魔法使いの恋愛物語
私の名はマリー、25歳・・・
実は私、3年前に魔法の国から人間界に来た魔法使いです。
人間界での私は、愛野麻里という名前で、普段は古本屋でアルバイトしています。
もちろん、誰も私の正体を知りません。
「ま、麻里さん・・・」
今、話しかけてきたのは、バイト仲間で、内木勇気、私はユウちゃんと呼んでいます。年は私より2つ下です。
見た目は、男の子というより女の子って感じかな。
私が3年前にこのお店に入って、その2ヵ月後に彼が入ってきたの。
内気でおとなしいけど、優しくて真面目な男の子。
私にとって、かわいらしい弟のような存在かな。
「あ、あのバイトが終わったらカラオケにでも行きませんか?」
「いいわよ」
他のバイトの人達も誘ってけど、皆用事があるため、結局二人で行くことになりました。
カラオケというのは、私の国には無かったけど、これがけっこうストレス解消になります。
「あ〜、すっきりした。」
「麻里さん」
「何?」
「ぼ、僕、なんのとりえも無いけど、でも貴女のことが、す・・好きです!もし良かったら、付き合ってください!」
さすがに驚きました。
彼のことは嫌いじゃないのですが、私は魔法使い・・・
本気で付き合うなら、隠し事はしたくありません。
「ありがとう。ユウちゃん。すごく嬉しいわ。でも私、普通の女の子じゃないの」
「どういうことですか?」
「私、魔法の国からこの世界に来た魔法使いなのよ」
「ほ、ほんとですか?」
「ホントよ。私は人間界に興味を持ち、そして3年前にこの世界に来たの」
ふと見ると、私たちの前にケガをした猫がいた。
「これくらいの傷なら私の力でも治せるわ」
普通の人間の前で魔法を使ったのは、これが初めてです。
「にゃ〜」
「よしよし。もう大丈夫だからね〜」
「ホントに魔法使いだったのですね」
「そうよ。こんな女と付き合える?」
「はい!僕は、麻里さんが好きです」
彼の目は本気でした。
「でも、ちょうど良かったです。」
「何が?」
「僕もここの世界の人間じゃないので・・」
「どういうこと?」
「僕、遠い星からこの地球にやって来た宇宙人です。」
「ウソだ〜」
「ホントですよ。僕はこの星に興味を持ち、そして3年前にこの星に来ました」
「・・・・」
「ふと見ると、僕たちの前にケガをした人面犬がいますよ。」
「い、いつの間に・・・」
「これくらいの傷なら、僕の星の科学で治せます」
「何・・あの見たこともない道具は・・四次元ポケットでも持っているのかしら・・・しかし、宇宙人が人面犬の傷を治すなんて・・・」
「地球で僕の星の道具を出すのは、これが初めてです」
「ほっといてくれ」
「よしよし。もう大丈夫だからね〜麻里さん、人面犬って、ほんとに喋るんですね〜」
「・・ホ、ホントに宇宙人だったのねぇ」
「はい!これで僕と付き合ってもらえますか?ちなみに私の本名はエイリ=アントニオ・スペース・ビックバーン・ラララマン二世です」
「・・や、やはり住んでる世界が違うのでお断りします」
まさか私が驚かされるとは・・・