転生2
あなたは前世の記憶がありますか?
○月×日……
この日、山井出真太という16歳の少年が病で死んだ。
そして少年の魂は黄泉の世界へ……
真太
「なんか前にも来た事があるような……デジャブかな!?」
閻魔の裁きを受けるため、彼は列に並んだ。彼は3番目で、2番目の死者の魂はアメリカ人男性で、名はガイ・ジーンだ。
そして1番目の魂の裁きが始まった。
六十代くらいの日本人男性で、名は金田増蔵という。
閻魔
「金田、お前は多くの人からお金を騙し取った。よって地獄行きじゃ!」
金田は青鬼二人に連れたれて、地獄へ連行された。
閻魔
「次は、……ん?アメリカ人か」
真太
「(そういえば死んだ人はここで裁かれるのだから、いろんな国の人の魂が来ているんだよな~閻魔様は地球中の全ての言葉が話せるのか。すごいな~)」
閻魔は閻魔帳を開き、ガイの名を読み上げようとした。
だが……
閻魔
「GUY、グ、グワイ、JEAN、ジ、ジェイアン……あっ、ジャイアンだ!カモン、グワイジャイアン」
鬼
「閻魔様、彼はガイ・ジーンという男です」
真太
「(おい~もしかして英語が分からんのか!今までどうやって他国の死者を裁いてきたんだ!)」
閻魔
「ゴホン……え~ガイ・ジーン。アナタハ、ニホンゴワカリマスカ?」
真太
「(何で急に片言の日本語になるんだよ)」
閻魔帳にはガイのことは全て英語で書かれていた。
閻魔
「……おい!ちゃんと日本語に訳してから渡せよ」
鬼
「スンマセン。まだ出来てないみたいです」
閻魔
「しょうがね~出来るまで、現世に戻して、幽霊となってもらえ」
鬼
「はい」
真太
「(え?幽霊って裁きを待っている死者の魂だったの?)」
閻魔
「次、山井出真太」
真太
「は、はい」
閻魔
「お前は16歳という若さでこの黄泉の世界へ来た。お前の事を閻魔帳で調べたが、おまえ自身の中で重い罪といえば10歳の時にお菓子を盗んだことくらいか」
真太
「あ、あの時は考えが幼稚で……」
閻魔は真太の顔を鋭い目で睨みつけた。
真太は閻魔の威嚇に目を逸らした。
そして震えながら彼はこう言った。
真太
「僕には夢がありました。パイロットになって鳥のように大空を羽ばたくという夢が……」
閻魔
「まあ、お前の犯した罪はそれほど重くはない。新たに生まれ変わり、来世で幸せになるがよい」
真太
「そ、それでは……ん?待てよなんかこの光景前にも経験したな~最後はゴキにされて……」
閻魔
「どうかしたか?今ちょうどゴキブリがやっている最中だ。お前の魂をこのゴキブリの精子に」
真太
「(やっぱ!ゴキにするつもりだったかよ!ここはちゃんと言おう)鳥のようなじゃなく、鳥になりたいです!ちり取りとかじゃないですよ」
閻魔
「分かった」
そして時は流れ……
彼の魂が入った卵が誕生した。
後は卵から出る日を待つだけだ。
だが、その卵はスーパーへ……
そして卵焼きにされ、彼は再び黄泉へと戻っていった。
めでたし、めでたし