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【第2章完結】最強な精霊王に転生しました。のんびりライフを送りたかったのに、問題にばかり巻き込まれるのはなんで?  作者: 山咲莉亜
第2章 亜麻色の光

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76 深真雅

「はぁ……? 嘘でしょ? ねぇアリス、まさかとは思うけど……」

「……うん。たぶんナギサが考えてることで合っていると思うよ」

「ナギサもアリスも、俺を仲間外れにするなよ」


 あーうん、信じたくない。気のせいだと思いたい。俺の予想が当たってたらおかしいからね!? 普通こんなこと起こらないから!


「どうしよ。俺が知ってる人にしか見えないんだけど」

「ナギサ、それは間違ってないでしょ」


 まあそうなんだけど、そうじゃなくて。エリオットくんのことはもちろん知ってるけど。


「あのさ、エリオットくん。今から俺が言うことが当たってたら右手、間違ってたら左手を貸して」

「それ普通は告白とかでやるやつだろ」

「細かいことは良いの」


 それは俺も分かってるから。握手するように手を差し出し、気のせいだと思いたいけど、気のせいではないであろうことを言う。


「エリオットくんは……(みやび)?」

「正解!」

「ちょ、抱き着かないでくれる!? やめ、ちょっ……!」

「良く分かったな、ナギサ!」


 本気でやめてほしい。エリオットくんの顔でその行動は。シルフ、エリオットくんの再教育をお願い! この人を今までのエリオットくんに戻してほしいんだけど!


「……雅。今すぐ離れないとぶっ飛ばす」

「やめろ。死ぬ」

「分かってるならやるな」

「冷たいな。せっかくお兄様と再会したのに」

「幼馴染なだけで兄じゃないでしょ。っていうか雅、なんで死んだの? 何歳で死んだの?」

「ストレートだな」

 

 当然でしょ? だって俺は知っているんだよ。雅に遠慮したら駄目だってね。遠慮したらすーぐ付け込まれる。この人は俺のことを実の弟だと思って接してくるし、シスコンでブラコンだからスキンシップが多いんだよ。好きか嫌いかで言ったら好きだけど、男にそんなことされて嬉しいかって言われると、それはまた別なんだよねー。


「俺は年齢とか死因とか、その辺りのことはあまり覚えていなくてな。ただ覚えていることもある。まずお前の弟である直人だが、あれは大物になるぞ。間違いなく歴史に名を残す。家を継いでどれくらい経った後のことかは覚えていないが、すでに大きすぎる功績を残していたな」

「それは当たり前でしょ。直人くんなんだから」

「直人だけじゃなくてナギサ、お前もだぞ? あらゆる世界で伝説になっていた」

「なっていた?」

「ああ、すでにな。佐倉凪が桜井渚だということはもう知られてる」


 えぇー……まあどうせ死んでるし良いけどさ。佐倉凪(さくらなぎ)は俺の芸能人としての姿だった。色々面倒なことになりそうだったから、本名や本当の姿は隠していたんだけどバレちゃったかぁ……

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