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封魔6


『俺は破滅によって人が困ってると聞いて、そんな人達がいなくなってくれるように破滅を倒している』


 勇者は語る。


『けど最初は勝手に召喚しといて何言ってるんだと思った』


 怒りを語る。


『人と関わっていくうちにその人達は破滅という普通の人たちではどうにもならない問題がある中で一生懸命に生きていることがわかった』


 人の懸命さを語る。


『俺にそんな人達を助けれる力があるなら助けたいと思って戦った』


 戦いの理由を語る。


『そんな戦いの中でも元の世界に帰りたいという思いはあった』


 悲しみを語る。


『戦っていく中で破滅を全て倒せば帰れると神から言われた』


 希望を語る。


『世界の人達の為ってわけじゃない。自分と関わった人達の為、そして自分元の世界の為に破滅と戦った』


 願いを語る。


『だけど最後の破滅が世界に被害を出すことが少ないって聞いてどうしようか迷った』


 迷いを語る。


『でも破滅が理性あると信じて話しかけた』


 決断を語る。


『結果はこの通り。こんなに話が通じるなら倒せない…。もう関わった人になった』


 結果を語る。


『俺の願いは元の世界に帰ることと破滅の被害が関わった人達にいかないこと。けど一つは叶わない。こんなに理性的に話せる人と敵対したくない』


 思いを語る。


『どうすればいい?どうすれば…』


 悲痛を語る。


『…人間の世界はギブアンドテイクが基本だと聞いた』


 死の破滅が勇者語りかける。


『…え?』


『私の願いを叶えてくれるなら勇者の願いを叶えよう』


 勇者が死の破滅に聞く。


『…本当に?』


『ああ。勇者が私の願いを叶えられるなら勇者の願いを私が叶えさせることができる』


『そうか…。できるのか』


 勇者が希望を持つ。


『それはどんな方法だ?』


『それは私の破滅の権能を意思のない召喚配下に移してそれを討伐する方法だ』


『…』


『これなら私の破滅は消えるし、破滅を全て倒したことになって勇者も帰れるはずだ』


『帰れる…』


『そうだ。これなら私たち二人の願いが叶うはずだ』


『…わかった。相談させてくれ』


 そう言うと勇者は仲間と相談を始めた。


 …相談が終わったのだろう、勇者が話しかけてくる。


『俺が帰ったら人間の営みを見せるのは仲間に任せた。その仲と話し合ってくれ』


 勇者はそう言うと仲間の一人を紹介した。


『こいつは封魔。封魔の一族で義理堅い。約束は必ず守ってくれる』


『よろしくお願いします』


『うむ。私はそいつと話せばいいのか?』


『ああ。そうしてくれ』


 そう言うと勇者は封魔をおいて下がった。


 封魔と死の破滅が話す。


『死の破滅様』


『なんだ?』


『貴方が見たい人間の営みとはなんですか?』


『そうだな…。人間の生活の全てのことだな』


『なるほど。それはその姿で見たいということですか?』


『いや?見れるなら私はどんな形でもいい』


『なら提案があります』


『聞こう』


 すると封魔は剣を取り出す。


 その剣のことを死の破滅に紹介する。


『この剣は封魔の剣というものです。この封魔の剣には魔を封じる力があります。この封魔の剣に封印されて人間の営みを見ませんか?』


『なぜだ?そのままの姿でもいいだろう?』


『いえ。貴方には人間を怯えさせるオーラがあります。そのままだと人間の営みを見ることはできないでしょう』


『そうか…』


『はい。なので封魔の剣に封印されれば人間の営みを見ることができます』


『わかった。だが自分からその封魔の剣から出れるのか』


『ええ。封魔の剣は破滅を抑え込めるほどの力は持ってません。なので封魔一族が人間の

を見せれなくなったら出ていくことも可能です』


『わかった』


『最後にお願いがあります』


『なんだ?』


『もし封魔一族が人間の営みをずっと貴方に見せて約束を守っていたのなら封魔の封印を解除された時、できればその者に力を貸してください』


『…わかった。そいつが私を抑えれる力を持っているのなら力を貸そう』


『ありがとうございます』


 そうして死の破滅は人間の営みを長年見続ける事ができ、勇者は元の世界に帰り、世界の人々は平和に暮らせた。


 そして封魔一族は盟約を守り続け今に至る。


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