試練3
「千威応龍。ここに見参」
「《瞬天》」
「いざ参る。《千威雷光》」
「《魔斬》」
近づいて《千威雷光》を《魔斬》で斬る。
そうして攻撃が当たるところまで近づくとすぐに攻撃する。
「《剛断》」
「《千威神成》《千威雷掌》」
「《身代わりの術》《傷刃》」
「ぐぅっ!?」
攻撃して《千威神成》を誘う。
そのまま片手だけ実体化して攻撃してくるのを《身代わりの術》を囮にして不意を打って斬る。
これで応龍の片手が使えなくなった。
前はこのあと離れて様子を見たが今回はさらに近づいて回復する隙を与えない。
「《連武双刃》」
「ぐぅっ!?《千威流雷》」
連続で攻撃をする。
今だと応龍は《千威神成》で避けずに刀で受け流している。
どうやら《千威神成》を今は使えないらしい。
そのまま攻めて攻撃する。
「《白蓮》」
「《千威雷閃》」
「ぐぅっ!《破断》!」
攻撃を続けるとそれを無視して応龍が反撃してくる。
それを体の動きで少しでも被害を軽減してカウンターで思いっきり斬りつけた。
急に応龍の動きが止まる。
応龍が口を開いた。
「ここまで」
「は?」
「またの戦いを楽しみにしている」
応龍はそう言うと刀を大きく振った。
俺はこの空間から追い出され、もとの荒谷に戻ってきた。
「は〜!?」
コメント︰意味がわからん
コメント︰どういうことだ?
コメント︰急に追い出されるじゃん
コメント︰何があったの?
「やっと渾身の一撃を当てれたところで終わった!まじでなんなん!?」
コメント︰うわ
コメント︰それは怒ってもしゃーなし
コメント︰いいところで終わらされたってことね
コメント︰最悪のやつじゃん
「どうにかしてもう一回できないか?」
変な岩をもう一度触ってみる。
…何も起こらない。
「確かに力不足だったがこんな終わり方はうぜ〜!?」
コメント︰もやもやするなぁ
コメント︰最高の敵が現れたと思ったら急にゴミみたいなことされた
コメント︰いやでも善戦はしてても勝てそうにはなかったからな
コメント︰まずHPゲージが見れないと話にならん
「ふー。確かに。どうにかしてHPゲージをみる手段を見つけないと応龍に勝てないな。HPがあるからこそ応龍は楽しかったわけだし」
コメント︰他の奴らは見えてたよな?
コメント︰悪魔ぐらいかHPゲージなかったの
コメント︰フウマさんもなかったよ
コメント︰人型はHPゲージないとか?
「応龍は一応人だけど雷の化身だから人の急所は無い設定のはず」
コメント︰でも急所に反応していたよ?
コメント︰そういえば昔の方の応龍は刀で弾くぐらいで歩法も雷化も使わなかったよな
コメント︰もしかして急所が急所になってたとか?
コメント︰あー。急所以外に攻撃の意味がないとかか?
「確かに急所にあの反応速度を超えるような攻撃は今の俺にはできないな。だから攻撃が当てられただけで一旦、試練が終了したのかもしれん」
コメント︰不完全燃焼〜
コメント︰なんというか強制退去はひどい
コメント︰まあ、倒す手段を持ってから再戦を願うか
コメント︰火力か速さかな〜?
「取り敢えず防具と瞬間的に回復できる手段が欲しいな。普通に慢心してた」
コメント︰初期装備で応龍は舐めてるな
コメント︰スキルレベル不足にステータス不足か
コメント︰応龍だもんな。できる限り準備はしたほうがいい
コメント︰そもそもレベル上げがきついぐらいまでやってないのに応龍と戦ってるのがおかしい
「だいぶ考え無しだったな。まずは自分を強化しよう」
コメント︰防具はアルマちゃんが作ってて〜
コメント︰回復アイテムのために街に行く必要があるな
コメント︰スキル上げとレベル上げにここのボスも行ってみようぜ
コメント︰そもそも戦利品確認した?
「まずはボスに行くか。グレイウルフリーダーと同格だろうしマッドドールの親玉だろうから《魔斬》でいけるはず。で、奥にも行って様子をみる感じでいくか」
コメント︰うーん。反省してない
コメント︰回復アイテム買おうって言ったじゃん!
コメント︰魔法が使えないとき用の回復アイテムは必要じゃないか?
コメント︰まあ好きにしたらいいと思うよ
「あ、そういえば変な岩を鑑定してみるか」
コメント︰確かに気になる
コメント︰中級鑑定でいけるかな?
コメント︰変なことしか書かれてなさそう
コメント︰どういうものなのかな
「鑑定」
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試練の扉
試練の扉は挑戦者に試練を与え、試練を乗り越えることで様々な報酬を与える。
現在可能な試練
武の試練︰強敵との戦い
知の試練︰難解な問題の回答
技の試練︰生産物の評価争い
迷宮の試練︰千差万別の迷宮の踏破
注意︰称号を持った者しか挑めません
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「…見なかったことにしよう」
コメント︰うわぁ
コメント︰応龍レベルの試練てことでしょ?やばぁ
コメント︰賢明な判断だ
コメント︰厄介なやつだ〜
「なんでこんな初期地点の近くにあるんだよ!」
俺はそんな愚痴を言いながらボスを探しに歩いていった。




