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【第2章完結】最強な精霊王に転生しました。のんびりライフを送りたかったのに、問題にばかり巻き込まれるのはなんで?  作者: 山咲莉亜
第3章 動き出す思惑

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47 『一曲お相手願えますか?』

「ウンディーネ、疲れました?」

「ちょっとだけねぇ」

「そうですか。帰る前に一曲誘うつもりでしたが、お疲れなら仕方ありませんね」

「えっ……踊って! 踊りたい!」


 帰りましょうか、と言おうとしたら全力でダンスに誘われた。ちょっとだけと言いつつ結構ぐったりしていたから帰ろうと思ったんだけど……そんなにダンスが好きなの?


「別に構いませんけど……ウンディーネ、踊れるんですか? 今更こんなことを聞くのも何ですが」


 踊ってるの見たことないよ? 見た目はいかにも『社交界の華で完璧淑女です』って感じだけどさ、実際は精霊らしく自由にしてるし、公的な場に出たことって数える程しかないんじゃない?


 俺のダンスの腕が落ちていなければウンディーネが踊れなくてもリードできるはずだけど……


「少しだけなら踊れるよぉ。人間に紛れこむこともあるから、ある程度の教養は身に着けているつもり」

「へぇ……」


 いつの間にそんなことをしていたのか知らないけど、ウンディーネって意外と真面目なところあるよね。たしかに彼女、王侯貴族と並んでも遜色ないくらい立ち居振る舞いが綺麗だったね。興味があることしか学ぼうとしない俺とは大違い。


「───ではウンディーネ。一曲お相手願えますか?」

「喜んで」


 ウンディーネの手を取って人が少ない空間へ誘導すると、なぜか驚いたようにこちらを見てきた。

 今流れているのは静かな曲調で、どちらかと言うと夜会では後半に聞くことの多い旋律。ダンスもそんなに難しくないからホールの中心に集まる男女は結構多い。これなら俺でもリードできるかな。


 もしかすると伯爵、侯爵家にも及ぶ発言力を持っているシーラン男爵家。それなりに立場ある家柄とはいえ、その分家筋ということになっている俺と雲の上の存在である大精霊のウンディーネが一緒にいれば、当然の如く注目を集めてしまう。踊るためにホールの中心に集まっている人達も、壁側に移動した人達も、それとなくこっちを見ているみたいだね。一人ひとりの視線は気にならなくても、それが大勢になれば話は違う。だからさ……普通に視線が痛いんだけどー?


「ねぇ、ナギサ様ぁ?」

「なに?」

「いつも思うんだけど、ナギサ様って女性の扱いが上手くない? 手慣れてる気がするなぁ。恋愛経験豊富なのぉ?」

「……そんなことないでしょ。僅かなミスもしないよう社交面では徹底的に教育されていたけど、恋愛経験はアリスだけ。遊び人っぽいとは良く言われてたけどねぇ」


 密着しているこの距離ならいつも通り話しても誰かに声が届くことはない。今の言葉でウンディーネが驚いていた理由が分かった気がする。さっき人が少ないところに誘導していた時も同じようなことを考えてたんだろうねぇ……


 こんな風に言われるってことはちゃんとできているんだろうけど、恋愛経験豊富だと思われるのは不本意だよ。それも今回が初めてではない。アリスと一緒の時に言われたことはないのに、そうじゃない時はかなりの頻度で同じようなことを言われる。

 俺ってそんなにチャラそうに見えるのかな? 俺は少し肩が当たる程度だとしても、特別親しい人以外だと男女関係なく無理だよ。これで恋愛経験豊富はないでしょ。それに、俺は五年以上アリス一筋だからね?


「本当に嫌そうだねぇ……」

「逆に聞きたいんだけど、俺ってそんなにチャラそうに見える?」

「チャラそうっていうか、顔が良いからイケメン補正で余計に手慣れてる感じがするよねぇ」

「それは理不尽……」

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