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ある転生者は少女の運命を「あれれ?ぼくなんかやっちゃいました?」

 ぺっぺ、まさか炎魔法をカウンターでぶつけられるとは思ってなかった。ちょっとした油断だな。

 それでもそんなにレベルを上げてないのかあんまりダメージは通らなかったけど。まぁ軽くヒールしたけど服とかが焦げちゃったのがおこポイントですな。


 で、軽く全回復して糞男となぶられてた女の子との間を遮るように立ちふさがる。ほんとこの子が焼かれなくてよかったよ。


「へー、まさか僕の邪魔をする女がいるとはねぇ……」


 と言いながらなんと舌なめずりをしたんだが、背筋になんか嫌な悪寒が走ったぞ。


「今ならまだ孕ませるだけで許してやるけど、後ろの穴人形こちらに渡してもらえるかなぁ?」


 うわー、こいつ俺を完全に女と勘違いしてやがる。まぁ格好もそうだし女顔だから仕方ないんだけど、言うに事欠いてこんな勇気のある子を穴人形呼ばわりだぁ?

 ……これはわからせが必要ですねぇ……なんてことを考えながら俺はここで初めてなぶられていた女の子を間近で見ることになった。



 ……ちょっと顔面偏差値高すぎやしませんかねぇ……



「だいじょうぶ? ここはおr……おねぇさんに任せて安全な場所へ」

「そんな! 助けていただいたお姉様をおいて私だけ逃げるなどできません! それにあいつは装備だけは一級品なんです。危険で……むぐっもぐっ!」

「はいはーい。それじゃ大人しく下がっておきましょうねー」

「お嬢様ー援護はいりますかー?」


 お、エリーとトトリが追いついてきたか! 女の人たちを非難させてくれるようだしこちらとしても気にせず済むのでありがたい。


 しかもトトリの援護はいるかって、あの口調だと魔法を見ただけで大体の実力を看破してるな。

 今の俺が相手しても一対一で問題はないと判断したらしい。どっちかっていうと応援? っぽいんだよな。まぁ油断して足元をすくわれないようにはしよう。


「なぜだ! なぜ僕の思うとおりに動かない! おい女! 今ならまだ謝ればお前にも至高の快楽を与えてやるぞ!」


「あ、お断りします。男は間に合ってるんで」


「なっ、なんだとー!」


 っていうかこいつ俺より弱いのにこのくらいの強さでも子作りできるのか……ああ、本人が弱くても周りが強ければダンジョンで探索することもできるからそういうこともあるのか。

 しかしそれで女達を満足させることができるのかな? こいつの独りよがりじゃねーの?


「クソ、クソ、クソ。バカにしやがって。お前は念入りに焼いたあと穴人形にしてやる!」


 そんな腐ったオネェ様方が喜びそうな展開は勘弁っと。ササっと近づいて……はーいこちらの攻撃範囲にはいりました。それでは必殺ー


「クリティカルスイング!」


 正式にはスマッシュなんだけどね。ロッドをゴルフクラブのような大きさに調節してスイング!


 グシャ!


 クリティカル! 急所にあたった! ……ん? 急所にあたった?


「キャー、私のクリティカルロッドちゃんに汚いシミがー!」


 うわー最悪だ。後で念入りに洗浄しておこう。糞男は泡吹いてピクピクしてるし一件落着。周りからもやんややんやの大歓声。


 手を降ってこたえてるとエリーとトトリといっしょに倒れていた人をかばっていた女の子もやってきた。なんで?


「リオkーーお嬢様、早く王都から離れたほうがいいらしいよ。そいつなんでも偉い人の息子でむっちゃ溺愛されてるらしくてこのままだと王都の出入りを封鎖されるかもしれないって」


「そうなんです、お姉様。あのいけ好かないお義母さ……ババアはホントうっとおしくておまけに私がそんなに重要な地位にいないからもらってやるだけありがたく思えって無理難題の嫌がらせを……」


 ……ヨヨヨと目頭を押さえながらディスる少女。はーこの世界にも息子離れできない母親っているんだねぇ……ってこっちのほうがそれは多いのか?


「それでお姉ちゃんとも話し合ったんだけど……リオ……この子としばらくパーティー組んでみない? ちょっと境遇があまりにも不憫で……」


「男の悪い部分しか知らないのは可愛そうだよ。ねぇ……リオ……だめかな?」


「先程は助けていただきありがとうございました。シルバーと呼んでください、お姉様。家にはもう戻らないつもりです。両親も顔を覚えてもらえてるかちょっと自信がありませんし……それよりももっと大切なものを見つけましたから」


 そう言って満面の笑顔で抱きついてくるシルバーちゃん。

 ん? シルバー? 確かゲームには背中に火傷痕があってシナリオを進めると元王家の出身とわかる魔闘士のシルバーってキャラがいたが……いや、まさかねぇ……


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