表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
【第2章完結】最強な精霊王に転生しました。のんびりライフを送りたかったのに、問題にばかり巻き込まれるのはなんで?  作者: 山咲莉亜
第2章 亜麻色の光

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

129/281

55 好奇心の赴くままに

「ナギサ……」

「アリス、俺は本当に大丈夫だよ。昔のことは別に怖かったわけじゃない。暗くて狭い場所は無理だけど、他のことはもう大丈夫。だから心配しなくて良いよ」

「うそ」

「じゃないよ。毒のことだって今なら治癒魔法が使える。俺はアリスが思うほど傷付いてはいないんだよー? これでもメンタル強いからね。もしこれ以上は耐えられないって思うことがあったならアリスに相談するよ。信じられない?」

「絶対だよ?」

「うん」


 アリスが俺の心を心配してることくらい知ってる。俺達は付き合いが長いからね。今の俺は無力じゃない。もう子供ではない。大抵の相手は返り討ちにできるだけの力を持っている。


 メンタルが強いっていうのはちょっと自分で分かることじゃないんだけど、まあ嘘も方便って言葉があるじゃん。だから適当に言っただけ。わざわざこれ以上心配させるようなことを言う必要はない。相談のことだって、俺が平気と言えば済む話だしねー。


「じゃあ部屋に戻る?」

「その前に、さっきの部屋どうなっているのか見て良い? 他にも何か仕掛けとかあったら面白いでしょ!」

「……今まで元気がなかったのは何だったのかな。好奇心旺盛だね」

「悪いことではないでしょ」


 元気のなさは言わなくて良いんだよ。ただ暗くて狭いところが駄目なだけなんだから。


「どうやって調べるの?」

「この部屋を一回壊す」

「壊す!? な、直せるの?」

「直せるよー」

「ここに勇者がいる……」


 勇者は好奇心で建物を破壊したりしないと思うんだけどねぇ? 行動力って意味かも知れないけど、どちらにしてもおかしい行動だという自覚はある。でも面白そうじゃない? 隠し通路や隠し部屋が集まっている空間だったりして。


「いくよ?」


 パシッと音を立てて扇を閉じると、同時に目の前の部屋だけが粉々になった。


「えー……」

「何もない、ね」

「さっきの隠し部屋はどこ行ったの? 魔法でも使って隠されてる? 面白いね……!」

「飽きないね、ナギサも。今のナギサはすっごく無邪気な子供みたいで楽しそう。いつもの腹黒さはどこに消えたのやら」


 聞かせる気があるのかないのか良く分からない独り言を漏らすアリスも、俺と同じように楽しそうにしてる。幼馴染は性格まで似るものなのか、それとも性格が似ていたから親しくなったのか……俺が言うのも何だけど、俺とアリスが本気で好奇心の赴くままに行動したら苦労人気質のルーが絶叫しそうじゃない?

ご覧頂きありがとうございます。よろしければブックマークや広告下の☆☆☆☆☆で評価して頂けると嬉しいです。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ