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【第2章完結】最強な精霊王に転生しました。のんびりライフを送りたかったのに、問題にばかり巻き込まれるのはなんで?  作者: 山咲莉亜
第2章 亜麻色の光

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82 幼馴染は怖いね

 ルール変更が認められ、早速雅は魔法で攻撃を仕掛けてきた。魔法で戦うなら遠距離の方が有利だから当然の如く距離を取られる。そして結界を張られる。


 結界って実力にもよるけど基本的に壊れないんだよ。でもね、俺は壊せるよ。精霊王だからね。大精霊が張った結界を素手で壊せって言われたら苦労するだろうけど、結界はガラスのようなものだからコツを掴めば意外と簡単な気がする。


「……綺麗な顔してどんな握力しているんだ。もう壊れそうなんだが……」

「俺の攻撃を防ぐために結界を張るなら……そうだね、この強度の結界を五重くらいにしないと意味ないかな。握力に関しては人間離れした馬鹿力の雅にだけは言われたくないね」

「……うおっ!」

「よし、壊れたね。行くよー」


 結界が壊されたと焦った顔をしながらも至って冷静な目。俺は雅と戦う時、こういうところが嫌いなんだよねぇ。気さくな性格、ほんの少し軽薄そうな印象。外面だけ見るとそんな感じだけど中身はいつだって冷静。これは雅が強い理由でもあるんだろうけど、本気で焦ったことなんてないんじゃないかなー。表面上は焦っているように見えることもあるんだけどね……


 結界が壊れた瞬間、雅の背後に回って手刀を叩きこむべく首筋を狙う。致命傷じゃないなら大体のことは違反にならない、自由過ぎる勝負だからね。ちゃんとした試合なら一発で失格だったよ。


「………やっぱり気に食わない。でも俺とここまで対等に戦えるのは雅くらいだから楽しい、よ! ……っと」


 予想通りパシッと乾いた音を立てて、手刀が腕で防がれる。そのまま俺の手首を掴んで避けられないようにし、振り向いた勢いで回し蹴りを放ってきた。

 それを体を逸らして躱し、もう一度連続で蹴りを入れようとしていたので雅が動く前に膝で鳩尾に蹴りを入れた。一瞬顔を歪め、俺の腕を離した隙に身を捻って距離を取る。


「俺は一度で良いからナギサの余裕がない姿を見てみたいな。いつでも誰にでも、家族や恋人や友人にでさえ本心を隠すんだから、どれだけ本心を見せたくないのかとも思ってしまうが」

「んー? 俺がいつどこで誰に本心を隠してるって言うの? 俺は素直に感情を顔に出してると思うけど」


 どこかの誰かさんと違って。そうそう、こうやって戦ってる最中でも呑気に会話できるのも良いよねぇ。楽しいよ。実力が拮抗しているからこそできることだから。


「見た目だけだろ。どこまでも自然に表情を作る。お前にとっては大が付くほどの得意技だ。その演技に俺は惚れ込んだのだが。……心の中まで偽ることもあるんだろうが、俺達は演技かそうじゃないかの区別くらい付くぞ。完璧に分かるわけではないがそれでも長い付き合いだから基本的には、な」

「へぇ……幼馴染って怖いね」

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