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【第2章完結】最強な精霊王に転生しました。のんびりライフを送りたかったのに、問題にばかり巻き込まれるのはなんで?  作者: 山咲莉亜
第1章 幕開けは復讐から

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68 『精霊王』

「あ、はは……なるほどねぇ………」


 水の宮、書庫の禁書室。禁書室はすべての宮と繋がっている。今俺が手に取っているのは過去の精霊王が書いた日記のような感じの記録二冊と『精霊王』というタイトルの書物。

 この三冊とも今まで一度も見たことがなかった。俺はすべての宮の書庫にある書物と禁書を読破してる。なのに読んだことがないどころか見たのも初めて。


 何やら仕掛けがあったみたいで、特定の条件を満たしたら認識できるようになっていたみたいだねぇ。こんな小賢しい真似をしたのは一体どこの誰? ほんと面倒な人だよ。


 『精霊王』という書物はそのタイトルの通り、精霊王についてが事細やかに書かれていた。その中には俺が考えていた精霊王の役割、仕事についてもあった。


「これなら精霊王を強くしているのにも納得がいくかなぁ……」


【まず初めに、精霊王にも役割や仕事があると知っているのは精霊王と世界のみである。守秘義務があることと理解した上で以下の内容を読むこと。


・精霊王はこの世で一番強くあること。

・下位精霊、中位精霊、大精霊を生み出してその全ての頂点に立ち、統率すること。

・そしてなにより重要なのが、破壊と創造の力を持って世界の監視下で世を管理すること。


世界にとってあるべきではないと思う存在を排除(破壊)する、そして世界にとって有用な存在を作る(創造)こと。これが一番大切な役割である】


 だって。排除って言うのは殺すか再起不能にするか、出来るのであれば更生するかってことだよね。で、作るのは精霊をたくさん生んで他の種族に力を貸すことで成長を促す、あるいは優秀であるよう教育するか。


 力を貸して成長を促すというのは精霊に頼り切るのではなく、あくまでも最初の一歩の手助けをってこと。


 良く考えられてるね。創造に関しては取りあえず精霊をたくさん生めってこと? それで世界を発展させろ、この国に限らず世界中を、って? ……めんどくさ。


 俺は転生してまだ一度も精霊を生んでないんだよね。精霊は強ければ強いほど長生きする。つまり精霊王が一番長く生きるわけだけど、どちらにしても精霊王が死んだときは全ての精霊が命を落とす。なぜなら精霊王の魔力で生きているから。だから今の精霊は俺が転生前に生んだ子しかいないわけだよ。大精霊四人とルーは俺が生まれてすぐ生み出したから年齢は俺と同じ。

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