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第94話 シュン、大会後の祝勝会へ招かれるPart.1

 うわぁ。

ザ・貴族!

って感じに手入れの行き届いた屋敷だな。

シュンは、大会優勝の祝勝会としてミリアさんの実家の屋敷へ招かれた。

大会から2日が経った今だが、つけ狙われている気配も消えた。

色々あったけど、カリナさんの件も王様に掛け合って解決してもらう運びとなっている。


「うちもこんぐらい綺麗だった時、あったんだがなー」


「親父、頼むから変なことしないでくれよ」


「もー、シュンちゃん酷いわよ。私たちだって節度は弁えてますぅ」


 はぁ。

ミリアさんの強い要望もあって、親たちも連れてくることになってしまった。

正直、不安しかない。

でもまぁ、親父たちも貴族の端くれ。

他人の前では礼節を守って......ない!

チリンチリンと何度も扉に設置されたベルを鳴らした。

俺はそれを素早く止め、それ以上するなと目で威圧した。


「なんだよ、ぼーっと突っ立ってるからだろう。ねぇ、ママ」


「ねーあなた」


 くっ、2人のことで頭を悩ませたのが仇となったか。


「はーい、どうぞ」


 聞き覚えのある声が扉の内側から聞こえた。

彼女は使用人よりも早い足取りで扉を開く。

すると、少しコゲの匂いがするミリアさんがいた。

コック帽を被り、かなり慌てた様子だ。


「やぁ、ミリアさんが作っているんだね。手伝おうか?」


「いえ、まったく問題ありませんよ! シュンさんたちは、奥にある広い部屋でくつろいでいてください」


「わ、わかった」


 なんかすごい張り切ってるな。

後、急いできたせいかボウルと泡立て器も持ったままだ。

そして、真剣な顔でホイップクリームを混ぜながら調理場へ戻ろうとしている。


「ミリアさん、鍋の蓋が飛びそうなんですけど! 早く来てください!」


 様子を見ていると、調理場の方からカリナさんの声が聞こえた。

2人とも、使用人に任せればいいのに。

ミリアさんはその言葉を聞いてビックリしたのか、足を滑らせる。


「キャ!」


 ボウルは半回転し、彼女の頭上に被さった。

俺は怪我していないか心配になり、駆け寄った。


「大丈夫?」


「うぅ、折角泡立ちそうだったのに」


 目をうるうるさせ、今にも泣きそうだ。

俺は慰めてあげたいという気持ちと同時に、頬が紅潮した。

彼女の頭から垂れた白いそれが、谷間に垂れたのだ。

それはまぁ、あれを想像させるに十分。

俺はそれを注視しないために、視線を背けた。


「シュンさん、どうしたんですか?」


 そんな様子を見て、不思議に思ったのか震えた声でミリアはいう。

そしてゆっくりとそれを察したのか、悲鳴を上げた。


「どうしたミリア!」


 屋敷に鳴り響いたそれに、恐らく彼女の両親と思しき身なりのいい男女がこちらに来た。


「君、うちの娘になんて破廉恥な」


 どうやら、谷間についたあれを完全に誤解しているようだ。

頭のボウルを見れば、何が起きたか理解してくれる。

だが頭が冷静ではないのか、如何せん睨まれた。


「あのぉ、ホイップクリームがですねぇ。被っただけなんすよ」


「なら何でうちの娘は泣きながら走りさっていくんだね?」


 うわぁ、大事な承認が逃亡しちゃった!

最悪だ、どう言い訳すれば......。


「騒がしいわね、祝いじゃなかったのかしら?」


「シュエリモン! 助けてくれー」


 俺は突如として現れたシュエリーに救いを求めて駆け寄った。

泣きつく姿にかなりドン引きした表情を見せるが、事情を話す。

ため息をつきながらも「わかったわよ」と一言。

あぁ、やっぱりシュエリーさんとパーティー組んでよかった。

こういう時、まじで頼りになる!

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