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ある転生者は少女の運命を「あれれ……僕なんかやっちゃいました……(震え声)」

こちら7/3地点の最新話となります

 で、そんな感じでワタワタしつつも俺達はあわただしくもながら王都を無事脱出した。


 検閲は夕方過ぎくらいから厳しくなるらしいんだが、それまでにはまだ時間があることもありしつこく調べられることもなく、すんなりと通ることができた。


 ただ、なんかね、覗き込んでくる人が俺を見てほわ~といった感じで顔を赤くして呆けてるの。見惚れてるとかないよね? 僕、男の子だよ?

 あ、このセリフは駄目だ。致される未来しか見えない。この世界、ふつうは衛兵も女の人だから問題ないっちゃないんだが、俺としては致されるより致したい方なんでね。


 いやーそれにしてもまさかシルバーちゃんが助けた親子が大手商会の経営者だったとはねぇ……助けたお礼に俺たちに裏ルートを教えてくれました。

 娘さんの方は脱出の途中の馬車の中で”いい匂い”って言って顔を俺の腕に擦り付けてきてたけどね。まぁ推定俺の半分も年を取ってない子だったんんでみんなほほえましく見てたけどねー。


 ……股間に擦り寄りそうになったときは流石に止めたけどね。


―――


 それで、王都から2つ3つ離れたダンジョンのある街で日もくれたので、母娘とは別れて俺達は用意してくれた宿屋へ向かった。

 至れり尽くせりで恐縮しそうになるが、娘ちゃんが別れ際に「大きくなったら迎えに行くからね!」と大きくなったら(僕が)(先に)(好きだったのに)になりそうなフラグを立てていてほっこりしました。

 もしかしたら僕じゃなくて私かな? いや、俺も人ごとじゃないんだけどね。


 宿屋では4人一部屋……ではなく幼馴染3人組とシルバーちゃんで別の部屋だ。

 まぁいくらこっちに引き入れたいとは言っても、まだ出会って一日も経っていない。その善性は信用しても良いとは思うがまだ時期尚早ということだ。

 しばらくこの街のダンジョンに一緒に潜って戦闘の相性も見る予定である。なんでも、天職を授かりたてらしいからね。


 脱出の馬車の中では、シルバーちゃんの実家での扱いとか聞かされたんだが、まぁ、ちょっと同情しちゃうね。絆されたわけではないが、パーティーを組むのに前向きになろうというものだ。


 そんなわけで、俺は食事の前に一1番風呂をいただいている。やたら1番風呂を進めてきた2人が俺のだしが湧き出た湯でナニをするかはあまり考えたくないところではある。

 それにしても、宿の1室に風呂が据え付けられているなんてかなりいい宿を紹介してもらえたもんだ。お湯からもほのかにいい香りが漂っているし、アロマセロピーっていうの? よくわからんが。


「はぁー、いい湯だなー」

「ホントですわ~。そして好きな人といっしょに入るお風呂がこんなに心がポカポカするものだなんて私知りませんでした!」


 突然聞こえてきた声に思わず後ずさる。……君、いつから潜んでたの? と疑問に思うのはそこにいたのが体にバスタオルを巻いたシルバーちゃんだったからだ。

 いやいやほんとに、どこから忍び込んできたのさ。


「それにしてもお姉さまって結構大胆なんですね。いくら一人だからって胸元を隠さないだなんて……まぁそれはそれでラッキーなんですが」


 最後のつぶやきは聞こえなかったが、俺はお風呂に入るときは股間を隠すのみの前世の男スタイルだ。この世界だと男でも胸元を隠すのは当たり前らしいので俺のことを好きな女の子たちからしてみればご褒美みたいに思えるらしい。


 対するシルバーちゃんは、胸元はしっかり隠しているが今にも零れ落ちそうで、危ういバランスを保っている。

 信じられるか? この子これで年下なんだぜ。エリーのことを思うと、(これが格差社会か)と思わずにはいられない。


 シルバーちゃんは俺の胸を見てもまだ女だと誤解しているようだが……まぁ、胸の大きくない女の人もいるだろうし、それになんというか……俺の体つきは男らしくないからなぁ……

 と自分の胸をもみもみ。もっとも俺に特殊性癖はないから、別段感じるものはない。


 ふとシルバーちゃんのほうに視線をやれば、顔を赤くしてこちらをちらちらと盗み見ていた。……この子むっつりだな。


「それはそうと、……こほん。昼間は助けていただきありがとうございました」

「いやいや、気にしなくていいよ。かわいい子、もといあんな非道の輩はほおっては置けないからね」

「そんな、かわいいだなんて……」


 そういってテレ始めるシルバーちゃん。

 い、言えない……ちょっとかわいい子が見えたから粉かけついでにかっこいいムーブがしたかっただけとは。あわよくば俺に惚れてくれたらなーなんて考えていたなんて。

 エリーは本当に俺のことをよくわかってらっしゃる。今夜は盛大にお仕置きしてやろう。


「それはそうと私感動したんです! ヤツに決めたお姉さまの一撃! どうしてあんなことに今まで気がつかなかったんだろうって!」


 そういってにっこりと微笑むシルバーちゃん。はて、あの糞男の戦いで気づきなんてあったかな?


「男ってあれが急所だったんですね! 私もグシャってつぶしてやればよかったんです!」


 シルバーちゃんはそんなセリフとともにお湯から突き出した拳で何かをつぶすジェスチャーをした。えっ? ちょっちょっと……尋常ではない殺気が込められてるんですが。


 なんかすごいことを言い出したシルバーちゃんは精神がトランスしているのか、何事かぶつぶつとつぶやいている。

 けどその内容が「男なんてみんな……」とか「やっぱり女は女同士で……」だとか何やら物騒なセリフが聞こえてくるんですけど!


「ちなみにお……私がもし男だったらどうするのかしら?」


 ちょっと興味本位で聞いてみた。


「そうですね、そんなことは万に一つもあり得ませんが……もしそうなら潰して女の子になってもらうだけですね! ええ、あり得ませんが!」


 玉がひゅんとした。


 俺はもしかしたらこれから付き合っていくにはとんでもない女の子を誕生させてしまったのかもしれない。


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