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封魔4


 その昔、黒フードは世界の破滅一つだったらしい。


「その時は七つの破滅がありましたね」


 破滅は世界を壊していった。


 そしてその破滅を防ぐため勇者が召喚された。


「その時は人間たちが何をしようとも無駄だろうと思っていました」


 だが勇者は次々に破滅を倒していった。


「だからそれに希望を持ちました」


 破滅は様々な物があったが黒フードは物量で破滅をもたらした。


 だが黒フードは破滅として動くより人類の生活を見ることのほうが好きだった。


 本当なら人類の味方になりたかった。


「ですが破滅として動かなければいけませんでした」


 そうしなければ破滅は別の何かに変わっていた。


 破滅の使命を破棄すると破滅は別の破滅に変わるらしい。


 だから死の領域を作りそこに籠って破滅としてのギリギリで動くしかなかった。


「破滅は次々にいなくなりました」


 勇者が破滅を倒すごとに残りの破滅は力を増していく。


 それを感じた時、破滅の最後になれば破滅の呪縛から逃れられる。


 そんな予感がしたのを切っ掛けに呪縛から逃れるための動きを黒フードは始めた。


 勇者が来たら対話するために人の姿になった。


 勇者は温厚だと聞いたが最初から話を聞かない可能性を考えて少しずつ破滅の権能を一番強い配下に移していった。


 そうして出来上がったのが二つの破滅だった。


「世界に被害があったのが死の領域ぐらいだったからか勇者が私のところに来るのが最後だった」


 被害の多い破滅から勇者は倒していった。


 破滅は倒されるほどに強くなる。


 勇者はそれを知らなかったからは最初と次の破滅は被害が多いやつから倒した。


 その後は強くなると手に負えない破滅から勇者は倒していったから黒フードを倒しに来るのは最後だった。


 勇者は最後に黒フードの死の領域に来ると呼びかけた


『死の破滅よ!お前と話したい!』


 そう言うと勇者は武装を解除して死の領域に入ってきた。


 黒フードはそれに気づいた途端、死の領域から追い出すための配下の攻撃命令を解除して城に招いた。


 敵意を持っていたら破滅の権能を持っている配下を出すつもりだった。


 だが勇者もその仲間たちも敵意を持っていなかったから黒フード自身が勇者の前に出た。


『勇者よ。私もお前と話したいと思っていた』


 そうして破滅を倒す使命を持つ勇者と最後の破滅の対話が始まった。


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