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【第2章完結】最強な精霊王に転生しました。のんびりライフを送りたかったのに、問題にばかり巻き込まれるのはなんで?  作者: 山咲莉亜
第3章 動き出す思惑

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26 再発

 既視感はあったんだよねぇ。それもそのはず、アルフォンスくんを苦しめていたのは俺が浄化したはずの呪いだったんだから。


「ナギサ様、いきなりその強さの呪いを浄化して大丈夫なのぉ?」

「……大丈夫じゃないね」

「それはそうですよね。前回だって長期間療養させて、さらに舞を舞ってようやく完全に浄化できたのですから」


 シルフの言う通り。精霊王でも呪いは簡単に浄化できるものではない。第一に膨大な穢れを纏っているし、呪いの強さっていうのは殺された精霊の恨みや苦しみ、元の強さに影響されるものだけどアルフォンスくんに掛けられた呪いの強さや重みは相当だった。元々弱い方の精霊で恨みや苦しみが少なかったとしても、呪いになっている時点で中位精霊くらいなら簡単に負ける。


 マイナスの感情にはすごく弱い。それが精霊という生き物なんだよ。だから俺でも注意が必要。少なくとも軽く魔法をかけたくらいでは駄目だった。


「どうしようかなぁ……」


 体調を崩してはいるけど正直まだそんなに呪いが進行していない。浄化するには十分な猶予がある、けど……呪いが再発することは絶対にないし、可能性があるとするなら黒幕の良く分からない能力。生き物を意のままに操り、過去の記憶を探ることができ……他に何ができるのかは分からないけど、精神干渉系であるのはまず間違いないだろうねぇ。それなら過去の病気や呪いを再発させることだって可能かもしれない。


 敵のことをすべて把握できていないこの状況でこれ以上油断するのはマズい。さすがの俺でも今までの奴らとは比にならないことくらい察してる。今までの敵が弱かったのもあるけど、もしかすると周囲を巻き込んでしまうかもしれない。いや、もう巻き込んじゃってるけど。

 あまり不安にさせたくないからアルフォンスくんは眠らせた。ジェソンさんが感じていた嫌な予感ってやつと体を診させてもらっているときに俺が感じた違和感は同じもので、それが呪いだったと考えて恐らく問題ない。


 俺がこうして解決策を考えている間にもシルフとウンディーネが魔法を掛けてくれているから、体調不良も呪いも多少はマシになってきているはず。実際、彼の顔色も少し良くなった。


「───ナギサ様、お待たせ致しました」

「あ、うん。そうだね……今後のことも含めて先に話させてもらおうかなー。単刀直入に言うと、アルフォンスくんはまた呪いに侵されてるよ。ルー伝いで俺に話を通しておいて正解だったね」

「そ、それは本当ですか!? すべて浄化できたのではなかったのでしょうか……?」

「落ち着いてよ。君の言う通りであの時は浄化できていたよ? だけどなんて言えば良いのかな……普通はあり得ないことだけど、再発しているみたいでね」


 呪いは基本、精霊が誰かの手によって殺された時に恨みなどの感情で核が穢れてなるもの。そして呪いを解くためには核を浄化すれば良いんだよね。核が浄化されるということは消滅するということ。精霊は死んだら消滅する。だから普通に考えて浄化したはずの呪いが再発というのはおかしな話なんだよ。生き返ったことになるのだから。


 でもこうなった原因が分からない以上、今は『再発』という言葉が一番納得がいく。

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