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【第2章完結】最強な精霊王に転生しました。のんびりライフを送りたかったのに、問題にばかり巻き込まれるのはなんで?  作者: 山咲莉亜
第2章 亜麻色の光

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104 執着しないでほしいのは

 ふふふ、って……怖いからやめてほしい。俺、さっき何か変なこと言ったかなー?


「ナギサが嫌がること言って良い?」

「駄目」

「ありがとう!」

「……どういたしましてー」


 俺は駄目って言ったはずだけどね? 俺の意見を聞き入れてくれないなら最初から承諾を得る必要はないんじゃないかと、そう思うのは俺だけかな。

 逃げて行ったくせにわざわざ俺の傍まで戻ってきて耳元で囁かれた。


「ナギサ、さっき『俺の恋人に手を出してんじゃねぇよ』って言ってたよね」


 視界の端に見えたアリスは、それはもう嬉しそうな笑顔を浮かべていた。嬉しそうで何よりだけど、聞き捨てならない言葉を耳にしたような……


「そんなこと言ってた?」

「うん」

「あー……またやっちゃった。なんで俺はたまに口調が変わるのかなぁ……」


 俺が認めてない俺なんだからさ……お願いだからやめてくれないかな、感情が揺れてる時の俺! 無意識だから余計に質が悪いんだよ。せめて意識的にやって!? もう……最悪。


「で、アリスは俺がいつもと違う口調なのが嬉しかったと?」

「もちろんそれもあるけど、やっぱり恋人って言ってくれたのが嬉しかったよ。ありがとね?」

「いや……」


 普通なら束縛的な意味じゃなくても『俺の女』って言うところなんだろうな。でも俺はただでさえ愛が重い自覚があるから、できる限りそんな言葉を使いたくないんだよねぇ。無意識に発した言葉であっても、『恋人』って丁寧な言い方をした自分のことはほんの一ミリだけ認めても良い。


 これは前世から変わらない気持ちなんだけど、アリスにはあまり俺に執着しないでほしいんだよね。だって、大事な人ほど失った時に辛いでしょ。俺はいつ死んでもおかしくないと思って生きてきた。生い立ちもあるし俺の体は年々弱ってた。メンタル強い、なんて言うときもあるけど実際はとくと場合によるし、いろんな意味でいつ死んでもおかしくないと考えてたんだよ。


 アリス、俺が死んだ時に悲しかったと言っていた。愛されてる自覚はあるからまあそうだよねって思ったよ。それでも、俺がアリスの恋人じゃなければそんなに悲しまなかったんじゃないかな。

 悲しそうにしているところはあまり見たくない。笑顔にさせたい。俺はアリスにもらってばかりで何もしてあげられない。いつ見放されても離れることになっても仕方ないって思うよ。だからお互いのために俺は束縛したくないし、されたくない。俺の勝手な考えだからアリスに言おうなんて少しも思わないけどね。


 まあどんなに離れる準備ができていたとしてもアリスのことは愛してるし、俺から離れてあげることはできないからほとんど意味はないのかもしれないけど……

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