遺跡6
呪剣暗殺兵を倒す方法を考えよう。
封印術は直接、呪剣で攻撃できないからか使用不可になることはない。
だから封印術をどこで使うかが重要になってくる。
封印術で呪剣を止めて、すぐに呪剣暗殺兵を倒すか呪剣を無効化する。
そのための作戦を考えないと。
「《聖光斬撃》」
剣人兵も作業で倒せるようになってきた。
呪剣暗殺兵を警戒しておけば安全に作戦を考えられる。
そのまま考えを深める。
「《勇光斬》」
まず大前提として自由な呪剣暗殺兵には近づかない。
これが絶対。
封印術で動きを止めたら、呪剣暗殺兵に近づいてもいい。
ただし、封印術が毎回同じ時間かかるとは思わないようにしないといけない。
呪剣暗殺兵が自分で解除できるし、耐性もついて効いている時間は短くなるだろう。
つまり、封印術が使える回数は少ない。
今のうちに呪剣暗殺兵を封印術で封印したあとの動きを組み立てないと呪剣暗殺兵は倒せない。
まずは使う封印術を確認する。
まあ、使うのは《封印術・動弐》なんだが。
《封印術・行》でもいいが成功率と成功時の効いている時間の都合で《封印術・動弐》にした。
そして呪剣暗殺兵はすぐに呪剣で自分を斬って封印を解除してしまう。
だから封印が効いている短い間に呪剣暗殺兵の近くに寄らないといけない。
呪剣の警戒で遠くにいるが近くで封印術をすることもできるか?
いや、封印術を失敗したときに攻撃を受けるかもしれないからリスクがあるな。
やはり封印術が成功したら遠くから近づいた方が良い。
近づく手段は何があったか。
…《ロングステップ》、《瞬天》、《聖迅》か。
多分、《ロングステップ》よりも《聖迅》のほうが近づける気がする。
《聖迅》は何回か試してみたが縮地が思ったより縮地だった。
《ロングステップ》は大きくステップしてる感覚だが《聖迅》は一瞬で目標に近づける。
これで少しでも近づいて《瞬天撃》で攻撃しつつ呪剣を弾き飛ばすか。
よしちょうど《聖光斬撃》と《勇光斬》のクールタイムが終わった。
近づいて一気に呪剣を飛ばす。
さて始めよう。
「《封印術・動弐》」
「…!」
まずは封印術は成功。
続いて近づく。
「《聖迅・縮地》」
「…!」
すぐ近くまで縮地で近づく。
呪剣暗殺兵は自分を斬ろうとしていた。
早く呪剣を無効化する。
「《瞬天撃》」
「《…っ!」
呪剣暗殺兵の行動を《瞬天撃》で阻止して攻撃で動きが止まった瞬間に呪剣を持っている腕を総攻撃する。
「《聖光斬撃》《勇光斬》」
流石に腕を俺の高威力の技で攻撃されると呪剣暗殺兵の低いステータスもあって腕を破壊できた。
そのまますぐに呪剣暗殺兵を倒しに行く。
ステータスの低い呪剣暗殺兵は呪剣がなければ剣人兵以下だ。
姿を消すこともさせないまま呪剣暗殺兵を倒すと周りの沢山いた剣人兵たちも消えた。
やはり呪剣暗殺兵が無限湧きの剣人兵たちの原因だったようだ。
そうして呪剣暗殺兵と剣人兵の軍団を倒すと時間がだいぶ経っていた。
すぐにログアウトしないといけない。
すぐに街に帰る。
「ログアウトの時間だから帰る」
コメント︰待って待って呪剣落ちてる!
コメント︰拾って!
コメント︰宝箱もあるよ!
コメント︰それだけ取って後で見せて
コメントが騒いでいるように呪剣と宝箱が部屋には残っていた。
すぐに呪剣を回収して宝箱の中身を見ずに回収すると急いで街まで戻った。
「ログアウトするな。また後で」
コメント︰じゃね〜
コメント︰後で見せてよ性能
コメント︰宝見えなかった
コメント︰どんなにだったんだ?
「じゃあな」
そうして街の中でログアウトした。
***
今日は俺が昼ご飯を作る番だ。
少々、作るのが遅くなったがまだ美優は来ていなかった。
手早くチャーハンを作るとそのタイミングで美優も来た。
「よかった。流石に昨日の今日で遅れなかったんだね」
「ギリギリだったけどな」
「まあ、あのゲームだと仕方ないね」
「じゃあ、いただきます」
「いただきます!」
美優と食事をする。
美優との一日三回の食事は親と決められた約束だ。
これを破るととても恐ろしいことになる。
だからどうにかしてフィールドでもログアウトできるようにしないと遺跡は突破できそうにない。
そうして食事を終えると二人してゲームをしに部屋に戻った。




