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【第2章完結】最強な精霊王に転生しました。のんびりライフを送りたかったのに、問題にばかり巻き込まれるのはなんで?  作者: 山咲莉亜
第2章 亜麻色の光

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92 意地悪

「良く覚えてたね、って当たり前だよ。だってその時のナギサは……」

「ん?」

「……何でもないよ。自分の好きな人の好きなことを忘れるわけないでしょう? それともナギサは違うの?」


 一応問いかけてる形だけど絶対俺の答え分かってるよね。ただ言いたいだけって顔をしてるよ。


「そういうものなの? 俺はアリスの好きなことなんて覚えてないなー」

「あ、そ、そう? ……まあ好きだからって絶対に覚えているとは限らないよね……」


 試しにちょっと意地悪なこと言ってみたけど、明らかに落ち込んだね。笑顔だけど一瞬悲しそうだった。これは俺が悪かった。


「アリス」

「……なに?」

「嘘だよ、俺がアリスの好きなことも物も忘れるわけがないでしょ。ごめんね? 可愛かったからちょっと意地悪しただけなんだけど、あまりにも悲しそうな顔するから」

「………ナギサの馬鹿」


 えー……なにその顔。人に馬鹿って言う時の顔じゃなくない? なんでそんなに嬉しそうな顔をしているんだろうね? 一瞬前の悲しそうな顔はどこにいったんだろ? 悲しんでいる姿が見たいわけではないけど。


「……なに」

「いや……可愛いね? ちょっとだけ顔が赤くなってる」


 なんだろうね。好きな子をいじめたいというより、『小動物を愛でたい』みたいな感情? 良く分からないけどとりあえず可愛いからそれで良いか。


「ナギサのその笑顔、馬鹿にしてるのか面白がっているのか分からないんだけど?」

「普通に真剣に言ってるよ? 俺が悪かったから怒らないで」

「別に怒ってないですし? ただ、いつもナギサばかり余裕があるようで悔しいだけですし?」


 なんで敬語? 悔しいっていうのは本当だろうな。別に……俺だっていつも余裕があるわけじゃないんだけどね。


 余裕があるように見せているだけであって、誰も余裕があるとは言ってない。でもさ、逆にいつでも余裕たっぷりな人っているの? 余裕がある人ってほとんどがそう見えるようにしているだけだと思うんだけど。


「怒ってるみたいな言い方じゃない?」

「……うん。私は怒っているので、ナギサは私の機嫌を取ってください」

「了解です」

「ふふ」


 妙な間があったのは気付かなかったことにしよ。怒っているとか言いながら嬉しそうなんだよねぇ……ただ構ってほしいだけなんだろうな。本当に一々可愛すぎるんだよね。俺、アリスと一緒にいる時は大体可愛いとしか思ってない気がする。


 なんていうか……片想いの期間が長かったからか、付き合い始めて結構時間が経ってるけど愛は増すばかり。両想いになったらなったで、片想いの時よりさらに好きになっていってるんだよ。末期だよね、これはもう。

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