クエスト6
俺はメニアちゃんの家に入った。
綺麗な部屋で座らされ、お茶を出された。
「粗茶ですが」
「ありがとうございます」
「そういえば、お名前は?俺はアラガキと言います」
「ああ、私の名前はフウマです。改めてよろしくお願いします」
しばらく談笑していると、メニアちゃんが何かを持ってやってきた。
「お兄さん!ありがとう!これあげる!」
そう言って渡されたのは、お守りのようなものだった。
「お守り!私が作ったんだ!お礼にあげる!」
「おお、ありがとう」
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救命のお守り
品質︰B レアリティ︰唯一
【聖女】メニアが作ったお守り。
【聖女】メニアは稀代の聖女になる器である。
その【聖女】としての力を存分に振るい形をなしたのがこのお守りである。
このお守りには回復の力が宿っている。
そのため、着用者の致命の攻撃から一度、救うとともに回復の力を高める。
装備時︰INT 500 MID 500
致命回復 回復強化
作成者︰メニア
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コメント︰聖女!?聖女なんで!?
コメント︰こんな場所にいるのかぁ
コメント︰これやばくない?
コメント︰プレイヤーにバレたらやばい
これだけでも、必死になってクエストをやったかいがあったな…。
「大切にするよ」
「うん!」
フウマさんがそれを見ながら笑みを浮かべる。
そのあと真剣な顔でメニアちゃんに言葉を告げた。
「…メニア。遊びに行ってらっしゃい」
「…え?大丈夫なの?」
「大丈夫だよ」
「ああ、そうだ。メニアちゃん。フリムと遊んでくれないか?」
「ポヨ?」
「う、うん。わかった。フリムちゃん行こう?」
「ポヨ!」
今まで空気を読んで黙っていたフリムが呼ばれて、声を上げる。
真剣な表情で喋るフウマさんにメニアちゃんもフリムと一緒に外に出た。
メニアちゃんが出ていくと俺から話を聞いた。
「どうしたんですか?」
「いえ、貴方がメニアに近づけた理由が知りたくて。明らかにレベルが低い貴方が私の幻惑魔法や隠蔽を看破出来るはずが無いんですが…」
「幻惑魔法や隠蔽が掛かってたんですか?メニアちゃんに。メニアちゃんから話しかけられましたよ。あと、恩人に聞くものですか?それ…。まあ、いいですけど」
「すみません。これが分からないとメニアに危害が加わるかもしれないので」
「推測なら」
「お願いします」
「メニアちゃんからこちらに話しかけたこと。そしてメニアちゃんに害意を持ってなかったこと。あとはメニアちゃんがフウマさんを助けてほしくて助けられそうな人を探していたからじゃないかと」
「なるほど…。確かに【聖女】ならそのようなこともあるかもしれません。【聖女】には運命の力があるらしいですから」
「ただの予想ですけど話を聞いて俺がメニアちゃんと会ったのはそういう理由があったんじゃないかなと思います」
「ありがとうございます。改めてお礼をしたいと思います。武器は何を使ってますか?剣を装備しているので剣を使っていそうですが」
「剣ですね」
「分かりました。少し、待っていてください」
そう言うとフウマさんが席を外す。
するとフウマさんは剣を持って、すぐに戻ってきた。
「これです」
「これ?」
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封魔の剣
品質︰A レアリティ︰唯一
封魔一族が持てる技術すべてを使って作り上げた魔を封じる剣。
魔が封じられており、魔を利用する形で成り立っている。
特性として、魔を封じ、魔を斬ることができる。
魔を利用しているため、魔法を補助する役割もある。
装備時︰STR 1500 INT 1500
魔封斬 魔斬 ???
耐久力︰100/100
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見た目は、白い剣で所々に緑の装飾があり、紋章のようなものがついている。
取り敢えず装備してみた。
見た目も好きで詳細もすごいことが書いてるが、なんとなく違和感があるな。
色々と隠されていそう。
「これは…。凄いですね…。俺には勿体無いぐらいだ」
「ふふ、そう言っている割には何か言いたげですね」
「いえ、なんというか。唯一といった割に量産品のような説明文だなと。隠蔽が施されていますか?本領がまだあるような気がします」
「ええ、これは量産品です。ですが、今はこれ1つしかありません。その上、魔が封じ込められているので厳重に封印されていて、武器としての性能が最低限になっているんです」
「なるほど、だからですか」
「魔は封印されていますがどうするかは貴方に一任します。封印が解けるようになったら、倒すも従えるも自由にしてください」
「分かりました」
「それと」
「それと?」
「戦いませんか?報酬は用意しています」
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クエスト︰《封魔の忍》フウマとの戦い
《封魔の忍》フウマは貴方に挑戦状を叩きつける。
《封魔の忍》フウマは自分の技を託す相手を探している。
《封魔の忍》フウマは候補者に戦いを挑み試す。
《封魔の忍》フウマと戦い勝利しよう。
報酬︰忍術開放 ???
期限︰今
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「え?わ、分かりました。お受けします」
「良かったです。では庭に出ましょう」
そう言うとフウマさんは庭に先導していった。
それに俺はついていく。
全く話の流れがわからない…!
“破断”
ゲーム『剣聖100連勝負』において二番目のボスが使う技。
“剛断”と違い断ち切るような斬撃であり鋭い攻撃。
派生して居合で放つ場合もあるがそのときの“破断”は斬れぬものなし。
避けやすい技だが第二の中ボスの“仙歩”を持っているとさらに回避しやすくなる。




