31 最終決戦の日は
「……別にナギサ様のお好きなようにすれば良いと思いますけど、なぜ水の宮なのですか?」
「ん? だってウンディーネがこんな状態だから」
自分で言うのも何だけど俺は魔力の回復速度が異常に速いから、あれだけ魔力を消費した直後でも自分で動くことくらいはできるんだよね。ウンディーネはまだぐったりしているんだけど、本来ならウンディーネの方が正常なんだよ。俺がおかしいだけ。あれからまだ十分も経っていないんだから。
「俺が安心できるまでウンディーネの魔力が回復したら俺は移動するよ。サラマンダー、ノーム。来て」
「お、お久しぶり? です……」
「うん、久しぶり。見て分かると思うけど今ウンディーネがこんな状態なんだよね。だから簡潔に話させてもらいたいんだけど」
横になったまま力なく手を振るウンディーネに二人とも何かを察したのか、真面目な顔で頷いてくれた。
「まずはみんな、協力ありがとう。無事に調査が終わったよ。まだ足りないけどある程度の情報は集まったって感じかな。詳細はルーから聞いてねー。俺はまた日常に戻るからみんなも好きなようにして。ただし、身の回りに気を付けること。それから大事なことを一つ」
ふふ、と笑いながら伝えるとそれぞれ表情が変わった。驚きや不安、ようやくかと言わんばかりの笑み。俺が彼らに伝えたのは最終決戦がいつになるか。『この冬、年の始まりが決着の時だよ』、と。
勝敗はともかく、この争いをいつまでも続けていられるほど俺も暇じゃない。事情を知っている人達も不安だと思う。焦りは禁物だけど早めに決着をつけたい。
「俺からは以上。何か聞きたいこととかある?」
「質問ではありませんが……本格的に戦闘の準備が始まるまでの間、家族と一緒に過ごしても良いでしょうか? もちろん仕事はします。彼女達だけでも十分に強いですが心配なので」
「そうだね、好きにしな。俺としてもアリスやエリオットくんの傍にいてくれるのは助かるし、エルサちゃんも安心でしょ」
エリオットくんの中身は雅だし、アリスも俺の祝福があるし、彼らなら少しくらい襲われても自分でどうにかできそうではあるよ。でも万が一があるかもしれないからね。
「ありがとうございます」
「あああの、じゃ、じゃあぼくも……」
「ん? 誰だっけ、祝福してる人?」
「ジェフリー……」
「あ、そうそう。彼と一緒にいたいなら好きにすれば良いよー? というか、俺に許可取らなくて良いから好きにしなよ」
俺が許可を出すようなことじゃないでしょ。家族と一緒にいるのは本来普通のことなんだし……
「おれはナギサ様の命令通りに動くぞ!」
「今は特にお願いしたいことないからゆっくり休んで体力を温存してて」
「分かった!」
「もう聞きたいことない? ないなら各自解散!」
騒がしいからさぁ……珍しくウンディーネが怒りそうになってたよ? まあ当然だよね。この意識を保っていられるのがすごいくらいの状態で騒がれたら怒るよねぇ。
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