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第3話 二又の猫

第3話です。前からずいぶん期間が空いてしまいましたね。

 「あ、あ、あぁぁぁ....。」

拓真はあんぐり口を開けたまま、情けない声を出した。

 クルリと猫が振り向く。

「何ボーっと突っ立てんの!戦う気がないなら邪魔にならないよう隠れてなさい!!」

 少し、怒ったような口調でそう言うと、猛犬たちの方へ向き直った。


 「どーしたんだい?かかってこないの?もしかしてアタシが怖いのかな?」

 少し様子を見ていたようだが、今の言葉が効いたのか、真ん中の一番大きな犬が、猫に飛びかかった。


 「グオォォォォ‼︎」


その鳴き声に合わせて周りの奴らも動き出す。


 「5対1か。こっちはこんなに可愛い子猫ちゃんだってのに手加減する気はないのかねぇ。」


 そう言うと、猫はぴょんっと飛び上がり、右から迫り来る2匹を2本の尻尾による回し蹴り(?)で吹っ飛ばした。


 「キャオンッ!」


 2匹の犬が甲高い声を上げる。

 そして、そのままの勢いで真ん中の一番でかい犬にもタックルを仕掛けた。


 「グッ...!」


 それを見た残りの2匹はこりゃ敵わんと悟ったのか、逃げ去ろうとした。


 「アハハハハハ、逃がすと思ったの?」

そう言うと、猫は日本の尻尾を前に突き出した。


 「瞬火またたび...。」

 すると、尻尾の先からブワァと炎が上がった。


 後ろを振り返った犬たちは、ギョッと目を見開いた。そして、必死の形相で、森の奥へと駆け抜けようとする。

 

 「逃がさないよ、アンタら。歯ァ食いしばっときな!!!」

そういうと、猫は今や直径2m程になった火の玉を犬たちに投げつけた。


 「アギョェェェエ!」


 1匹の犬の悲痛な叫びと強烈な爆音が森中に広がった。

 ...て、ん?1匹?


「チッ、逃がしたか...。」

猫が悔しそうな表情で森の奥を眺めている。

どうやら片方の犬が、盾となったことで、もう1匹は助かったようだった。


 と、ここで拓真は本来の目的を思い出した。

「えーと、ちょっといいかな?あー、ルーさん...だっけ?」

「あん?アタシのこと言ってんの?だったらアタシはルーじゃなくて、ミンよ。というか、アンタ喋れたの?」

「あ、ミンさんって言うのか、いや、君の飼い主はルーって言ってたからさ。それでつい...ね。あ、俺の名前は鏡 拓真。よろしくね。

て、名前なんてのはどうでも良くてさ、ミンさ...」

そこで、猫にいちいちさん付けも変かと思った拓真は一度言い直した。


「...ミンはこの森から出る方法を知らないか?俺は飼い主さんに君を連れて帰ってきて欲しいって頼まれてここにきたんだけど、帰り方がわかんなくなっちゃってさ。」


「知らないね。アタシも絶賛迷い中なのよ。

それよりアンタ....拓真って言ったかい?さっきアタシの飼い主がどうこうって言ってたね?」

「え...あ、あぁ。」

「それってもしかして、アンタみたいなナリした女のことかい?」

「いや....うん、まぁ二本足という点では同じかな。」

すると、ミンは急に毛を逆立てると、大声を上げた。

「アイツがアタシの飼い主だって?ふざけんな!

あんのクソ女毎回毎回クソみたいな飯出しやがって...愛情たっぷり♡みたいな感じで魚の骨出してくんだぞ!アタシゃテメェの残飯処理機じゃねぇってんだよ!」

「そ、そうか...。」

あまりの怒り様に拓真は圧倒される。


「て言うか!アタシは1匹狼だから‼︎誰の下にもつかないから!!!人間の下とかもってのほかだから‼︎」

 (いや...猫じゃん)

拓真は心の中で呟いた。


 「まぁまぁ飼い主さんも心配してたよ?」

「知るか!アイツなんざ、アタシには関係ないよ!」

「でも、ホント心配してたよ。ミンちゃんがいないともう無理だって。」

「ふ、フン!知らないね!」

「ミンちゃんがいないと食べ物が口を通らないって、夜眠れないとも言ってたなぁ。」

 すると、ミンは少し拓真に目を向けた。

「...ホントかい?」

「ホントホント!もう顔面蒼白で!禁断症状出ちゃってたよ!」


 「...しょうがないねぇ、そんなにアタシのことが心配なら...ま、戻ってやらんこともないかな。」

頬を少し赤くしながら、満足げにミンは頷いた。


(チョロッ!)

拓真は内心で突っ込んだ。



「でも、森から出る方法を知らないって言ってたし、やっぱ帰れなくないか?」


「あぁ、そのことね。さっきはそう言ったけど、実は変える手がないことはないのよね。」

そう言うと、ミンはニヤリと笑った。

「ま、とりあえず、アタシに任せてついてきなさい!」


 こうして、拓真たちはその場を後にした。

ギラリと光る、怪しい視線に気づかずに...。




どうだったでしょうか?少しでも楽しんで頂けたら幸いです。


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