試練7
最初の部屋に戻ってきた。
周りにはフリムやネスがいる。
俺は周りを見渡すと呟いた。
「負けた…」
正直、勝てるとは思っていなかったが前よりはいい勝負ができると思っていた。
だが前よりはダメージを与えられたかもしれないが五十歩百歩のような違いだ。
作戦も建てずにリベンジに行ったのは駄目だった。
反省しよう。
まずは今ままでの応龍の動きを振り返って対策を立てていかなければならないな。
「ポヨ…」
「ちょっといいですか?」
そうして深く考えようとしているとネスが話しかけてきた。
何か聞きたいことでもあるのだろうか?
ネスへの対応をする。
「どうした?」
「いえ…。フリムと少し話してほしいと思いまして」
ネスの要件はフリムについてのことだったようだ。
確かにフリムと喋ってみるのもいいな。
気分転換も重要だし。
ネスの要件を承諾する。
「ん?…わかった」
「ポヨ…?」
「フリム。少し話そうか」
「ポヨ!」
そうしてフリムと少し話すことになった。
***
「さて、話をしようか」
「ポヨ!」
「…フリムは応龍へのリベンジは嫌そうだったな」
「ポヨ…」
「ずっと待ってるのが嫌だって話だったが今はどうだ?」
「ポヨ…」
「…。そういえばフリムと一緒にいて負けたことはなかったな」
「ポヨ?」
「フリムの魔法のサポートはいつも的確で俺が近距離戦をしていると敵の妨害をしてくれていた」
「ポヨ…」
「よく考えればそれに甘えていたんだろうな」
「ポヨ!?ポヨポヨ!」
「いや否定はしなくてもいい。大剣の重騎士以外の戦いでフリムがいたからこそ敵の妨害を考えずに攻撃だけできていたんだ」
「ポヨ…」
「…だからこそ応龍に勝ってみせる」
「ポヨ?」
「応龍は俺の隙を的確に突いてくる。だから全ての攻撃に対応して応龍を倒せたとしたら俺の甘えもなくなっているはずだ」
「…ポヨ」
「だから見守っていてくれ」
「…ポヨ!」
フリムとの話し合いは俺の甘えを自覚するのに役に立った。
応龍には俺一人で挑まなくてはならない。
なら応龍を倒すことができたら俺は一回り大きく成長することができるだろう。
フリムとの話し合いが終わり、俺は改めて応龍の対策を考え始めた。