表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
【第2章完結】最強な精霊王に転生しました。のんびりライフを送りたかったのに、問題にばかり巻き込まれるのはなんで?  作者: 山咲莉亜
第2章 亜麻色の光

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

179/281

105 甘々ボイス

「そういえばナギサ、精霊様達はいないの? いつも一人はいる気がするんだけど……」

「そうだねぇ……遊びに行ってるんじゃない? 精霊は気まぐれな性格の子がほとんどだし。たまに俺の軽い命令を無視することもあるよ」

「無視されちゃうんだ? ナギサの言うことを聞かないなんて度胸あるね」

「ちょっと、それはどういう意味かなー?」


 隙あらば俺より優位に立とうとするアリス。そうするのは俺のペースに巻き込まれると大変なことになるからと前に言ってたかな。でも精霊が気まぐれっていうのは周知の事実だし、俺をからかうには材料が足りないと思うんだよね。


「言葉通りです! さてナギサ、デートを再開しようよ。いっぱい歩いたのにお昼食べてないからお腹空いちゃった」

「えー……今から外に出るの? 俺はもう動きたくないんだけど。たまには大人しくイチャイチャしよ?」

「外に出ないのは良いけど、イチャイチャはしません」

「……なんで」

「じ……自分の魅力が分かってる! というより、役者としての自信かな!?」


 いきなりどうしたんだろうね、アリスは。人の顔を見て急に百面相を始めた。


「か、可愛いとは思ってないからね?」

「別に思わなくて良いよ」


 自分の彼女に可愛いと思われたい男の方が少ないんじゃないかなー?


 アリスの言葉には……まあ、ちゃんと自覚がありますけども。表情をコントロールするのは大得意だからね。可愛く見せようと思ったわけではないけれど。


「でもなんで駄目?」

「今日のナギサはちょっと甘すぎるから。表情や行動に比例しているのか分からないけれど、いつも以上に声が甘いよ。今の段階で砂糖菓子に蜂蜜を二瓶ひっくり返したみたいな感じ」

「毎度思うけど表現が独特だねぇ。俺ってそんな声してる?」

「うん、してる。吐息多めで色気がすごいから甘く感じるのかも」

「変えようか?」

「大丈夫。そこで声を変えることができるのもおかしい……とは突っ込まないであげるよ」


 ナギサの場合は地声の名残もないからね、としっかり突っ込んでくるアリス。矛盾しているのは恐らくわざと。俺の声ってそんなに甘いのかな? 仮にそうだとしても砂糖菓子に蜂蜜二瓶は盛り過ぎなんじゃない? そこまで甘いとさすがの俺でも食べきれないと思う。お菓子やスイーツは甘ければ甘いほど良いというわけでもないからね。


 ちなみに、普段は砂糖菓子に蜂蜜を一瓶かけたような感じらしい。例えの表現が一々長いね。


「もしかして、今日のナギサはいつも以上に私のこと好き?」

「いや、いつも同じくらい大好き」

「………あの、今日のデートはここまでってことで良いかな? これ以上一緒にいたらマズい気が……」


 身の危険を感じたとでも言わんばかりに後退って行くアリス。あのさ、俺はおかしなことを言った覚えはないんだよねー。ただいつもより甘いというのは───


「許すわけないでしょ。俺、最近すっごくアリスに飢えてるんだよねー」

「さようなら!」

「なに逃げようとしてんの。嫌がることはしないから大人しく俺の腕の中にいてくれない? 明日からしばらく会えないんだし、たまには良いじゃん」

ご覧頂きありがとうございます。よろしければブックマークや広告下の☆☆☆☆☆で評価して頂けると嬉しいです。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ