妖刀
妖刀の呪いを解く方法は多分わかる。
妖刀を装備するときにアナウンスが流れた。
“『妖刀から呪われようとしています…』
『職業スキルにより妖刀の呪いが軽減されます』
『スキルレベルが足りません』
『呪いを受けました』”
このアナウンスの職業スキルっていうのが《武器資格》、《武器装備》、《武器適正》のうちのどれかだと思う。
それでレベルもだいぶ上がったから普通に妖刀の呪いに勝てるんじゃないかな。
問題はどうやってスキルを発動させるかだ。
これらをどうやって発動させて呪いに勝ってもらうのかがわからない。
取り敢えずフウマさんに貸してもらった刀掛けに妖刀を置いてみる。
装備した状態は変わらないが素直に刀掛けに置かれてくれた。
そのまま妖刀に語りかけてみる。
「次は必ず呪いに勝てる。だから頼む。もう一度チャンスをくれ」
妖刀に語りかけて様子を見る。
…妖刀に語りかけたが反応がない。
「そうか…」
〈主は…〉
「うん?」
〈主は何故に戦う?〉
諦めようとしたそのとき、妖刀が話しかけてきてくれた。
妖刀の疑問を聞いてふとよくある質問だなと思う。
妖刀もそんな疑問を抱くのかと思う。
いや、妖刀だからこそ思うのか。
俺は正直に答えることにした。
「俺は自分の可能性のために戦っている。俺のこの種族もこの職業も俺が選ばれたなら十全に扱いたいと思う」
〈なるほど…〉
「まあ、自分を高めたいということだな」
〈そうなのか。今までの主と同じなのだな…〉
そう言うと妖刀は悲しそうに呟く。
妖刀は何かを考えるとまた俺に質問してきた。
〈ではなぜ前の持ち主を助けたのだ?助けることが自分を高めることになるとは思えないのだが〉
「まだ目的が定まってなかったからだな。それに頼られたら面倒くさくなければ手伝うぐらいはするさ」
〈ふむ…〉
妖刀は何かに悩んでいるようだ。
しばらくすると妖刀が語りだした。
〈私がこの妖刀に宿ったのはこの妖刀ができて五百年を超えるときだった〉
そのときのことを妖刀が話す。
〈その時からずっと声がするんだ…。日島御所柱の全てを恨む声が…〉
それがどれほどの辛さだったかを俺に伝える。
〈ずっとずっと自我を持ってから何度も響くんだ。…だから頼む〉
妖刀は俺に頼み事をする。
〈日島御所柱を一緒に殺してくれ…。それを約束してくれるなら喜んで力になろう〉
縋るような声だ。
〈お前は力を高めるのだろう?それに神殺しはちょうどいいはずだ〉
俺に必死に頼んでくる。
俺はそれに…。
***
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《妖錬刀》アシャジク
品質︰S レアリティ︰神話
日島御所柱という悪神の血を吸った妖刀。
日島御所柱の血を吸っているため、日島御所柱の力を部分的に使える。
妖刀は真の主と共に誓い妖錬刀へと至った。
その刀は邪悪なる神を討つであろう。
攻撃力 400000
装備時︰STR 300000 AGI 150000
装備条件︰刀術 STR 150000 MID 55000
日斬 日輪光陽 日没開闢 日光極光
血吸修繕 血吸狂乱 血連斬 血飛斬
斬刀修羅 命日葬送 ???
耐久力︰10000/10000
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新しくなった刀を振るう。
〈主様、どうですか?〉
「ああ、これなら更に力を高められそうだ。ありがとうアシャ」
〈いえ。主様とは神殺しを共に誓った身。助けになれるのであれば、力を尽くします!〉
刀を鞘にしまいつつ次にやるべきことを並べていく。
「次はステータスを整理して、スキルの確認と大剣の重騎士の特典の確認までして封魔の剣の封印解除だな」
〈やることがいっぱいありますね!〉
「ああ。これからも力を高めることができそうだ」
アシャとの誓いのこともあるし強くなるに越したことはない。
…アシャとは《妖刀》日島御所柱から名前を変えた妖刀のことだ。
日島御所柱とはアシャが吸った血が刀を侵食したときに強制的に名前がついたそうだ。
日島御所柱という名前は生理的に受け付けないそうで誓いをした次の瞬間、名付けをさせられた。
すぐに思いついたのがアシャという名前でどうかと聞いたら気に入ってくれた。
どうやら本当に気に入ってるらしく俺にアシャ呼びを強制させてくる。
なかなか愉快な仲間が加わったな。
アシャが言う。
〈そういえば装備条件は主様のギリギリにしていています。なのでいくつかスキルが解放できていません〉
「そうか。それは俺の力不足だ」
〈主様なら必ず私を十全に扱えると信じています〉
「ああ、少し待っていてくれ」
コメント︰急に妖刀がヒロイン顔してきてびっくりしてる
コメント︰妖刀に意思があったのね
コメント︰美少女の声がする〜
コメント︰美少女顔妄想完了
「さて、妖刀の呪いもこれで対処ができたから、あとは先程も言ったことだけだな」
コメント︰急に真面目になられても…
コメント︰というかやることいっぱいだなやっぱり
コメント︰テキパキ進めていけ
コメント︰いちゃいちゃすんなー
さてスキルの進化に行こう。




