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第2話盗明外交会談

お久しぶりです。第2話になります。

第2話盗明外交会談

突如国土全体を震度5の地震が襲ったキッド社会主義共和王国連邦は国土の被害を調べるための軍による調査を進めていた。しかしその時ユーラシア大陸に面するはずの領土が何故か海に面していることを確認する。そのことで政府は最終的に自分たちの知る空間とはまた別の世界にやってきたと結論付けるほかなかった。その後新世界とも思われる転移先の世界を偵察中、謎の飛行物体による迎撃にあう。偵察を遂行していたSi-16AWACSは緊急で上空へと浮上。領空侵犯が行われたことを確認すると文明を確認することに成功する。これを知った王国連邦政府は新世界の文明との初の接触を試みるのであった・・・。


新世界暦1450年

この年は新世界から見ても歴史に残る年となることは間違いなかった。それもそのはず突如地図上になかったはずの新興国家があらわれたのだ。これは世界中を混乱に陥れるのに十分すぎるほどの材料であった。そんな新興国は最初にこの世界の中でも中小国のランクの下の方に入るメイリスト公国と接近したという話はより世界を混乱に陥れるのには十分であったが、新興国というだけあって世界はこの国家を侵略しようとしているのであった。そんな中メイリスト公国の沿岸都市ヴォルデーンにて歴史に残る外交会談が始まろうとしていた。


ニッチェル外務大臣「はじめまして、ようこそメイリスト公国へ。」

黒羽啓斗王国連邦外交官「はじめまして。本日は急にもかかわらずこのような会談の場を設けてくださったことを大変感謝いたします。」

ニッチェル外務大臣「かまいません。それより先に我々が聞きたいのは貴国の飛行機械が我が国の領空を侵犯し飛行を行ったことについて伺いたいのですが、これはどういった意図なのか詳しく説明を願いたい。」

黒羽啓斗王国連邦外交官「その件についても説明させていただきます。まず我がキッド社会主義共和王国連邦は先ほど臨検を受けた際にも説明を行わさせていただきましたが突如この世界にやってきた転移国家であり・・・」

???「何が転移国家だ!いい加減にしろ!」


突如として声を上げたのはニッチェルと常に仕事を共にしているフィメイン副外務大臣であった。


フィメイン副外務大臣「そんなあり得んことを言いおって!何が転移国家だ!そんなバカなことあるか!どうせ連合王国の手先の連中なんだろうに!」

ニッチェル外務大臣「やめないか!フィメイン!ここは外交会談の場であるぞ!」

フィメイン副外務大臣「黙れ若造!わしは最初からおかしいと思っていたのだ!こんなバカな話あるわけないとな!」

黒羽啓斗王国連邦外交官「フィメイン副外務大臣と申しましたでしょうか?私共といたしましても今回の件はあり得ないとは考えていたのですがどうもそうしないとつじつまが合わなくなってしまいまして、今回の領空侵犯の件にてそれを確信した次第であります。」

ニッチェル外務大臣「なるほど、それではあなた方は転移後に世界情勢を把握するためにあのような行動をとったと。」

黒羽啓斗王国連邦外交官「おっしゃる通りでございます。我が国は貴国に対して一切の敵意はないと断言いたしましょう。そのうえで貴国にお願いがございます。」

ニッチェル外務大臣「願いですか・・・?申してください。」

黒羽啓斗王国連邦外交官「ありがとうございます、先の偵察により貴国には潤沢な農業資源や貴国の隣国と思わしき地域には"油田"とみられる場所があることを確認いたしております。そこで貴国の潤沢な資源を我が国へ輸出していただけないでしょうか?」

ニッチェル外務大臣「なるほど・・・具体的にどれほどをでしょうか?」

黒羽啓斗王国連邦外交官「月間換算でこれほどなのですが・・・」


黒羽はニッチェルに対して自国から持ち寄った書類を見せる。その中には確かに生産は追いつくのだがどうやっても運搬が追い付かない量が書かれていた。しかも中にはこの世界には存在しないようなものまで含まれておりニッチェルは困惑と同時に焦りが垣間見えた。


ニッチェル外務大臣「なんと!?ここまでの量をですか!?」

黒羽啓斗王国連邦外交官「はい、我が国には現在人口が25億人以上存在します。その中で国民に潤沢な食料を滞りなく渡すにはその量がどうしても必要なのです。」

ニッチェル外務大臣「確かに生産は追いつきますが・・・残念ながら我が国にはこれほどの量を一度に出荷するよな技術は存在しませんし、なんなら我々が知りえないような物品も存在します。例えばこのガラナとやらはいったいなんなのでしょうか・・・」

黒羽啓斗王国連邦外交官「なるほど・・・でしたら一度我が国について知ってもらうための映像素材を持ち寄りましたのでどうぞ、ご覧ください。」

ニッチェル外務大臣「なんと!?魔法投影技術ですと!?しかも・・・ここまで豊かな色彩を!?」

黒羽啓斗王国連邦外交官「・・・魔法技術については我が国は有しておりませんがこれは実際プロジェクターとスクリーンになりますね。」

ニッチェル外務大臣「ほう・・・?貴国には魔法技術がないと?」

黒羽啓斗王国連邦外交官「はい、これはすべて機械技術でございます。」

ニッチェル外務大臣「機械技術だと!?それでここまで!?」


ニッチェル外務大臣は明らかにあっけにとられ動揺していた。それはフィメイン副外務大臣も同じだった。先ほどかなり無礼な言動を取ってしまっていたがここまでの技術力の国であることを確認し、下手に刺激すると連合王国以上の敵を作りかねないと動揺していたのだ。そしてキッド社会主義共和王国連邦を詳しく説明するためのビデオが流れ始めた。そこには巨大なビル群から鉄道や車などの交通技術、水道やガスなどのライフラインなどといった様々な説明が行われていた。


ニッチェル外務大臣「・・・なんなんだこの国は・・・」

フィメイン副外務大臣「か、彼らの技術力は本物だ・・・彼らが味方に付けば先ほどの輸出問題も一瞬で解決してしまう・・・


そしてその後とあるものの説明が始まった。その説明にニッチェル外務大臣はくぎ付けとなる。その映像の最初のタイトルにはこう書かれていたのだ。"キッド社会主義共和王国連邦、王国連邦王立革命赤軍について"と・・・。


ニッチェル外務大臣「王国連邦王立革命赤軍というのは貴国の軍のことでしょうか?」

黒羽啓斗王国連邦外交官「おっしゃる通りでございます。我が国を防衛する要となる軍隊のことであります。」

ニッチェル外務大臣「貴国の領空侵犯をしてきたものなどについても説明はあるのでしょうか?」

黒羽啓斗王国連邦外交官「はい、軍の構成から各種兵器についての説明もございます。ご覧ください。」


その後王国連邦王立革命赤軍についての詳しい説明が始まった、そこには総兵力や主要兵器、軍の構成など、王国連邦政府が公開できる情報が全て載せられていた。


ニッチェル外務大臣「嘘・・・だろ・・・」

黒羽啓斗王国連邦外交官「いかがでしたでしょうか?以上が我が国に対する説明でございます。」

ニッチェル外務大臣「いや・・・あっけにとられるばかりでございました・・・」

フィメイン副外務大臣「わしも認めたくはないが貴国の技術力は高すぎる・・・。先ほどの発言のご無礼、お許し願いたい」

黒羽啓斗王国連邦外交官「大丈夫です。気にしてませんから。そこで我が国としては物資輸出の件を飲んでくださるのであれば先ほど見せた各種技術を貴国に提供することをお約束いたします。」

ニッチェル外務大臣「なんと!?それは本当ですか!?」

黒羽啓斗王国連邦外交官「はい、それとプラスで貴国とは国交を樹立しようとも思っております!」

フィメイン副外務大臣「こ・・・これなら連合王国にも対抗できるかもしれん・・・」

ニッチェル外務大臣「やめぬかフィメイン!その話は今はしまえ!」

黒羽啓斗王国連邦外交官「連合王国・・・?詳しくお聞かせ願えますか?」

ニッチェル外務大臣「・・・わかりました・・・現在我が国は隣国であるシベルスク王国と友好関係にあります。しかしここにフィルメッド連合王国というもう一つの隣国が武力をもって我々を制圧しようとしているのです・・・。これにより国境部は常に緊迫状態、国民も不安に駆られており、最近ではフィルメッド側が国境に軍事力を増強しているようでさらに大きな脅威となっております・・・。」


この話は黒羽をはじめとする王国連邦側には教学しかないような話であった。黒羽たちは悩むことになる。そして一度本国と通信を行うことにした。


黒羽啓斗王国連邦外交官「なるほど・・・一度本国と連絡を取らせてください。」

ニッチェル外務大臣「かしこまりました。」


黒羽は一度近くの港湾の沖合にいる聯合艦隊の下に戻り軍用無線を借りて政府と通信を行った。そしてその通信は国王の下に届く。国王はメイリスト公国の情勢を知るとすぐにとある返信を行った。その返信を受け取った黒羽は国王陛下に対する謝礼と忠誠を述べ再び会談の場へと戻った。


黒羽啓斗王国連邦外交官「お待たせいたしました。」

ニッチェル外務大臣「随分と長かったですね」

黒羽啓斗王国連邦外交官「申し訳ございません、聯合艦隊まで戻りましたもので・・・」

ニッチェル外務大臣「なるほど、かまいませんよ。それでいかがなされたのでしょうか?」

黒羽啓斗王国連邦外交官「貴国の現在の情勢を国王陛下にお伝えしたところとある返答がかえってきました。」

ニッチェル外務大臣「なんと!?国王までに!?それで・・・返答は?」

黒羽啓斗王国連邦外交官「はい・・・我がキッド社会主義共和王国連邦は貴国との国交締結が確約されるのであれば貴国との軍事同盟を同時に締結し、貴国の安全のために尽力することを惜しまない。とのことです。」

ニッチェル外務大臣「なんと!?」

フィメイン副外務大臣「それは大変ありがたいぞ!」

黒羽啓斗王国連邦外交官「しかし一つ条件がありまして・・・」

フィメイン副外務大臣「なんじゃ?」

黒羽啓斗王国連邦外交官「軍事同盟を締結する際にはシベルスク王国との国交締結について貴国が協力を確約した時のみとする。とのことで・・・」

ニッチェル外務大臣「それなら我々にお任せください!軍事同盟を締結までしてくださるのであれば喜んでお受けいたします!」

黒羽啓斗王国連邦外交官「ありがとうございます!それではこれで国交締結の意思は互いにあるということが認められました。つきましては首脳同士による国交樹立宣言を発表させていただきたいので貴国の首脳に我が国にお越しいただくことは可能でしょうか?」

ニッチェル外務大臣「かしこまりました、首相に伝えます」

黒羽啓斗王国連邦外交官「ありがとうございます。」


その後王国連邦首都kidグラードにて盗明国交宣言が発布され正式に国交が締結された。またそれと同時に盗明軍事条約が締結され正式に両国に相互安保が締結されたのであった。その後メイリスト公国の働きかけによりシベルスク王国との国境の樹立にも成功。またこの場でも軍事同盟を締結するに至った。その後王国連邦は両国にある提案をし、両国ともこれを承認。その提案とは・・・


盗・明・志三国を初期加盟国としてイメーワ同盟条約機構を結成することであったのだ。こうして新世界には新陣営が樹立されることになる。がしかし連合王国は烏合の衆と判断・・・。暗雲が立ち込めることになるのであった・・・。


フィルメッド連合王国首都ジンフォルス

フィールメイン2世「ショベロフよ・・・時は満ちた・・・そうだな?」

ショベロフ右大臣「はい、国王陛下、いまこそ我々の総力を挙げてシンデルメント大陸を統合すべきでございます!」

フィールメイン2世「そうだ!今回はガルォマンア帝国の支援があるのだ!我々には勝利が約束されたも同然!さあ、王国軍に命令する。大陸を我らの者にせよとな・・・」


第2話終

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