病院
僕の名前は大空翔。
29歳のニートです。
29歳にもなってニートなんかして、と世間は思うかもしれませんが、僕は18歳の時にパン工場に就職したのですが、クローン病という病気を診断され、工場を退社し、その後はバイトを転々としていましたが、去年から痛みが強くなったので、バイトも辞めニートになった訳です。
さらに先月から父親の仕事の都合で転勤となり、この町に来たわけです。
今日は前の病院から紹介された病院に初めて通院に来ました。
ただ今日から通院する病院の名前がクローン病院とふざけた名前です。
クローン病院……
「すいません。今日からこの病院に通院になった大空です」
「いらっしゃいませ!」
いらっしゃいませって…確かにいらっしゃったけど…
とりあえず僕は紹介状を渡した。
「紹介状です」
すると受付の女性はこう言った。
「今度はカッコいい男性を紹介してください」
何言ってるんだこいつ…
「大空様、保健所はお持ちでしょうか?」
「(保健所?聞き間違いかな~きっとそうだ)」
僕は受付の方に保険証を渡した。
「大空様、これではなく保健所です」
「そんなもの個人で持っている奴いるか!」
ついつい大声を出してしまった。
するともう一人、ベテランそうな女性の方が来た。
僕は彼女に説明した。
「すいません。彼女はまだ新人でして」
「いや、新人じゃなくても分かるでしょう」
「あと、大空様お手数ですがこちらの方をご記入ください」
「はい…大丈夫か?ここの病院…え~とまず名前と生年月日、住所と電話番号、職業は無職と」
1:おタバコは吸われますか?
「すいません」
2:乳首は吸いたいですか?
「はあ?いやそりゃ男だから美人の人のなら吸いたいけど…てかなんの質問?」
僕はとりあえず空欄にしておいた。
3:タバコ、タマゴ、タバスコ、バタ子って名前が似ていると思いませんか?
「(なんだこの質問…)」
僕は受付の事務の人に聞いてみた。
「一応決まりなのでご記入お願いします。ほら他のお客様は皆書いていますよ」
お客様じゃね~よ
てか、勝手に他人の情報を他人に見せるなよ
だが、皆書いているようだから、僕も仕方なく続きを書いた。
4:職業のところで無職と書いた方、仕事する気ないんですか?
どうでもいいだろう…
A:18歳の時にパン工場に勤務していたが、クローン病と診断されたからその後はバイトを転々として、現在は調子が悪いから働きたくても働けないだけです(怒)
これでいいだろう。
次は?
5:ジャッキー・チェンの映画で一番好きな作品はなんですか?
「関係ね~だろう!」
と言いながらも、ポリスストーリーと書いてやった。
6:次の質問はどうでもいいんで、答えたい人は答えればいいぜ!
「何で上から目線」
じゃあ、どうでもいい質問するよ。あなたは何か食事制限などがあるか?ついでに飲んでいる薬があったら、書いてちょ。
「大事な質問だろう。むしろ今までの方がどうでもいい質問だ!」
とりあえず書き終えたので、受付に渡した。
「こちらが診察カードです。あとこちらが診察番号になります」
「どうも」
「では消化器内科のゴミ…いえ、53番の前でお待ちください」
「いまゴミっていたよね」
僕は53番の部屋の前に向かった。
「ここか。医師の名前は、愛上夫?って読むのかな?名前なのか?」
音が鳴り、診察番号が点字された。
「俺の診察番号何番だったかな」
診察番号の紙を見ると4274…俺に死ねってことか!
とりあえず僕の番号だったので、入室した。
「ゴホゴホッ…お、おおぞら…かえるさんですね?」
「いえ、かけるです(おい~!医者の方が重傷じゃね~か。すげ~よぼよぼの爺さんなんだけど)」
「あれ?お蕎麦屋さんでしったけ?」
「誰がお蕎麦屋だ!大空翔。紹介状に書いてあるでしょう」
「はあ~?お蕎麦にかけるスープ?うちはラーメン屋じゃないんで、ラーメンは…無理です…ゴホッ!寿司屋は病院を出て右ですじゃ」
「ラーメンなんか頼んでね~よ!てか寿司屋はさらに関係ないから」
完全なヤブ医者だ!
「先生、生時さんの様態が」
「な、なんじゃと!?大変じゃ!ちょっと失礼します」
なんだかんだ言っても信頼されているようだし、大丈夫かなと思うことにした。
しばらくすると先生は戻ってきた。
「ラーメンお待たせしました…ゲホゲホッ」
「おい~!あんたどこ行っていたの?患者の様子見に行ったんじゃね~のか?」
「だってお皿さん、ラーメンを頼まれたから…うちはね~結構こだわりがあるラーメンですじゃ」
「だからラーメンなんて頼んでいないから、しかもただのカップラーメンじゃないか!」
「ただじゃありません。650円です」
「そういう意味じゃね~よ。しかもその辺に売っているカップ麺が650円ってぼったくりじゃね~か。てか、この病院自体ぼったくりだ」
「まだ、診察終わっていませんよお雑煮さん」
「こんなところにいたら殺されるから帰る。あと、さっきから名前間違っているから…しかも全部人の名前じゃね~し」
「ハアハア…まあまあ…えっと…宇宙人と戦って、大けがして、検査したら…ハアハア…心臓病だったということですよね。胸が苦しい…ハアハア」
「はあ?(心臓病はお前じゃね~?)」
「ハアハア…ま、まあ、20年後の…ゴホッ…み…未来からイケメンの戦士が薬を持ってくるから、それを処方しましょう…ハアハア」
おい~!ドラゴン〇ールとごちゃ混ぜになってるぞ!
てかアンタ自身誰かに見てもらえ!
終




