仮面マン
僕の名は永井達也。
高校一年生です。
ある日僕が散歩をしていたら、堤防で一人の老人に声をかけられました。
「少年よ今の荒んだ時代を変えてみんかね?」
「はあ・・・」
「ワシには分かる。お前さんは正義感の強い少年じゃ。だから君に、この変身ベルトをあげる。今ならワシの特製携帯ストラップがついてくるぞ!」
「(なんだこのジーさんは)」
「これはワシが作ったベルトじゃ。これでワシの言うとおりにすれば、君は正義のヒーローになれる。これで世を乱す悪人を退治してくれ」
「スイマセン。僕忙しいので・・・」
僕が帰ろうとした時、老人が突然苦しみだした。
「ワ、ワシはもう長くない・・た、頼む・・」
僕は仕方なく老人の言うとおりにしました。
それにもし本当にヒーローになれたらカッコイイし・・・
「分かりました」
そう言うと老人は、元気になりました。
完全に騙されました。
「まず変身の仕方じゃ。加藤ちゃんペッをし、アイーンをして、最後にコマネチをするんじゃ」
「・・・・」
「早くせんか!」
仕方なくやることにしました。
そして、本当に変身する事が出来たのです。
だが、何故かスーツの色はピンクで、しかもミニスカート・・・
この老人の趣味が分かった気がします。
「よしいいぞ!ここで決めのセリフじゃ。亀は噛めんよ仮面マン参上じゃ」
もうやけくそです。
「亀は噛めんよ仮面マン参上!」
「いいぞ!まず武器の説明じゃ。ベルトに差してあるのが仮面ソードじゃ!」
「・・・あの、これただの木刀じゃ・・」
「心配ない。剣の修行に励めば威力は増す。次にバトルスーツの説明じゃ。どんな攻撃でも、気合いがあれば耐えれる。殴られても耐えるんじゃ。」
「ちょっ・・意味ないじゃんか!」
「うるさい!最後に仮面レーザーガンじゃ」
「こ、これはちゃんとした形をしている。もしかしたら、これだけはまともな武器かも」
「いや、ただのオモチャじゃ。音がいろいろ変わるから、それで相手を脅かせ」
「・・・・」
「おっと、乗り物を忘れていた。ちょっとまっとれ」
しばらくして、ジーさんがバイクに乗って帰ってきた。
「カッ、カッコイイ!これもくれるんですか?」
「ああ、ただし、改造車だから警察に見つかると大変じゃ。しかも盗難車じゃ!」
この老人のほうが、世の中を乱してる気が・・・
「さて、ワシは水戸黄門を見に帰るか」
「待て!」
「何じゃ?」
「やはりアンタも世を乱す悪人・・よって、天誅!」
「ぎゃ〜、助けて〜」
こうして、僕のヒーローとしての活躍が・・・終わりました。