殺人事件
○月×日……
この日の夜、男と女が殺された。
男性は愛上夫年齢32歳で職業は会社員。
女性は柿クケ子。年齢は29歳で職業はキャバ嬢。
事件から5日後……
事件現場の近くには最近、幽霊が出るという公園があった。
今から半年くらい前……
公園内にはダンボール箱でできた家があった。
そしてそこに住んでいるのが、ゲンさんという67歳の無職の男性だった。
ゲンさんは最近腰を痛めていた。
ゲンさんの楽しみといえば、公園に落ちているエロ本を集める事だった。
事件と何の関係があるのだろうか?
ゲンさんはこう言った。
「作者はアホだ」
エロ本を読みながらそう呟いた。
ゲンさんまだまだ寒い日が続きますが、これからも元気で暮らしてください。
作者のアホ生時からの励ましの言葉である。
だが、次の日にゲンさんは空に羽ばたいた。
最期の言葉が「銀○のパロディはいつ書くんじゃ!」であった。
それ以来この公園で幽霊となり、エロ本を集めていた。
それから半年後にあの事件が起きた。
例の公園ではゲンさんはダンボールで生活し、生前と変わらぬ生活をしていた。
だが、その公園に新しくダンボールで生活している女性がいた。
彼女の名は神谷麗。
半月前に幽霊になった女性だ。
年齢は28歳。
職業は生前の頃はOLで、現在は無職いわゆるニートというヤツだ。
そんな彼女の家に警察が3人現れた。
「神谷麗、殺人容疑で逮捕する」
「な、何でですか?」
という彼女はどこか挙動不審であった。
警察は手錠をかけようとするが、幽霊であるためかけることが出来ない。
仕方なくそのままパトカーに乗せ連行した。
取調室……
「お前がやったんだろう!」
と、怒鳴る若い刑事。
「おいおい、そう怒鳴るな」
といってきたのは50代の刑事。
「まあ、カツどんでも食べなさい」
というが、幽霊なので食べる必要がない。
そのため食費はかからない。
「アンタと愛上夫は恋人で婚約まで交わしていた。だが、愛人がいることを知りアンタは二人を殺した」
「し、知りません。あの人とはもう前に終わっていましたから」
「嘘はいかんよ。このままじゃ地獄に行って閻魔様に下を抜かれるぞ」
その言葉に女はビクッとした。
「アンタにもお袋さんがいるだろう」
「はい……天国で暮らしています」
女の目から涙が流れた。
そして……
「私がやりました。憎くてそれで自殺をし、呪い殺しました」
と白状した。
そして時は流れ……
裁判官は
「男性に裏切られた事は同情するが、罪のない女性を呪い殺し、さらにあなた自身も呪い殺すため自分を殺した。あなたを含めて、あなたは3人もの人間を殺害した。よって死刑」
彼女は死刑を言い渡された。
だが、死んだ人間を死刑に出来るのか?
裁判はやり直しになった。
そしてこの世では罪を償わせるのは無理と判断され、彼女は地獄行きとなった。
こうして事件は解決した。
ゲンさんは一体何しに出てきたのだろう。
目撃者でもないし、この事件とはほんとに関係のない幽霊だった。
だが、元気にエロ本を集めていた。
さらに最近幽霊になったユウさんは、求人雑誌で仕事を探していた。
「不景気だからなかなか見付らない」
といっているが、その前に幽霊を雇う会社なんてあるかよ!