表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
【第2章完結】最強な精霊王に転生しました。のんびりライフを送りたかったのに、問題にばかり巻き込まれるのはなんで?  作者: 山咲莉亜
第2章 亜麻色の光

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

87/281

14 深真有栖と絶世の美少年

 ◇


 桜井(さくらい)家と深真(みさな)家は親同士が親友で昔から交流があった。私の生まれた深真家は日本屈指の大財閥で政界とも深い関わりがあった。私は兄がいたから、今思えば比較的自由に過ごせていたと思う。でも当時は様々な習い事や勉強が忙しく、幼くはあったけど心に余裕が無かった。人よりちょっと勉強ができて、家もお金があって。そんな私に近付いてくるのは、大抵深真との関わりを持ちたい下心丸出しの人ばかり。

 その時はまだ七歳で、七歳にしては大人びている方だったかもしれない。だから大人相手でも目的をハッキリ理解できていた。そんな心身ともに疲弊するばかりの日々にうんざりしていた、ある日のことだった。


 その日は初めて親同士で交流のある桜井家の嫡男、渚様にお会いする日だった。なんでも、学ぶことが大好きだそうで、私と同じ七歳なのに仕事をしなければならないのもあって、(とき)には分刻みのスケジュールをこなしているそう。それで私と会える機会がこの歳になるまで無かったのだと聞いた。


「はじめまして、深真のお嬢様。桜井渚です」


 まだ少年と呼ばれる年齢ではあるものの、すでに渚の作り物めいた顔立ちはそこにあった。優雅に一礼して微笑む姿はあまりにも美しく、生まれて初めて誰かに見惚れてしまった。こんなに綺麗な人は見たことがない、これからも彼以上に美しい人は現れないと確信するほどに渚は綺麗だった。もちろん今の彼と違って、幼さゆえの可愛さはあったんだけど、それを差し引いてもやっぱり綺麗という言葉が一番似合っていた。


「深真有栖と申します。あなた様のお話は父から聞いておりました。お会いできて光栄です」


 桜井家のことは習ったし、お父さん達からも話を聞いていたから知っていた。


 桜井家は皇族の傍系に連なる血筋だそうだが、ほぼ末席のようなものなのであまり公表されていない。知っている人もいたけど、皇族の血筋ということですら霞むほどに有名な事実が他にある。

 それは世界レベルの大財閥ということ。深真家も大きな財閥だけど、それは日本のトップという程度。対して桜井家は『世界一』の大財閥と言って差し支えなかった。


 世界中のメディアを手掛けていて、各国の首脳ですら下手に扱えない、恐ろしいほどに地位と権力を持った存在。桜井渚はそんな家柄の跡取りであり、桜井グループの次期社長だった。


 親同士の会話を聞きつつ、正面に座って静かにお茶を飲む彼を見ているととても同じ七歳とは思えず、両親や桜井の嫡男を知る人々があれだけ褒め称えていたのも納得した。本当にそんなすごい人物が存在するのか疑っていたけれど、あれでも足りないくらいなのだと身を持って知り、強い衝撃を受けたのを今でも覚えている。


 そしてこれは成長した彼に対しても思っていることだけど、やっぱり渚は信じられないほど顔が良い。異常なまでに美形な一家だったけど、その中でも渚は群を抜いていた。成長していくにつれてその顔の美しさには拍車がかかっていくし、声だって少年らしい高さのものから、程良い低さで砂糖菓子に蜂蜜を一瓶丸ごとかけたような甘さと色気のある声に変化し。高身長でスタイル抜群で、他の人がやると絶対にだらしなく見えるような仕草でもキラキラ輝いているような幻覚が見えるくらい優雅で綺麗で。


 容姿のことばかり言ってると面食いのようだけど、誰でも同じくらい熱弁できるだろうと思うくらいには、とにかく発するオーラが正常ではなかった。

ご覧頂きありがとうございます。よろしければブックマークや広告下の☆☆☆☆☆で評価して頂けると嬉しいです。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ