冒険者ギルド
ログインするとログアウトした寂れた噴水の場所に出てきた。
美優に他に聞いたことなんだが街の外でログアウトするとそのままキャラが残ってモンスターに倒されるらしい。
できる限り街でログアウトしたほうがいいとのこと。
宿だとバフもあるらしい。
そろそろ美優から聞いた冒険者ギルドに行こうかな。
配信をつける。
コメントが流れ始めた。
コメント︰おはよー
コメント︰朝からゲームとは…
コメント︰おは
コメント︰おは
「今日は冒険者ギルドにいく」
コメント︰冒険者ギルドに行ってないのまじ?
コメント︰依頼とかあるのにな
コメント︰チュートリアルが終わってすぐにイベントがあったからしかたない
コメント︰楽しみ
「行くぞ」
***
着いた。
冒険者ギルドは冒険者ギルドのイメージそのままな感じで美優から聞いた剣がクロスしている看板がある。
扉の近くにはプレイヤーらしき人達がいる。
次々に扉に入ったり出たりしている。
俺も入ることにする。
コメント︰想像通りの冒険者ギルド
コメント︰なかなかいいじゃん
コメント︰プレイヤーいっぱいだな
コメント︰面白いのあるかな
入ると明らかに出入りしている人数より少なく感じた。
サーバーが別れているんだろうか?
まあ、俺が楽に使えるから別にいいか。
俺は受付に行った。
「こちら、冒険者ギルドです。何をなさいますか?」
「冒険者の登録と説明をお願いします」
「はい。分かりました。まずは登録をします。貴方は異邦人ですか?」
「はい」
「こちらを触ってください」
「はい」
そう言って受付の人が出したのは水晶のようなものだった。
触ると緑に光った。
「分かりました」
「これって何なんですか?」
「これは異邦人か住人かを判別して、犯罪をしていないかを見る水晶です」
「なるほど」
「…はい。登録出来ました。では、説明しますね」
「お願いします」
「冒険者ギルドは様々なクエストを扱っており、討伐、護衛、雑用等、色々なクエストがあります」
「はい」
「クエストは掲示板に貼られています。常設されているクエストはいつでも出来ますが中には期限が設定されているクエストもあります。これを受けた場合、期限内にクリアしないとペナルティがあるので気をつけてください。その分、報酬は高くなることが多いです」
「はい」
「冒険者にはランクがあり、F、E、D、C、B、A、Sがあります。様々なクエストをクリアし、評価ポイントをためていくことでランクアップしていきます。Dから上のランクでは試験があります」
「はい」
「ランクが上がるほどに様々な特典が有るので頑張って上げてくださいね」
「はい」
「買い取りもしてるので売るあてがない時は是非そこで売ってください」
「分かりました」
「酒場もあるので、そこでご飯を食べたり情報収集をしたり仲間を募ることも出来ますよ」
「なるほど」
「これで説明を終わります。なにか質問はありますか?」
「…えっと。グレイウルフリーダーを倒すクエストはありますか?もしあった場合、登録前に倒したのも出来ますかね?」
「今から、ギルドカードを渡して説明をするつもりでしたが、ギルドカードにはモンスターの討伐数が記録されるのでそれでクエストがクリアか決まります。素材を見せる場合、数が多いと何回も言えるかもしれないので出来ません。つまり、今からギルドカードを貰って倒す場合はともかくその前だと駄目ですね」
「分かりました」
「グレイウルフの討伐依頼やグレイウルフリーダーの討伐依頼、それらの素材納品もあるので素材納品だと出来るとは思います」
「防具が作れるなら作るつもりなので今はやりませんかね」
「分かりました。これがギルドカードです。では、いい冒険者生活を!」
「ありがとうございます」
そう言って俺はグレイウルフの討伐依頼を受けると冒険者ギルドを出ることにした。
コメント︰異世界に来たみたい
コメント︰ほんとにスムーズだな
コメント︰グレイウルフリーダーのは残念
コメント︰あの依頼受けたってことは西の森に行くのかな
グレイウルフリーダーの討伐依頼を聞いて思い出したけどグレイウルフリーダーの討伐報酬みたいなものを貰っていた気がするな。
あと、グレイウルフの素材やグレイウルフリーダーの素材も全然、見ていなかったな。
インベントリに入っているのか。
これも戦闘する前に確認するかな。
うーん。
戦闘するんだったら、やっぱり西の森を改めてゆっくりと攻略しようかな。
とりあえず、気配察知系や気配隠蔽系、鑑定系を使いながら、西の森に向けて進むことにした。
「これからスキル上げしながら西の森の先に行くか」
コメント︰おお
コメント︰気になってた
コメント︰そういえば特典見てないよね
コメント︰西の森の先ってどんなんだろ
そのまま門のところに行くと門番に声をかけられた。
なんか警戒されている?
「なんでそんなに隠れているんだい?」
「あ、いえ。スキルのレベル上げをしていました」
「なるほど。…街では気配隠蔽系は使わないように。私だったからいいが少し手荒な人だと問答無用で攻撃されるよ。犯罪者が隠れていると思ってね」
「…なるほど。危なかったんですね。ありがとうございます。以後気をつけます」
「ああ、分かったんならいいさ。門から出るんだろう?気をつけてな」
「はい。ありがとうございます!行ってきます!」
…確かによく考えていると街中で隠れているやつがいたら怪しいな。
次からは気をつけよう。
あの門番で良かった。
門番は鑑定系のスキルが高いんだろうな。
簡単に分かったっぽいし。
次からはやらないようにしよう。
コメント︰怒られてる
コメント︰隠れてると普通に犯罪者に見えるしなw
コメント︰優しくてよかったね
コメント︰レベル上げには仕方なかった
さて、西の森に向かうか。
改めて、気配隠蔽系を使って向かおう。
走って向かうけど明らかに速度が上がっている。
レベルアップは偉大だ。
誰もいないような森の中で確認したほうがいいかもな。
美優が言うには俺はそこそこレベルが高いっぽいし。
下手に人目のつくところでやると、面倒くさい感じになるかも知れないし。
色々考えていると西の森についた。
そのまま奥に進み始めた。
“到拍”
ゲーム『剣聖100連勝負』において四番目の中ボスが使う技。
“到拍”とは行動と行動の間に動き、隙を突く技である。
技の性質上、相手の隙に入り込む技のため観察眼が大切。
回避技であり第四のボスの“連斬”を避けやすくなる。




