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【第2章完結】最強な精霊王に転生しました。のんびりライフを送りたかったのに、問題にばかり巻き込まれるのはなんで?  作者: 山咲莉亜
第3章 動き出す思惑

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32 思い出さない方が

「水の宮……久しぶりに来たよ。相変わらず無駄に広いねぇ」

「ナギサ様ぁ? アリス様のところに行かなくて良いのぉ?」

「うん。いきなり行っても迷惑だろうから明日まで待つよ」


 実はあれからまだ一月(ひとつき)も経っていないんだよね。予定より少しだけ早く帰ってこられた。多くの人が協力してくれたのと、世界を一時的に再起不能にして記憶が戻りつつあるのと、黒幕のお兄さんに会えたのが良かったんだろうね。どれか一つでもなかったら予定より長引いていたと思う。

 その中でも俺が一番嬉しかったというか、助かったのは記憶が戻ってきていること。肝心の黒幕についてはまだ戻ってないけど……これも近い内に思い出せるはず。


 でもねぇ……なんか思い出さない方が良い気がするんだよ、彼らのことについては。思い出したらきっと後悔する。脳が思い出すことを拒否しているような感じがする。


「薄々察してはいるんだけどねぇ……俺が狙われてるのは」


 過去に彼らに何かしたんだろうなぁ、って。そうじゃなきゃ、戦い始めた瞬間あんなに殺気出さないでしょ。それがいつのことなのかも、何をしたのかも俺には分からないんだけど。


「ナギサ様、お疲れかと思いますが十日後は会合ですよ。準備はしておられます?」

「……やっぱり不参加で」

「駄目です。今までは表に出ていなかったので何も言いませんでしたけど、表社会に出てきたのならやることはやってください」

「えぇ……」


 最悪なタイミングで言ってくるね? 俺は今いろんな意味で疲れてるんだけど。


「準備なんている?」

「僕より毎年ナギサ様の代理で参加しておられたシルフ様の方がお詳しいと思いますが、報告会がメインのようです。なのでここ一年の出来事などをまとめておいた方が進めやすいかと」

「……めんどくさ」


 そんな感じなんだね。会合が終わったらいつもシルフから報告を受けていたけど、正直に言うとまともに聞いてなかったからさ。知らなかった。面倒であろうことは分かったけど。


「……ナギサ様?」

「分かったからその怖い顔やめてよ。それなら書庫に行ってこようかな」


 ここ一年の出来事、ねぇ……何を報告すれば良いわけ? 色々ありすぎて他国の参加者は卒倒しそうだけど。


 たしか禁書室の方に報告書みたいなのがあった気がする。禁書室は全部の宮と繋がってるから誰が書いてくれたものかは分からないけど、良い感じにまとめてくれてたりしないかなぁ?


「あー……その前に火の宮に行った方が良さそう……」

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