巨人
「《ファイヤボール》！」
「ポヨ！」
どうにかして有効なダメージを与えようとしているがどうも魔法では対処できそうにない。
何か手段はあるか？
…いやマッドドールと似たようなものならどこかに核があるんじゃないか？
「《魔纏》。くそっ！大きすぎる…」
大き過ぎて核があるのかも探せない。
近づいて見てみようとしているがそれも巨人が身じろぎするだけでダメージを受けてしまう。
その身じろぎのダメージも深刻だ。
回復が追いつかない。
魔纏のお陰で多少は目が良くなってるから早めに動けるがそうじゃなきゃこんな巨人の足元にいたくない。
どうにかして探さないといけない。
ん？なんかあるな…？
核のような気がするが…？
小さい気がするがやってみよう。
「《先歩》《魔斬》」
「オオオオオッッッ！！」
「届かない…！」
近づき斬る。
斬りつけた剣は届かず剣が核を触れることすらできなかった。
どうにかして斬れないか…？
突きでやってみるか。
「《魔斬》《速突》！届かないか！」
「オオオオオオオオッッッ！！！」
「《ロングステップ》」
一番届きそうな《速突》も巨人の泥を少し裂いただけで終わってしまった。
今の攻撃手段には巨人に通用するものがない。
なにかないか？
ステータスを見てみる。
うん？称号に《悪魔狩りの英雄》がある！
ならいける…！
俺はすぐにインベントリを開くと封魔の剣をしまう。
スキルで片手持ち、大剣術を取得して装備できるようにする。
片手でグレイウルフリーダーの特大剣を装備しようとすると妖刀が話しかけてきた。
〈主、刀を納刀していても装備状態になるぞ〉
「…なるほど、わかった」
妖刀の言葉を聞きすぐに妖刀を納刀するとグレイウルフリーダーの特大剣を両手で持つ。
片手に装備しているからステータス補正はないが欲しかったのは核まで届く大きさを持った武器だ。
装備のスキルは発動しているのか特大剣にしては軽くこのまま技を出せそうだ。
色々とステータスをいじってるうちに巨人が足を頭に落としてきていた。
「《先歩》」
足を避けて巨人に近づく。
よく見ると核が複数あるようだ。
どおりで一つの核が小さいわけだ。
そのまま核に走りながら進む。
「《魔纏》《剛断》」
封魔の剣がないことで《魔斬》は使えなくなっている。
それを《魔纏》で再現する。
《魔斬》は効率的に《魔纏》をして魔法の核に干渉する技だ。
それを俺は見て、感じて、使っていた。
なら封魔の剣を使わずとも《魔纏》だけで再現する。
その試みは一応成功した。
核は破壊され足も破壊できた。
だがすぐに足は再生し核も復元した。
「だっる！」
思わず口に出す。
こういった不定形のデカブツは再生が基本とはいえ面倒くさいのには変わりない。
あ、スキルレベル上げにちょうどいいのでは？
再生する強敵で攻撃は避けれるし安全にできるのでは？
ちょっとやるか。
＊＊＊
コメント︰完全にスキルレベル上げに切り替えたな
コメント︰俺もおもってたことだけどようやる
コメント︰レベルの高い再生する敵でスキル上げは普通
コメント︰ちょっと飽きてきた
魔法を放ちMPがなくなれば武器で攻撃しHPが少なくなれば使えるスキルは全部使う。
MPとHPも回復が大変になってきた。
だがどんどんスキルレベルが上がっていっているはずだ。
コメント︰悪魔との戦いが始まった時は緊張感がすごかったのにな
コメント︰もう完全にレベリング相手にしかみえてないよ
コメント︰悪魔可哀想
コメント︰いや襲いかかってきたのあっちだし
フリムも魔法を放ってはMP回復のために休憩を挟むそして魔法を放つを繰り返している。
スキルレベルが上がったのの確認は戦いが終わらないと駄目なため結果を見るのが楽しみだ。
コメント︰あれそういえば悪魔は？
コメント︰あれあそこに倒れてたはずだが消えてる？
コメント︰グレイウルフとかと同じようになったんじゃない？
コメント︰いや、それとはまた違かったような？
核を斬っているが段々と再生するのが遅くなってきた。
HPをみてみるとだいぶ削れている。
もうすぐ巨人は倒れそうだ。
ドロップアイテムも期待したいしそろそろ終わりだな。
「“連武双刃”、“連斬”、《重剛断》、“傷刃”」
二刀流で斬りつけそのまま連続で斬ることで核まで斬り続けるとすぐに特大剣に切り替えてさらに核を潰す。
こうやって色々と技を試すことが出来たし満足だ。
そうして技を試しながら斬っていくと巨人のHPがなくなり泥が崩れ落ちた。
取り込まれていた変な岩ももとに戻り泥が消えていく。
これで倒せたのか確認するために警戒しながらインベントリを開くとしっかりとドロップアイテムがあった。
これで長い戦いは終わった。
さて、結果確認だ！
まじで楽しみ。
どうなっているのか見てみよう。
