斐あって教師陣たちからの評価が高く、魔力をあまり必要としない通常魔法である

ファイアボールやウォーターボールなどの基本魔法が習得できたので、

半年後にはBクラスに昇級することができた。

 ようやくCクラスの落ちこぼれの先輩たちのいじめからも完全に解放されたのだった。

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