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【第2章完結】最強な精霊王に転生しました。のんびりライフを送りたかったのに、問題にばかり巻き込まれるのはなんで?  作者: 山咲莉亜
第2章 亜麻色の光

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99 言葉遊び

「セインくん? と、イレーナちゃん……?」

「あっ、えっとナギサ! き、気のせいじゃない!?」

「……なんでアリスが焦ってるの? 後ろめたいことでもあるのですか、お嬢さん」

「ありません!」


 絶対ある反応なんだよねぇ。イレーナちゃんはセインくんの婚約者候補らしいけど、それにしても珍しい組み合わせな気がする。あまり二人の絡みは見ない。まあ俺とイレーナちゃんが知り合ったばかりで見かけなかっただけかもしれないけど。


「後ろめたいことはないんだけど、お二人はデート中だと思うの。セイン様はナギサに会いたくないんじゃないかと思って」

「そっか」


 たしかにセインくんはそういうタイプな気がする。少し照れそうだよね。だとしてもアリスが焦る理由にはならないかなぁ……まあ良いや。


 なぜか俺と視線を合わせようとしないけど、アリスにはアリスの事情があるんでしょ。でも……


「誤魔化すならもう少し頑張りなよ、お嬢様。すっごく分かりやすいから」


 アリスも良家のお嬢様だったんだから、完璧ではなくても表情を取り繕うくらいはできるでしょ。


「深真は桜井と比べたら天地の差があるんですー。世界規模と比べたら全然良家じゃありません」

「はいはい、そうですねー」

「……馬鹿にしてる?」

「いや? 良家に変わりはないのに、自分が表情を取り繕うのが苦手なのを家のせいにするんだな、って」


 別にそんなこと思ってないけど、アリスが言ってほしそうなことを言ってみた。俺達にとっては遊びの喧嘩なんてコミュニケーションの一環で良くあることだし、このノリはお互いに慣れてる。言葉遊びだよ。

 それに、アリスが本気を出せば俺と同じくらい完璧な仮面を被ることができると俺は知っている。実際に何度もその場面を見てきた。


「ナギサも辛辣だよね」

「だって中途半端にしたらつまらなそうにするから」

「それはそうだけど。遊びでもナギサくんは余裕があるんだ?」

「誰それ」

「普通にナギサだよ? ……たまには新鮮で良いかも」

「俺は嫌だよ。くん付けで呼ばれることに慣れてないからか気持ち悪い」


 一瞬ぞわっとしたよ。『ナギサくん』なんて呼ばれ方してる自分を想像すると寒気がする。今までそんな風に俺を呼ぶ人はほとんどいなかったから。


 思わぬところに地雷があったね。そしてアリス、俺が嫌がったら意地悪な笑みを浮かべたのはなんでかな? ねぇ……

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