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【第2章完結】最強な精霊王に転生しました。のんびりライフを送りたかったのに、問題にばかり巻き込まれるのはなんで?  作者: 山咲莉亜
第1章 幕開けは復讐から

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57 閉所暗所恐怖症

「まぁ大体のことは分かったよ。もう一度聞いておくけど、本当にそれ以外のことは何も知らないんだね?」

「はい。どんなに細かいことでもこれ以外に知ることは何もないです」

「それなら良いよ。俺の前世のことを知られているのが分かったから今後やりやすくなることもあるかもねぇ。君たち精霊には隠さなくて良いんだからさ」


 うん、そう思えば少しは気が楽になるかな。これらのことを人に知られたとしても、もう違う世界にいるから父上たちにご迷惑はかからないしね。


 ノームが言っていた通り、うちは皇室の傍系だった。かなり遠い血筋だから皇族として公に出ることはほとんどなかったから極一部の人しか知らないけどね。そして父さんは大企業の社長、母さんも名家の出。主にメディアを手掛けていて世界的にも有名な会社だよ。他にも色々やってたから総資産は三十兆を超える大財閥。

 普段は一般人より少し大きいかなってくらいの家に住んでたから、知ってる人はほとんどいないはずだよ。もちろん本家は別にあるし、使用人も百は超えてたけど。


 一般の人が水の事故で亡くなったって言うのでもニュースになるけど、皇族の血筋で桜井財閥の次期当主にして次期社長だった俺が死んだなら日本中か、もしかすると世界中が大騒ぎだったかもねー。報道すればかなり稼げそう。後継者は直人くんがいるし、直人くんも俺に負けず劣らず優秀だからね。後継者については問題ないんじゃないかな。

 ただ、俺が受けるはずだった重圧を直人くんに押し付けるみたいになっちゃったのは申し訳ないね。仕事の引き継ぎとかも出来てなかったし、芸能の仕事だって中途半端。今更どうにか出来る問題でもないんだけどねぇ……


 俺が毒を盛られたり何度も殺されそうになる理由には納得がいくでしょ。信頼度は高い会社だったけどライバルの会社とかには狙われる。俺に至っては芸能人でもあったから、殺されそうになる理由には十分じゃない? 物騒な世界にいたからね。当然、納得も理解もまーったく、出来ませんけど。


「ナギサ様はたしかに強いし、魔法の強さ以外でも非の打ち所がない。だけど一年前の夏までは今ほどではなかった。性格とかはあまり変わってないけど、今みたいに常識外れな知識量も頭の回転の速さも、身体能力も戦闘能力もなかったと思います。さらに言うなら今ほど隙がないなんてこともなかったと思う」

「そんなに言われるほど変わったとも思ってないけどなぁ。俺はそこまで完璧な人間じゃないからね。スペックは高くても生き物として決壊品。俺でも怖いこととかあるし?」

「え、そんなのあるの?」

「俺をなんだと思ってんの? あるに決まってるでしょ。場合によってはかなり致命的な欠点だね」


 ある程度のことは何でもこなせると思うよ? だけどそれは俺なりに努力しているからであって、俺は天才ではないんだよ。心だってそんなに強くないしさ。


「怖いこと……って、なんですか? 最強なナギサ様の怖いものなんて全く想像つかない」

「えー? 自分の弱みを言うと思う?」

「ぼくに知られても問題ないんじゃない? 敵対することはあり得ないし」


 まあ仮に敵対したとして、やられるのはノームの方になっちゃうもんね。


「んー……お願いだから誰にも言わないでよ?」


 こういうことって言えば大体広められるやつだけどね、ノームはそんなことしないから大丈夫かなー。


「……俺は閉所暗所恐怖症、なんだよ」

「閉所暗所……恐怖、症……?」

「暗くて狭い所が無理ってこと。理由までは教えてあげないよー。じゃあまたね、ノーム」

「あ、ちょっと、まっ」


 思い出して少し顔が引き攣った気がするけど、気を取り直して不思議そうな顔をするノームに説明した。幽霊でも見たかのように驚いた顔をするノームに今更ながら羞恥心が湧いてきたので、さっさと地の宮に送っておいた。

 やっぱり言わなければ良かったかなー。俺が閉所暗所恐怖症なのを知ってる人って、片手の指をほどもいないよ?

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