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【第2章完結】最強な精霊王に転生しました。のんびりライフを送りたかったのに、問題にばかり巻き込まれるのはなんで?  作者: 山咲莉亜
第2章 亜麻色の光

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107 裏切り者

「ナギサ?」

「予想通り!」

「自慢気に言わないで!? 何をどうしたらこうなるのかな……? 少しは上達しているかと思いきや、むしろ悪化していたね。ここまで来ると感心しちゃうよ」

「言ったでしょ、俺が料理をすると大変なことになるって。俺はねぇ、すべての調理場に嫌われているんだと思うよー」


 地の宮、厨房にて。現在この場所は文字通り地獄と化していた。どういうことかと言うと、まず俺がアリスの提案で一緒に料理をすることになったんだよね。それで厨房に立ったんだけど、今日は煮込みハンバーグ? みたいなのを作ることになったんだよ。そこまでは普通なんだけど問題はその後。


 アリスの指導の下、俺がメインで作ることになったから色々とやり方を教えてもらったんだよね。でもさすがは俺。食材を切ろうと包丁を握れば俺の手も含めてすべてがズタズタになり、焼こうとすれば何故か炭のように黒く固い塊が完成し、煮込もうとすればなんか蒸発した。おかしいなって思ってもう一度やれば今度は赤黒くなった。


 諸々合わせて、最後に全体を見るとまさに地獄のような景色になっていた。いやぁ、おかしいねー? 俺も自分なりに頑張ったんだけど。アリスは普通に料理できるからどう考えてもすべての原因は俺にある。


「でもここまで来ると自分の手が怖くなるね」

「私も怖いな。前世でお母上に怒られたって聞いたけど、たしかにこれは怒られて当然だわ。私は面白いから良いんだけど、一時期暇さえあれば頑張っていたでしょう? ナギサが料理の後片付けが上達した理由も良く分かったよ」

「母さんは普段穏やかな分、怒ると本当に怖いからねー。できるだけ母さんがいない時を狙っていたのに屋敷内は裏切り者だらけだったみたい」


 みんな母さんに報告しちゃうんだよ。何も言わなければまたやらかしたのかと、食材を無駄にするなと怒られることもなかったはずなのにね。何歳になっても頭が上がらない相手はいるものだよね。父さんなら気にしないのに、母さんに怒られると堪える。使用人もそれが分かっていてやってるんだから質が悪い。俺は一応主の息子だったのに。


「今だから言えること、聞きたい?」

「なに?」

「あのね……ナギサ、料理した次の日に怒られることもあったんじゃない?」

「そうだね。誰もいない時間帯だったはずなのになぜか知られていることもあった。ずっと不思議に思っていたんだよね」

「あれは私が報告してたの。ナギサはいつも私に失敗報告をくれるから」


 ………まさか一番身近なところに裏切り者がいたとはね。


「何か報酬でもあったわけ? というか、そうであってくれないと何の理由もなく裏切られていたってことになるからショックなんだけど」

「ナギサのオフの写真をもらっていたの。寝顔とか着替えとか」

「……変態?」

「違います! 提案したのは私じゃないから真顔で言わないで!」


 いや……提案してなくてもしっかり取引はしてたわけでしょ? 知らぬ間に俺のプライベートが流出していたんだねぇ……

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